5分で分かる、先週のモバイル事情11月3日〜11月9日

» 2007年11月12日 17時16分 公開
[ITmedia]

ソフトバンクモバイルが6カ月連続純増1位

 電気通信事業者協会(TCA)が11月7日に発表した、2007年10月末時点での携帯契約数によると、携帯電話の契約数は累計で9966万5100。9月末の実績から33万1500増加した。携帯とPHSの累計契約数は1億457万4000、普及率は81.8%(携帯:78%、PHS:3.8%)。

 各社の純増はNTTドコモが3万9100、KDDIが13万3800(auは16万6000純増、ツーカーは3万2200純減)、ソフトバンクモバイルが 15万8600。ソフトバンクモバイルは5月から6カ月連続でキャリア純増シェアトップを獲得。KDDIもauの単体契約数では16万6000の純増で、ドコモが大きく水を空けられている。2008年3月にサービスを終了するツーカーは3万2200の純減で、累計契約者数は44万900。

 PHSはマイナス4万6900の純減を記録。累計契約数は490万8900に落ちた。特にウィルコムが2万3100の純減となり、ドコモのPHSとほぼ同程度の純減となったのが響いた。純減は大都市圏が中心で、約半数は東京エリア。

ソフトバンクが2008年3月期中間決算を発表

 ソフトバンクモバイルなどを傘下に抱えるソフトバンクが11月6日、2008年3月期の中間決算を発表した。売上高は前年同期比前年同期比21.8%増の1兆3647億4500万円、営業利益が49.0%増の1677億4600万円、中間純利益が同221.8%増の464億6200万円で、増収増益。

 特に携帯電話事業の好調が業績を大きく引き上げた。中間期(4月1日から9月30日まで)の純増数は114万2800に達し、5月に初の純増トップを獲得して以来、9月まで5カ月連続で純増トップを獲得。半期ベースの純増首位を達成した。ソフトバンクモバイルの累計契約数は1705万2500となり、うち3Gの契約は9月末時点で全契約数の64%を占める1091万6500に到達した。

 ただ、同社社長の孫正義氏は「ソフトバンクは日本における携帯第3位の会社ではなく、アジアのナンバーワンインターネット企業が、最近携帯電話事業を始めたのだと思ってほしい」と、ソフトバンクがインターネット企業であることを強調した。中間決算を発表した11月6日は、出資先の中国Alibaba.comのB2B部門が香港証券取引所に上場したことで、1兆円単位の含み益が発生しているという。Yahoo! Japanもほぼ同様の規模にまで成長しており、これからは「ケータイをインターネットマシンに進化させる」と宣言した。

Google、携帯向けのオープンプラットフォーム「Android」を発表

 米Googleが11月5日(現地時間)、携帯機器向けのオープンソースのプラットフォーム「Android」を発表した。また、合わせて携帯端末メーカーや通信事業者など34社が加入する「Open Handset Alliance」(OHA)も設立した。

 Androidは、OSやミドルウェア、ユーザーインタフェース、各種アプリケーションソフトからなる「ソフトウェア スタック」を含んだオープンソースプラットフォーム。現在提供されているインターネット接続が可能な携帯電話は、対応端末や回線、コンテンツなどがキャリアの垂直統合モデルの中にある。Googleはオープンな開発環境を提供し、水平分業されたビジネスモデルを目指したい考え。

 なおAndroidは、汎用のモバイルプラットフォームであり、将来的にはポータブルメディアプレーヤーやナビゲーションシステム、セットトップボックスといった用途へ広がっていく。ただし最初の2〜3年は、携帯端末を重点的にサポートしていく方針だ。11月12日に最初のソフトウェア開発キット(SDK)を公開する。ライセンス形態はApache License Version 2。OSにはLinuxカーネルを用いているが、インタフェースやドライバ、アプリケーションはGoogleが自社開発する。Androidベースの携帯端末は2008年中に登場する予定。

 OHAはGoogleのほか、アプリックス、Ascender、Audience、Broadcom、China Mobile、eBay、Esmertec、HTC、Intel、KDDI、リビングイメージ、LG電子、Marvell、Motorola、NMS Communicaitions、Noser、NTTドコモ、Nuance、Nvidia、PacketVideo、Qualcomm、Samsung電子、SiRF、SkyPop、SONiVOX、Sprint Nextel、Synaptics、TAT(The Astonishing Tribe)、Telecom Italia、T-Mobile、Wind Riverが参加する。

シンビアンがSymbian Summit Tokyo 2007を開催

 シンビアンが開発者向けの年次イベント「Symbian Summit Tokyo 2007」を開催。同社が開発しているSymbian OSの特徴や方向性を紹介したほか、固定ブロードバンドの性能をモバイルで実現することを目指した新IPネットワーキングアーキテクチャの「FreeWay」、リアルなアニメーションやオーバーレイの効果をユーザーインタフェースに取り込む「ScreenPlay」、アプリの利用に応じて細かく電流を制御し、バッテリーの持ちを向上させる「SMP」といった新技術を披露した。

 Symbian OSは、NTTドコモが携帯電話プラットフォームの1つに採用しているほか、世界でも高い評価を獲得している高機能OSだ。北米以外では、携帯向けOSのシェアで第1位となっており、2010年には累積出荷台数が10億台に達すると予測する調査会社もあるという高機能携帯電話の市場で、今後もマーケットリーダーの座を維持するとしている。

 英SymbianのCEO、ナイジェル・クリフォード氏は「Symbianは将来に向けた技術と適切なパートナー、製品を提供できる点が強みであり、それがパートナー企業や顧客の利益の向上に貢献できる」と話した。またシンビアンの久晴彦社長は、Symbian OSを搭載した端末が、11月6日時点で6メーカーから64機種が登場しており、今年だけでもすでに20機種がリリースされていることを紹介。日本では端末の多機能化にともないユーザーインタフェースを見直す機運が高まっていることもあって、「ScreenPlayはiPhoneを凌駕するような新たなUIを創るための技術。FreeWayでは高速通信を可能にする」(久氏)と新技術に自信を見せた。

 また日本でSymbian OSをプラットフォーム「MOAP」に採用しているNTTドコモからは副社長の山田隆持氏が端末開発の効率化や低コスト化に向けた取り組みについて説明。「アプリの一部も共通化を検討する」と、MOAPの将来についても言及した。

 MOAPプラットフォームを用いて端末開発をしている富士通三菱電機シャープ、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズもそれぞれ講演を行い、Symbian OSならではの利点や端末開発時の工夫などを紹介した。

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