ドラマで使われるケータイたち 2008年春──ソフトバンクモバイル編蒼井優、天海祐希、藤木直人のケータイは?(1/2 ページ)

» 2008年06月27日 20時54分 公開
[青山祐介,ITmedia]

 ドコモ、au、ソフトバンクモバイルのいずれかがスポンサーとして付いていることが多い、21時から23時台に放映される連続モノのテレビドラマ。この時間帯は視聴率も高く、携帯電話の潜在顧客が多数番組を視聴しているということなのだろう。

 4月から始まった2008年の春クールのドラマでソフトバンクモバイルが提供するのは、日本テレビ系火曜夜10時台の「おせん」と、TBS系金曜夜10時台の「Around40〜注文の多いオンナたち」の2本だ。これらのドラマで使われているケータイは、ソフトバンクモバイルのWebサイト内にある「ケータイNow on Air!」(外部リンク)で公開されている。

採用は春モデル中心ながら、2007年秋冬モデルも多数

 火曜日22時放映の「おせん」は、東京の下町にある「一升庵」という老舗料亭を舞台に、蒼井優演じる“おせん”こと半田仙という女将を中心に、そこに働く料理人や仲居、そして、この店にやってくる客の人間模様を通じて、“本当の食”を訴えるドラマだ。料亭を中心にしたストーリーのため、残念ながら画面にケータイが登場することはあまりない。

 主人公の半田仙は20代でありながら古風に育てられ、世俗とは切り離されていたという設定のため、もちろんケータイを使うシーンはなく、電話をかけるときには黒電話を使う。一方、いかにも現代っ子であり、一升庵で働くようになってその考え方が変わっていく江崎ヨシ夫を演じる内博貴はSamsung電子製の「820SC」を使っていた。また、仲居の1人を演じる森田彩華が仲居部屋でシャープの「AQUOSケータイ 920SH」を使ってワンセグを見ているシーンがあったが、これは現代っ子の仲居ということを象徴的に描き出していたのかもしれない。

 このほか、すでに隠居している女将の母を演じる由紀さおりが「THE PREMIUM TEXTURE 823SH」を使っていて、何度かおせんから相談の電話を受けるシーンがあった。ブラックの本体にレッドクロコのプレートが、洒落者の女将の母のキャラクターをケータイでもうまく表現しているといえる。また、鈴木蘭々演じる仲居がパナソニックモバイルコミュニケーションズ製の「MIRROR 820P」と思われる端末で古い友人に電話をしているシーンを確認できた。

PhotoPhotoPhoto 左から「820SC」「AQUOSケータイ 920SH」「THE PREMIUM TEXTURE 823SH」

 一方、金曜日20時から放映の「Around 40〜注文の多いオンナたち」では、ケータイが生活と切っても切り離せない現代人の生活が描かれている。40歳前後の女性を意味する「Around 40」にあたる3人の女性を中心に、恋愛や結婚、出産、家庭といったテーマをライトタッチに扱ったドラマだ。特にこの3人の女性はとても仲がよく、ケータイで連絡を取り合うシーンが劇中で何度も登場する。

 優秀な精神科医を演じる主演の天海祐希は東芝のハイエンド端末「921T」を使用していた。天海の親友役は大塚寧々と松下由樹で、大塚は大手出版社の雑誌編集者の役、松下は専業主婦からWebサイトの営業の仕事をするようになるという設定。大塚のケータイは「822P」で、折りたたみタイプ全盛の中で白いストレートタイプを使っている姿は新鮮。一方松下は「820SC」を使用。物語前半は専業主婦ということもあり、自宅の固定電話を使うシーンが多かったが、営業の仕事をするようになると、外出先からケータイを使って連絡を取るようになる。また、この松下由樹の息子役の神保悟志は、自宅では母親の小言を受け流しながらケータイを触っているシーンで現代っ子を象徴的に演じていた。

 ちなみに天海祐希の恋人役を演じた藤木直人は、ソフトバンクモバイルのWebサイトではTHE PREMIUM TEXTURE 823SHを使っているとされているが、第3回放送分以降はソフトバンク版のVIERAケータイ「920P」を使用しているのが確認できた。この2人も、劇中では何度もケータイで連絡を取り合う。

PhotoPhotoPhoto 「921T」「822P」「820SC」

 なお、いわゆる21時から23時台の“大人向け”ドラマではないものの、4月から水曜日の19時に「ケータイ捜査官7」という番組が始まっている。こちらはドラマにケータイが登場するのはもちろんだが、ケータイそのものが変形してロボットになるドラマの主人公である点が今までになかったポイントだ。劇中に登場する変形するケータイ「フォンブレイバー 815T PB」は、ソフトバンクモバイルが実際に製品化している。

Photo 「フォンブレイバー 815T PB」

他キャリアのケータイを使えない俳優、女優の端末にも注目

 携帯電話事業者がスポンサーに付くドラマでは、やはり基本的にそのキャリアのモデルがドラマの中で使用される。ただし、別のキャリアのCMに出演していたりする関係で、そのドラマのスポンサーすとは異なるキャリアのモデルを使用しなくてはならない俳優・女優もいる。

 4月から始まった今クールでは、水曜22時台に放映された「ホカベン」の上戸彩、そして、土曜の21時台に放映された「ごくせん」の仲間由紀恵が、まさにこのケース。それぞれソフトバンクモバイル、auのメインキャラクターでありながら、2人ともドコモ提供のドラマで主役を演じている。そのため、ほかの俳優がドコモの端末を使う中、上戸、仲間は、それぞれドコモのラインアップにはないデザインの端末を使っていた。

 上戸はスクエアなデザインの白い折りたたみ端末を使用。カーソルキーが四角く、またダイヤルキーの横列が分離したデザインで、背面には黒くて四角い着信ランプのような窓があることから、「814SH」ベースのモデルではないかと思われる。ただし、ダイヤルキーの色が黒っぽい濃色なので「921T」にも見える。弁護士という職業上、クライアントや事務所と連絡を取るシーンが頻繁に登場していた。

 一方、仲間も真っ白な折りたたみ端末を使っていて、こちらはサイクロイドスタイルのような形状だ。外見はauの「AQUOSケータイ W61SH」ベースにも見えるが、十字キー部分はソフトバンクモバイルの「AQUOSケータイ 920SH」のように丸く、ヒンジが本体側にあるなど、大きく異なる部分もある。また背面側にあるカメラが向かって右にオフセットしており、中央にカメラがあるW61SHとは異なる。このように、おそらく実在しないモデルではありがら、仲間が生徒思いの先生というキャラクター上、頻繁に生徒に電話するシーンが登場するほか、片想いの相手役、小泉孝太郎の待受画面やメール着信画面など、端末のアップも頻繁に登場していた。

 また、木曜22時台の「ラスト・フレンズ」はKDDIの提供だが、主役の長澤まさみはドコモの「P705i」、瑛太がamadanaコラボの「N705i」と思われる端末を使用している。長澤はNTT西日本のCMキャラクターであり、瑛太は5月までドコモのCMキャラクターだった。ちなみに長澤が使っていたP705iは、前面中央部に帯状のデザインが施されており、P705iのロゴ部分を隠すようになっている。また、物語の前半ではMorning Whiteベースのものを使っていたが、途中で恋人役の錦戸亮に取り上げられSunny Pinkベースで同じような加工が施されたものに変わった。

 このほか、ソフトバンクがスポンサードしている火曜22時台の「おせん」の主役、蒼井優も5月までドコモのCMキャラクターだったが、こちらは前述のとおりキャラクターの設定上、ケータイとは無縁で、いつも黒電話を使っていた。

 月曜夜9時台のいわゆる“月9”枠は、キャリアがスポンサーには入っていないが、これまでチェックしてきた中では、KDDIが撮影協力として端末を提供してきている。今クールの「CHANGE」も、出演者のほとんどがauの端末を使用しているが、主役の木村拓哉のみ「F905i」を使用している。ご存じのとおりキムタクは富士通のケータイのCMキャラクターであり、現在は「F906i」や「F706i」のCMが放映中。ドラマがスタートしたのが5月中旬だったため、F906iは使っていない。ちなみにこのドラマは、KDDIがスポンサーというわけではないせいか、F905iがそのまま画面に登場している。

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