韓LG Telecom、EV-DO Rev.Aサービスを開始

» 2007年09月11日 17時32分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
photo LGTから登場したEV-DO Rev.A対応の端末2機種。右がLG-LH2000で左がSPH-W3150。価格はLG-LH2000が50万ウォン(約6万円)台中盤、SPH-W3150が60万ウォン(約7万2000円)台前半

 韓LG Telecom(以下、LGT)は9月11日、CDMA2000 1x EV-DO Rev.A(以下、EV-DO Rev.A)に対応した携帯電話を発売し、同時にEV-DO Rev.Aの商用サービスを開始した。

 今回発売されたEV-DO Rev.A対応端末は、LG電子製の「LG-LH2000」とSamsung電子製の「LG-W3150」の2機種。LG-LH2000は2.2インチディスプレイを搭載し、横置きにしての地上波DMB視聴や、テレビ電話ができるのが特徴だ。スライド型のSPH-W3150も2.2インチのディスプレイを搭載する端末。テレビ電話はもちろんのこと、地上波DMB受信、MP3プレーヤーを音声認識して動作できる「MP3音声認識」機能を持っている。

 LGTではこれら端末の販売に合わせ、テレビ電話サービスを30ウォン(約3.6円)/10秒で提供する。そのほかのEV-DO Rev.A専用サービスや料金に関しては「現在準備中。新規サービスを提供するには、韓国政府(韓国情報通信部)の許可を得ることが必要だが、さまざまなユーザーに対応できるよう検討している」(LGT)という。

 現時点のEV-DO Rev.Aの対応エリアは、ソウルを含む首都圏、全国主要都市をはじめとした32の都市。10月末までにはこれを全国84市に拡大し、全国サービスが可能となる予定だ。EV-DO Rev.A対応端末も年末までに3機種追加し、全部で5種類にする方針も明らかにした。

法的なハードルも

 韓国では法的に、3G携帯電話(IMT-2000)の事業者は識別番号を“010”にすることが決められている。韓国情報通信部はEV-DO Rev.A利用者にも010番を付与するべきという方針を打ち出しているが、決定事項にはなっていない。今のところ、LGTのEV-DO Rev.Aサービスと回線契約すると識別番号は“019”になる。

 韓国情報通信部の方針に対し、LGTは「(EV-DO Rev.Aは)既存のCDMA2000 1x EV-DOから進化したサービス」という理由で、反対表明を行っている。識別番号が変わるようであれば既存のEV-DO Rev.Aユーザーに不便を強いることになり、019番を使いたがるユーザーがEV-DO Rev.Aサービスに加入しないこともありうる。

 LGTは、情報通信部の方針がEV-DO Rev.Aの普及を遅らせるのではと憂慮しているが、「情報通信部の方針も、まだ発言が出ただけで、法的に変化があるというわけではない。もうしばらく見守ることが大切だ」(LGT)と、事態を静観する構えだ。

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