ケータイを“インターネットマシン”へと進化させる──ソフトバンク 孫正義社長(1/3 ページ)

» 2007年11月07日 10時32分 公開
[園部修,ITmedia]
Photo ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏。現在自身で最終テスト中という「THE PREMIUM 820SH」とおぼしき端末を、自信作だと披露した

 ソフトバンクが11月6日、2008年3月期の中間決算を発表。上期の売上高は1兆3647億円で前年同期から2245億円(19.7%)増加。営業利益は1677億円、経常利益も1111億円と前年同期を上回り、過去最高の数字を記録する増収増益となった。

 2007年度も、ソフトバンクの収益のけん引役は携帯電話事業だ。上半期の連結売上高1兆3647億円のうち、移動体通信事業が8089億円を計上。連結営業利益1677億円の内訳を見ても、移動体通信が過半数を稼ぎ出している。営業利益の増減率も、前年同期比で49%増を達成し、20.4%の減益となったNTTドコモや9%の増益にとどまったKDDIを大きく上回った。2006年上半期は約9万7000件に過ぎなかった純増契約数は、2007年上半期に114万件に増加。一気に純増数首位の座に躍り出る伸びを見せている。

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 また、この中間決算発表があった11月6日、中国で電子コマース事業などを運営しているAlibabaのB2B事業部門が香港証券取引所に上場を果たし、2兆9000億円の資金調達に成功した。孫氏は「今日は非常にうれしいことがあった。6年前、Alibabaがスタートして間もないころに約20億円を出資し、三十数パーセントの株式を取得したが、そのAlibabaが上場して、B2B部門だけで約2兆9000億円という市場の評価を得た。中国は非常に大きな潜在市場で、これからも急激に伸び続ける。ソフトバンクが中長期のスパンでインターネットでやろうとしてきたことが、一歩一歩実現してきている」と喜びをあらわにした。

 「ソフトバンクは日本における携帯第3位の会社ではなく、アジアのナンバーワンインターネット企業が、最近携帯電話事業を始めたのだと思ってほしい」(孫氏)

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“ホワイト”シリーズで純増シェアナンバー1を快走

 注目の携帯電話事業は、純増シェアで5カ月連続の首位を獲得するなど目下絶好調だ。9月の純増シェアでは、ドコモ、KDDI伸び悩む中で50.4%を占めた。10月の純増も順調に推移しているといい「明日正式な結果を発表するが、他社と比べて順調に推移したと考えている」(孫氏)と自信を見せた。

 半期単位の純増シェアを振り返ると、2005年度の上半期は純減、2006年も10%以下で、この1年で急激に改善したことが分かる。「1年前と比べると、純増シェアはドコモさんと入れ替わったような感じ」(孫氏)

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 端末の3G比率は、9月末日の時点で全契約数の64%、1092万契約となり、“経営的に利益が出やすいユーザー”に順次置き換わっている。基地局を4万6000局にほぼ倍増させる計画は8月までにほぼ達成し、9月末の時点では4万7439局が開局済みとなった。これにより、ユーザーのつながりやすさや電波状況に対する満足度も大幅に向上した。

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 割賦販売制度「新スーパーボーナス」の加入数は800万件を突破。割賦販売制度自体が浸透してきて、長期契約者の獲得につながっているという。新スーパーボーナス開始当初は、競合他社から批判されたり、メディアからも料金が分かりにくいなどと指摘されたりしたが、「この通信料金と端末価格を分離する方式が、総務省のモバイルビジネス研究会で議論されたこともあり、むしろ正しいビジネスモデルだと最近評価されてきた」(孫氏)と、率先して“分離モデル”を導入した実績をアピールした。

 「無料通話が何分あるとか、家族割引でさらに何パーセント引きとか、“無期限くりこし”という名の通信料の繰り越し制度が実は金額の上限があるとか、料金体系はよく分からない複雑怪奇なものだった。これに対して、ソフトバンクはホワイトプランとWホワイトというシンプルで分かりやすい料金体系を打ち出した。今や新規契約・機種変更のお客様の97〜98%、もしかするともっと多くの方がこの“ホワイト”シリーズで契約している」(孫氏)

 この結果、ホワイト家族24加入者の満足度は49%と、非常に高い評価を獲得するに至った。

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CM好感度では史上初の快挙

 番号ポータビリティ開始直後は、「0円」を前面に押し出した広告展開を行ったこともあって、「誤解を与える」と公正取引委員会や競合他社から指摘されたりもしたソフトバンクモバイルのテレビCM。しかし、「その後いろいろ反省しながら料金体系をよりわかりやすくし、広告の内容もより分かりやすく、かつ好感の持てるものに改善してきた」(孫氏)結果、CM業界の観測史上初となる、会社別、作品別、銘柄別のCM好感度調査で、“3カ月連続3冠”を達成した。

 従来、12カ月の中で2回、3冠を達成した企業はあったが、3回3冠を達成した企業はなかったのだという。実際には2006年12月にも3冠を達成しているので、12カ月の間ということなら3冠は4回獲得していることになる。

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 「あらゆる業界の、約1200前後の会社が出稿する、約4500作品、約3100銘柄の中で、全部門で3カ月連続で1位を取れた。これは大変喜ばしいこと」(孫氏)

 もちろんCMだけでなく、店頭での好感度も向上させるべく、店舗数の増強も積極的に行っている。番号ポータビリティ開始直後は店舗が混雑し、来客を1時間から2時間も待たせるといったこともあったという。しかし、9月末時点で店舗数は2417軒まで拡大。2006年4月時点の店舗数から約30%増やした。

 ボーダフォンの日本法人を買収したときは販売店の3分の1が赤字で、多くの店舗が“できたら閉店したい”と考えているという調査結果も出ていたそうだが、現在はほとんどの店が黒字化し、むしろ出店させてほしいという要望がたくさん来ている状態だ。孫氏はこれらの要望を聞きつつ「計画的に、過熱しないようコントロールしながら(店舗を)増やしている」と話した。

 受付カウンターの数は、店舗数の拡大以上に増えており、9月末時点で1万を超えたという。2006年4月比で63%の増加となっており、“来店者を待たせない店作り”が進んでいる。

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 こうしたさまざまな施策の結果、番号ポータビリティ開始直前には70%近くにまで下がっていた継続利用意向は、9月の時点で82%にまで回復した。好調な純増には、解約率の低下も大きく寄与している。2007年度第2四半期の平均解約率は1.05%と、ドコモやKDDIとそう変わらない水準にまで下がっている。ちなみに9月単月で見ると解約率は1.02%、10月は0.92%と、さらに改善が進んでいるとのこと。割賦販売を利用している(2年契約を結んでいる)ユーザーに限定すると、解約率は0.75%となっており、新スーパーボーナスを利用するユーザーが増えれば、解約率はさらに下がるとの見通しを示した。

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 なお、ソフトバンクモバイルが好調な理由としてよく挙げられるの“法人契約の増加”についても、今回数値が明示された。法人名義での契約は、2006年上半期には6万件程度の純増だったものが、2007年上半期には33万件の純増を記録。前年同期比で5.5倍の伸びで増えている。これはソフトバンクテレコムなどの法人向け営業チャンネルも大きく貢献しているという。

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