au端末のランキングは、大幅に値下げして販売する旧機種に、夏の新機種が苦戦する状況は大きく変わらない。
首位は前回と変わらず、シャープ製の「W62SH」が獲得。W62SHは2008年夏モデルで唯一高い順位を維持し、今回で連続首位記録を「5」に伸ばした。
続いて2位にパナソニック モバイル製の「W61P」(前回4位 2008年春モデル)、3位に東芝製の「W61T」(前回2位 2008年春モデル)、4位にシャープ製の「AQUOSケータイ W61SH」(前回5位 2008年春モデル)、5位にカシオ計算機製の「W61CA」(前回3位 2008年春モデル)が入り、やはり、安価な旧機種が上位を占めた。
新機種が思うように売れない状況は、現在、au販売店にとって「強くプッシュできる商材」が少ないことも示すと考えられる。そのためなのかどうかは分からないが、KDDIは主力の秋冬モデル発表を前にいくつか先出しで端末を発表した。先手を打つのか、それとも秋冬モデルの発売がいつもより遅めなのか──。例年とは少し異なる戦略をとるような兆しがある。
この先出しモデルは今週12日発売のシャープ製の“オトナ”向け端末「URBANO」と、9月下旬発売予定の東芝製“若年女性層”向け端末「W64T」。もっとも、URBANOは2007年に個別発表した「INFOBAR2」のようなコンセプトモデルの1つ、W64Tは夏モデル「W62T」のカラーバリエーションモデルともとらえられるので、それほど気にすることではないのかもしれないが。
また、KDDIはau初のWindows Mobile搭載スマートフォン「E30HT」を投入することを発表した。E30HTは法人ユーザー向けであり、発売時期や価格も2008年9月現在は未定なのでコンシューマー市場にどれだけ影響があるかは分からないが、ユーザーにかなりのインパクトを与えたことは事実だ。HTC製の「HTC Touch Pro」をベースとするので、端末そのものの魅力は十分にある。もちろん、iPhone 3Gのように“フィーバー”が起こるかとなると、おそらく無理だが、ソフトバンクモバイルのiPhone 3G(とXシリーズ)向けプラン「パケット定額フル」のようなパケット定額サービスとともに、個人ユーザーも購入できる手段を取り入れてくれることを望みたい。
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