エリア限定ワンセグの使い道について考えたMobile Weekly Top10

» 2008年10月14日 17時26分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 今回のアクセスランキングでトップを獲得したのは、ジャーナリストの神尾寿氏が“iPhone 3Gの今とこれから”に言及したコラム記事。発売当初の品不足が解消され、売れ行きが落ち着いてきたiPhone 3Gについては、一部メディアが“失速気味”と報道するなど、ネガティブな見方も出始めている。

 これに対して神尾氏は、既存の携帯電話向けサービスが定着するのにも一定の期間がかかっており、新たなビジネスモデルのiPhone 3Gについても、それは同じだと説明。この数カ月の結果でiPhone 3Gの影響を判断すると、その可能性と本質を見誤る恐れがあるとしている。

けっこう使い道がありそうなエリア限定ワンセグ

Photo ドコモら5社が実証実験を行った「RUSHBALL 2008」のエリア限定ワンセグの番組イメージ

 ところで10月10日、KDDIら5社がエリア限定ワンセグの実証実験を行うと発表した。限られたエリア向けにオリジナル番組を放映するという、この放送方式については、ドコモら5社もこの夏、音楽イベント「RUSHBALL 2008」と讀賣テレビの夏休みイベント「わくわく宝島2008」で実証実験を行うなど、その活用を模索する動きが活発化している。

 ワンセグは、この4月から非サイマル放送が可能になったものの、まだオリジナル番組の放映例は少ない。こうした中、個人的にはエリア限定ワンセグがオリジナル番組放映の可能性を切り開くのではないかと期待している。

 これまでの実証実験で興味を引かれたのは、夏フェスの来場者向けにイベントと連動した番組を配信するという、RUSHBALL 2008の事例。この手のイベントでは、次のバンドが登場するまでのセッティングにけっこう時間がかかるので、こうした待ち時間にバンドの紹介映像やビデオクリップなどが流れれば、イベントの楽しみも倍増しそうだ。

 また、FUJI ROCK FESTIVALのような山奥の広いエリアで行う音楽イベントでも、エリア限定ワンセグが活躍しそうだ。天気予報やフェス内のイベント情報、アーティスト情報などを放映すれば来場者の利便性も高まるだろうし、データ放送エリアを通じてアーティストの関連グッズやCD、着うたフルなどを販売すれば、アーティストの利益にもつながる。さらに、テントエリア向けにその日のライブのハイライトシーンを流してくれたりしたら最高だ(しかし、こんなことが実現したら、ケータイのバッテリー切れに悩まされるのは必至……)。

 エリア限定ワンセグは、“そこでしか見ることのできない映像”を限られたエリア向けに配信するもので、“そこに行ってまで見たい”映像コンテンツが放映されなければ真価が発揮されない。その意味では、“コアなファンが多い”イベントでの展開が成功の鍵になるのかもしれない。

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