「iPhone 3G」はソフトバンクが考える最適な“インターネットマシン”

» 2008年06月25日 17時37分 公開
[ITmedia]
photo ソフトバンクの孫正義社長(6月3日撮影)

 ソフトバンクは6月25日、第28回定時株主総会を開催した。孫正義社長が議長を務め、過去最高の売上げ/利益を達成した2008年3月期の連結決算や好調の携帯電話事業、そして今後10年の事業計画などを説明。株主の「過去の総会は殺気立っていたこともあったが……」という発言で笑いが起きるほど、終始穏やかな雰囲気で進行した。

 孫社長は“総合デジタル情報カンパニー”と銘打つソフトバンクの10年計画を説明。2点の大きな目標を示した。

 「モバイルを制する者がインターネットを制する。そしてアジアを制する者が世界を制する」

 CPU速度や機能の向上、通信速度の向上、画面サイズと解像度──。携帯の進化は著しく、PCに変わってインターネットを利用するのに適する条件がそろった、と孫社長。「インターネットはPCから携帯へ確実にシフトする。なぜか。携帯の機能の向上とともに、数(携帯:11億台/年、PC:2.7億台/年)と1日の使用時間(携帯:24時間、PC:2時間ほど)が圧倒的に上回るからだ。以前からこうなると判断していたからこそ、ボーダフォン買収に踏み切り、携帯業界に参入したことになる。ボーダフォンの買収は、はじめから音声ではなくインターネットサービスをやるためだった」

photo 7月11日発売の「iPhone 3G」

 「iPhone 3G」もソフトバンクに言わせると“インターネットマシン”。シャープ製の「インターネットマシン 922SH」とともに2008年春に宣言した「2008年はインターネットマシン元年」の発言の裏は、すでにiPhoneの投入も強く意識していたという。「(他国GSM版の)iPhoneユーザーはARPUが他機種より約1.8倍も高いという結果が出ている。このことは経営面でも魅力的なこと。iPhone 3Gの登場で“PCでインターネット”するのも急激に減っていくかもしれない」

 ソフトバンクは中国China Mobileと英Vodafoneの3社折半で出資した「ジョイント・イノベーション・ラボ」をこのほど設立。中国を中心にアジア圏のモバイル企業への投資もさらにすすめる。「国内の1900万ユーザーでは世界のリーダーシップは取れないが、この3社連合で世界20億ユーザーのうち7億人を相手にできる。おサイフケータイや携帯ゲームなども世界中で普及させたい。日本は携帯契約者の伸び悩みや人口減少などが危惧されるが、世界に目を向ければ悲しいことはない。今までアメリカが世界ナンバーワンだったが、これからはアジア中心の時代が来る」

 なお、「iPhone 3Gは発売と同時に初期出荷分はなくなると思う」とiPhone 3Gの反響の大きさを示すとともに、発売日当日の品薄傾向が生じる可能性も示唆した。

3.9Gと2012年の周波数帯再割り当て

 LTEを中心とする3.9Gや4G化は、技術的な検証や実験は当然行うが、実際に設備投資を始めるタイミングについては慎重な姿勢を示す。「3.9Gはまだどのキャリアも設備投資を開始していない。世界スタンダードが完全に定まっておらず、技術的な試行錯誤を行っている最中だからだ。2Gで日本は世界の技術標準から孤立、3Gもドコモが先を急いだようにあわててやるといろいろな無駄が出る事例もあった。そのため、最も効率的なやり方で、ベストなタイミングをはかって設備投資を行う。意志決定と行動の早さは世界中のどの社に負けないと自負するので、少なくとも事業は他社と同時期には始められる」

 現状のカバーエリアは、有利な800MHzの周波数帯で展開するNTTドコモやKDDIより不利である状況ながらも基地局数5万1320局(前期比 2万2000局増)を達成し、許認可以外の設備投資や技術で対応できる最善の努力をしているとアピールする。「次の周波数帯再割り当てが2012年に予定されている。そのときには公平な事業競争を提供するという意味で、総務省にはすでに電波を割り当てている2社ではなく、順番から次はソフトバンクに割り当てていただけると信じている。総務省の許認可のみで電波品質に差が出る現状はあるが、新たな許認可の取得と現在の2GHz帯、両方手を抜かず最善の努力をしたい」

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