W-ZERO3シリーズをはじめ、これまでのWindows Mobile搭載機は動作が“もっさり”していると言われることが多かった。では“シリーズ集大成”という最新モデルの「WILLCOM 03」はどうだろうか。メニュー画面の表示速度などを検証してみた。
WILLCOM 03は、前モデルの「Advanced/W-ZERO3[es]」と比べて、CPUやメモリ、ディスプレイの解像度などのスペックに変更がない。そのため動作速度はあまり変わらないが、OSが最新のWindows Mobile 6.1 Classic 日本語版に変更されてチューニングが進んだため、動作速度に多少の改善が見られるようである。とはいえ、WILLCOM 03とAdvanced/W-ZERO3[es]を並べて使ってみても、差はあまり感じられない。
ただ、ロードテストの第1回にも書いた通り、日本語入力システムが「ATOK+APOT」から「ケータイShoin 6」に変更されたことで、予測・推測変換候補の表示や切り替えが高速化されたり、「W-ZERO3[es]」と比べると、Operaの起動時間が短縮されていたりと、少しずつだが動作速度の改善が見られる。
WILLCOM 03のOS情報画面。バージョンはWindows Mobile 6.1 Classicで、詳細にはCE OS 5.2.19590(Build 19590.1.1.5)。Windows Mobile 6.1は、Windows Mobile 6.0やWindows Mobile 5と同じくWindows CE 5.xベースのOSであり、Classicは電話機能を持たないPDA向けのエディション。WILLCOM 03を含むW-ZERO3シリーズの電話機能(PHS)は、ウィルコムとシャープが独自に実装しているとはいえ、画像のサムネイル表示は遅く、短縮されたといってもOperaの起動時間はPCやケータイと比べると長い。ネットワークに接続されるまでかなり待たされるほか、メールの送受信にも時間がかかる。
また、新しく導入されたホームメニューも、動作がかなり緩慢なところに不満を感じた。イルミネーションキーの[MENU]ボタンを押すと表示される、“ケータイ”ライクなメニュー画面だが、操作するたびに一瞬待たされるため、個人的にはあまり使う気にならない。結局、Windowsボタンからスタートメニューを呼び出すという、従来の操作法に戻ってしまう。
では、最終結論としてWILLCOM 03はもっさりである――かというと、必ずしもそうではないと筆者は考える。従来のW-ZERO3シリーズも、設定方法や使い方によっては快適に動作するのだが、一般的にはそう認知されておらず悲しい限りだ。ということで、簡単にWILLCOM 03の動作速度を改善させるカスタマイズ方法を紹介しよう。



ホームメニュー画面も、タッチパネルにより画面を触って操作するタッチオペレーションを採用。ユーザーインタフェースは使いやすく作られ、好印象を受ける。表示速度さえ上がれば、快適に使えるだろう。実にもったいない|
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「WILLCOM 03」のホームメニュー
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最も簡単にできる設定は、「上/下コントロール」を自分にあった値に変更することだろう。「ハイライト移動開始までの待ち時間」を短く、「ハイライトの移動速度」を速くするほど、動作速度を速く感じるはずだ。ここを設定するだけでも、だいぶ端末に対する印象が変わってくる。
「スタートメニュー」→「設定」→「個人用」タブ→「ボタン」→「上/下コントロール」タブの画面。キーリピートが速くなるだけなのだが、Windows Mobileに慣れた人でも意外と知られていないようなので、変更してほしい|
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キーリピートのスピードを設定する「上/下コントロール」で、サクサク感を上げられる。これは初期設定の状態
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WILLCOM 03の「上/下コントロール」を最速にした状態。
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WILLCOM 03の「上/下コントロール」を最速にした状態で、Opera Mobileを起動しGoogleにアクセスしてみた。
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WILLCOM 03は、初めて利用するときに新しく初期設定ツールが起動するようになった。これにより、着信音や文字サイズ、テーマ、壁紙などをまとめて設定できるのだが、大まかな項目のみの設定になる。
自分に合わせてきっちりカスタマイズするには、上/下コントロール設定などのように、スタートメニュー内にある設定メニューをチェックする必要がある。次回は、さらに細かい設定項目まで踏み込んで、サクサク感を向上させてみよう。
第4回 自分仕様の「Opera Mobile 9.5」にカスタマイズ――さらに高速化も
第3回 iPhone 3GのSafariとは違う魅力――WILLCOM 03の「Opera Mobile 9.5」
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第1回 Bluetooth内蔵の「WILLCOM 03」で、ワイヤレスキーボード入力してみる
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