2.5GHz帯の周波数の割り当てが、KDDIを中心とするワイヤレスブロードバンド企画とウィルコムに決定。iPhoneの日本国内での販売についても一部で報道、KDDIは消極的な姿勢だ。
12月21日、2.5GHz帯の周波数の割り当て先が、KDDIが中心に出資をしているワイヤレスブロードバンド企画とウィルコムに決定した。一方のソフトバンクとイー・アクセスが中心のオープンワイヤレスネットワーク(OpenWin)とアッカ・ワイヤレスは、認定を得られなかった。
ワイヤレスブロードバンド企画はサービスを平均3200円程度で提供すると明言。商用サービスの開始は2009年第2四半期を予定しているが、2008年第4四半期には東京23区や横浜市などをカバーし、試験サービスを提供する予定を明らかにした。ウィルコムは「1日も早いサービス開始に向け取り組む」と意欲を見せた。
一方の落選組だが、OpenWinは「まったく納得できないし、受け入れられない」と悔しさをにじませるコメントを発表。アッカ・ワイヤレスに出資をしているドコモは、精算を明らかにしたが、モバイルWiMAXの事業については引き続き検討する。アッカ・ワイヤレスとアッカ・ネットワークスは、MVNOを活用したモバイルWiMAX事業を展開。実質、ワイヤレスブロードバンド企画のMVNO事業者になる計画だ。
落選組も再びチャレンジができる可能性がある。総務省は12月20日、“アイピーモバイル跡地”の2GHz帯(2010MHz〜2025MHz:帯域幅15MHz)について、技術的条件の検討を開始した。アイピーモバイルの認定時にはTD-CDMAまたはTD-SCDMA方式を使用するように定められていたが、今回の検討ではTDD方式を検討。WiMAXではこのTDD方式を採用しているため、再び周波数の割り当て申請が行える見込みが出てきた。
問題もいくつかあり、国際標準である2.5GHz帯からは外れること、帯域幅が15MHzしかないこと(2.5GHz帯の割り当てでは30MHz)、再度審査が行われるため認定までに時間がかかり、サービスの開始が遅れるといったものだ。
またソフトバンクモバイルは、携帯電話の周波数の関係で、WiMAXと3G携帯電話とのデュアル端末を作るのが難しいとしている。
2.5GHz帯割り当ての審査では、総務省の発表前に認定される事業者が内定したとの報道がたびたび流れた。これを危惧したOpenWinは12月20日に、総務省と電波監理審議会に審査の透明性を求める要望書を提出していた。
12月19日、KDDIは小野寺正社長の定例会見を実施。開発を進めている携帯電話のプラットフォーム「KCP+」の遅れから、12月に発売する予定だった「W56T」「W54S」「W54SA」の3モデルについて、1月下旬にずれ込むと発言。また、端末の新しい販売方式「au買い方セレクト」の説明不足が原因で高くなったとの誤解を与えてしまったことも原因に挙げ、「冬商戦は厳しいと思っている」と話した。
KDDIは、KCP+のほかGoogleのプラットフォーム「Android」のアライアンスに参加し、採用を検討している。「情報系やSNSのようなサービスはオープン系、ショッピングやオークション、GPSを使った助手席ナビなどのような有料コンテンツは垂直統合でないと課金がやりにくい」との理由を挙げ、「オープン系と垂直統合型と平行して走らざるを得ない」とした。
未成年が携帯電話に絡んだ事件に巻き込まれることが増加していることを背景に、マナー教室やフィルターサービスを進めていることも強調。未成年者の契約は基本的にフィルターサービスを適用することを検討しているが、親が契約者の携帯電話を子供が利用するなど契約者と利用者が必ずしも一致しない、ホワイトリストとブラックリストの管理は誰がやるのかなどの課題があることを話した。
米ウォール・ストリート・ジャーナルは12月17日、iPhoneの国内販売はドコモが優勢で、ソフトバンクモバイルも交渉を続けていると報道。両社の広報部からは、コメントはできないとの回答を得た。
一方のKDDIは定例記者会見にて消極的な姿勢を示した。
11月29日にKDDIが発表したEV-DO Rev.A方式のPC向けデータ定額サービス「WINシングル定額」だが、開始日が12月22日に決まった。利用できるプロトコルに制限はないが、周囲の混雑状況により通信速度が制限される。
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