韓国のソウル中央地方検察は9月19日、携帯電話やWibro(韓国版モバイルWiMAX)の中継設備を不正納品した疑いがあるとして、韓国第2位の携帯電話キャリアKTFの本社を家宅捜索し、同社社長のチョ・ヨンジュ氏を横領容疑で逮捕した。
報道によるとチョ氏は、過去3〜4年に渡って中継器の設置事業を進める中、特定のメーカーを納品業者として指定するかわりに、このメーカーから巨額のリベートを受け取っていたという疑いがかけられている。
検察は同日、KTF本社の関連部署から、携帯電話およびWiBroの中継器の納品契約関連の文書や、PCのHDDなどを押収し分析調査を進めている。今後は、特定メーカーの選定などに関わったKTF社員に対しても、取り調べを進めていく計画だ。
家宅捜索に先立ち検察では、チョ氏に対して出国禁止措置を下したうえで、移動通信装備メーカー数カ所の捜査も実施。関係者に対する調査を進めている。また9月17日には、中継器納品業者の代表に対し、横領などの容疑で拘束令状を出している。
なおチョ氏が受け取ったリベートは、政治家などに提供していたという疑いまで浮上しており、これが事実であれば韓国政界を巻き込む一大疑獄に発展する可能性もある。
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