世界シェアトップ3入りの鍵は、ブランド携帯とエントリー市場への進出──Sony Ericssonのルイス氏Ericsson Strategy and Technology Summit

» 2007年09月18日 22時39分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
Photo Sony Ericssonのエントリ部門トップ兼副社長のハワード・ルイス氏

 英Sony Ericssonが好調だ(7月13日の記事参照)。2位争いを続けている米Motorolaと韓Samusungがシェア拡大に向けた決定打を打ち出せずにいる中、Sony Ericssonは「Walkman」ブランドの音楽ケータイを軸に、市場で強い存在感を示し始めている。世界シェアトップ3入りを目指してどんな戦略で望むのかを、エントリ部門トップ兼副社長のハワード・ルイス氏に聞いた。

ITmedia Sony Ericssonが注力する、音楽への取り組みについて教えてください。

ルイス氏 音楽については、2005年にWalkmanブランドの端末をリリースしてからさまざまな面で強化を図ってきました。Sony Ericssonが重視したのは、携帯電話に音楽プレーヤーをうまく統合すること。これは、容易な作業ではありません。

 大切なのは、まずは携帯電話をしっかりと作り、その上で音楽機能を作りこむことです。当初からユーザーインタフェースを工夫し、ユーザーに音楽機能を使ってもらえるようにと配慮してきました。これは、口で言うのは簡単ですが、実現するとなると難しい課題です。この一環としてこれまで、「PlayNow」「TrackID」「SenseMe」などのサービスを提供してきたわけですが、中でも「SenseMe」は、これまでとはまったく違うソフトに仕上がっています。楽曲名やアーティスト名で聴く曲を選ぶのではなく、ムードで楽曲を選ぶというもので、われわれの音楽機能に対する取り組みのユニークさを体現しています。

 音声通話から始まった携帯電話も、今やさまざまなカテゴリーが生まれており、ユーザーは音楽、カメラ、ゲーム、Webブラウザなどの機能で携帯を選ぶようになっています。携帯電話のカテゴリー化は、業界の将来の方向性といえるでしょう。Sony Ericssonでは、音楽重視の端末は「Walkman」、カメラ重視の端末は「Cyber-shot」というブランドで展開しており、WebブラウザはPシリーズなどのハイエンド端末で対応を強化しています。

 例えば「Sony Ericsson K850i」のようなCyber-shotブランド携帯は、表から見ると携帯電話ですが、裏はまるでデジタルカメラ。デジカメとして利用するときは直感的に利用できるよう、シャッターボタンの配置にも配慮しています。この「デュアルフロント」のようなスタイルが、われわれの強みです。

ITmedia 音楽ケータイとして登場したAppleのiPhoneが、業界を賑わせています

ルイス氏 Appleは、自身の戦略に基づいて携帯市場で製品を展開しています。われわれがAppleの戦略に対してコメントすることは不適切なので避けますが、たとえどのようなニュースであれ、新しい動きはわれわれにとってよいニュースといえるでしょう。

 iPhoneは、業界全体をプロモーションしてくれると思います。われわれは顧客との接点となるショップで自社端末を売り込むまでで、それはAppleも同じでしょう。そのあとは消費者が決めることです。つまり、iPhoneが発表された後も、われわれの端末ポートフォリオや戦略に変更はないということです。

 通信オペレーターとは、2004年に音楽カテゴリーの戦略を立てる際に協業することを決定しました。これも、正しい決断だと思っており、変更はありません。

ITmedia PSPブランドの端末をリリースするという噂がありますが

ルイス氏 Sony Ericssonは、当初からモバイルゲームにフォーカスしており、開発者向けにも各種の取り組みを行っています。こうした取り組みが功を奏したのか、Sony Ericsson端末のユーザーは、ゲームコンテンツを多数ダウンロードするともいわれています。

 われわれのコンセプトは、まずは携帯電話であるということ。ゲームコンテンツの場合、入力メカニズムが携帯電話とは大きく異なります。われわれは音楽プレーヤと同じような感覚でデジタル音楽を楽しめる携帯電話を作りましたが、ゲームで同じようなことをしようとすると、ボディ形状やプラットフォームで特別な設計が必要となり、それには投資が必要になるでしょう。

ITmedia 昨年11月にUIQ買収を発表しましたが、その後の進展は

ルイス氏 UIQを買収したのは、ユーザーインタフェースにメーカーとして深く関与するためです。以前からユーザーインタフェースにUIQを採用しており、買収前からよい関係でしたが、2つの組織をより密に連携させるために買収しました。大きな変化があったわけではなく、より綿密なコラボレーションが可能になったというところでしょうか。

ITmedia “世界シェアトップ3入り”という目標が現実味を帯びてきていますが、今後の見通しや戦略をどのように考えていますか

ルイス氏 今、手がけていることを活用することと、それをSony Ericssonがまだ強い立場を築いていない市場でも展開することです。すでに展開している市場にも、まだ強化の余地はあります。既存の製品ポートフォリオで十分にアピールできる市場もあれば、ポートフォリオが十分でない市場もあるわけです。

 戦略としては、開拓できていない市場への進出とディストリビューションの拡大、ポートフォリオの拡充の2つといえます。エントリー市場は、“単なる低価格端末=利ざやが少なくなる”という図式で見られがちですが、われわれはミッドレンジからハイエンドの機能を持つ製品やブランドをエントリー市場に持ち込むことを目指しています。

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