ウィルコムのスマートフォン「WILLCOM 03」のロードテスト第3回目は、Windows Mobile向けにリリースされている最新Webブラウザ「Opera Mobile 9.5」を紹介する。
WILLCOM 03のOpera Mobile 9.5は、「iPhone 3G」のSafariと同じようにタッチパネルオペレーションによるスムーズなスクロール操作が可能だ。また、Safariとは違った魅力も持ったWebブラウザに仕上がっている。
WILLCOM 03は、WebブラウザとしてOpera Mobile 9.5を内蔵する。もちろん、Windows Mobile標準の「Internet Explorer Mobile」もあるが、標準ブラウザはOpera Mobileだ。
海外端末ではHTC製の「HTC Touch Diamond」に搭載されているが、国内ではWILLCOM 03が初の搭載端末。7月14日にバグフィックスやFlashに対応した最新版が公開されたほか、ほかのWindows Mobile端末でも利用できるOpera Mobile 9.5のβ版も、7月17日にリリースされた。
Opera Mobile 9.5はタッチパネルによる操作に特化したブラウザで、iPhoneのSafariのようなスムーズなスクロールやズームが行えるのが特徴だ。WILLCOM 03も、ボディとダイヤルキーなどの操作部の間に段差がないため、指先で気持ちよくスクロールできる。
ここ2週間ほどWILLCOM 03とiPhone 3Gを交互に使っているが、やはりiPhone 3GのSafariは、Webブラウザとして非常に良くできていると再認識させられた。もちろん、ページによっては警告もなしにサクッと落ちたり、標準状態ではコピー&ペーストができないなど不満もある。ただ、表示のバランスの良さ、美しさは一見の価値があるだろう。
とはいえ、通常の音声端末のケータイブラウザも含め、どれか1つを選べと言われたら、WILLCOM 03のOpera Mobileを選ぶだろう。ページや画像の保存、ファイルのアップロードや(コンテンツの自由な)ダウンロード、リンク先URLやテキストのコピー、ページの読み込み容量など、機能的には圧倒的に勝っているからだ。
またWILLCOM 03のボディも、Opera Mobileを使うためによく工夫されている。シャープが“フラットサーフェースデザイン”とうたう平滑なディスプレイと操作部は、指先を使った操作がしやすく、カーソル移動や文字入力などを行うイルミネーションキーも補助的に使える。
とはいえ不満がないわけではない。検索窓などのテキスト入力フィールドにカーソルを移動すると、常にソフトキーボードを表示するのが少々邪魔くさい。WILLCOM 03はイルミネーションキーを使えばケータイ感覚で文字入力ができるし、なによりQWERTYキーボードも搭載されている。ソフトキーの自動表示は、必要のない機能と思うので、改善してほしいところだ。
完成度が低いと思えるところもあるが、その分高いポテンシャルが秘められているという評価になるだろう。今あるモバイル端末向けフルブラウザの中では、もっとも便利なソフトであることは間違いない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.