インタビュー
» 2008年10月16日 22時37分 公開

開発陣に聞く「N706ie」:長く使っても飽きが来ない――便利機能と使う楽しさを盛り込んだ「N706ie」 (2/2)

[房野麻子,ITmedia]
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メニュー画面も大幅に見直し

 N706ieは、ハードウェア的にはワンセグアンテナが内蔵タイプになったN705iを、ソフトウェア的には「N706i」をベースとして開発されている。しかし、より見やすく、使いやすくするため、メニュー構成を過去のモデルから変更。この取り組みには、1年という長い時間をかけたという。

 例えば、通常よく使うメニュー項目を上の階層に置いて、アクセスしやすくしている。反対に、1度設定してしまえばあとはあまり使わないような項目は深い階層に置いた。また、1つの階層はできるだけ1画面内に収まるようにして、メニュー画面が複数ページになるのを避けている。

 「1つのメニュー階層に複数のページがある場合、画面上部に“1/2”“2/2”というようにガイド表示を出していますが、やはり分かりにくい。そこで、使いやすいように、基本的に1画面に1階層としました」(北口氏)

 これはすべての階層で対応できているわけではなく、深い階層に行くと項目が複数ページに渡ることもあるが、かなり少なくなっているという。画面スクロールの必要がなく、1画面で全項目を確認できて確かに見やすい。

photophoto メニューの第1階層の最上部に「電話」を表示している。次の階層には、「電話の設定・確認」があり、ここから着信音など、各種設定メニューにアクセスできる

 またN706ieには、新たに「電話」という項目がメニューの第1階層に置かれた。電話帳の登録や自分の電話番号確認もここからでき、「電話の設定・確認」からは、着信音の設定なども行える。

 「“電話”は、携帯にとって最も基本でありながら、今までなぜなかったんだろうと疑問に思ったメニューです。これも含め、今までのNEC端末のメニュー構成には、使いにくい面が確かにあったと認識しています。例えば、従来機種に“各種設定”という項目がありますが、そこからすべての設定メニューにアクセスできるのかといえば、実はそういう作りにはなっていませんでした」(加藤氏)

 N706ieでは、第一階層に「設定」を置き、ここから入れば、ほぼ全ての設定系メニューにたどり着けるようになっている。また、1つの項目にさまざまな場所からアクセスできるようにも改善した。例えば、メールの設定なら、“設定”だけでなく“メール”からもアクセスでき、同様に電話の設定であれば、“電話”からも“設定”からもたどり着ける。目的の設定項目を探す時間が短くなり、無駄な操作がかなり減る印象だ。

聞きやすさの工夫――「ハイパークリアボイス」

photo ハイパークリアボイスは、強め/ふつう/OFFと設定できる。「かなり自然に聞こえるようにはしていますが、音量が自動で変わることに違和感を覚える人がいるかもしれません。そこで、弱めとオフの設定を設けています」(濱田氏)

 706ieシリーズ端末の多くが、通話品質を高めるための機能を搭載しているが、N706ieは「ハイパークリアボイス」と呼ばれる技術を搭載した。メーカー独自の付加価値として、通話時の音声を聞きとりやすくする機能を搭載するのはNEC初のことだ。

 ハイパークリアボイスは、自分の周囲の環境音を端末本体のマイクが拾い、そのレベルに応じて受話音量を調整するというもの。例えば、駅のホームで通話中に電車が入ってきて周囲がうるさくなると、受話音量が自動的に大きくなり、相手の声が騒音でかき消されてしまうのを防ぐ。

 「通話中にトラックが近づいてきて騒音が大きくなったら、その瞬間にボリュームが上がる、というように、周囲の音に追従します。使ってみると自然に聞こえるので、『効き目がよく分からない』といわれるんですが(笑)」(濱田氏)

 相手の声を聞きやすくする技術としては、らくらくホンシリーズの「スーパーはっきりボイス」や、P706ieの「しっかりトーク」など、他社製の端末にもさまざまな方式が採用されている。しかし、「騒音下での聞きやすさは勝っていると思う」と、開発陣はハイパークリアボイスの効果に胸を張る。

 使う場所を選ばない携帯電話は、固定電話のように常に静かな場所で通話ができるとは限らない。聞きやすさは万人に必要なものだ。開発陣も、「エルダー向け以外の端末にも、ハイパークリアボイスを搭載していきたい」と意欲的だ。

photo ハイパークリアボイスは、通話時にiモードボタンを押して切り替えることも可能(写真は「ふつう」の設定)。なお、ハイパークリアボイスは本体スピーカーでの通話時に効果がある。イヤフォンを利用し通話の場合は効果がない

開けやすさの工夫――「ワンタッチオープン」

 N706ieの使い勝手を向上させた大きなポイントが、「ワンタッチオープン」機構の採用だ。パナソニック モバイルコミュニケーションズ製端末でおなじみの「ワンプッシュオープン」と同じく、ボタンを押すだけで端末を開くことができる。片手で簡単に開くことができ、非常に人気の高い機能だ。

photo ヒンジ部に搭載されたワンタッチオープンボタン。オープンしてすぐに通話状態にしたり、受信メールを開いたりといったワンタッチオープン連動機能も設定できる

 ワンタッチオープン採用の理由を、濱田氏は「いいものはいいという判断」と話す。従来機種でもワンプッシュオープンボタンを搭載してほしい、というユーザーの強い要望があったという。「他社端末で評判の機能ですが、悔しいくらいファンが多くて(笑)」と、加藤氏は苦笑する。

 しかし、NEC独自の工夫もしっかり感じられる。N706ieのワンタッチオープンは、P端末のワンプッシュオープンよりも若干ゆっくり開く。P端末のそれが“シャッキ”と開くのに対し、N706ieはやや“ふわり”と開く。

 「開き方の調整や強度の試験など、いろいろ評価を重ねた上で、このような開き具合になっています」(濱田氏)

 また、閉じるときの“高級外車の扉を閉めるような音”も健在だ。「折りたたみ携帯の老舗として、開閉時の音や感触にはこだわりがあります」(高須氏)

長く楽しく使ってほしい「ウォーキングカウンター」

 健康意識の高まりに合わせて、携帯電話にも歩数計やカロリーカウンターなどの健康系アプリを搭載するものが増えてきている。常に持ち歩くケータイだけに、歩数計は理にかなった機能といえるが、N706ieが「ウォーキングカウンター」を搭載した狙いは、健康のためだけではないという。

 「楽しんでいただけて、長く使っていても飽きない要素の1つとして搭載しました。飽きさせないスペック、飽きさせないアプリというのは、かなり注力した部分です。歩数計は健康管理だけではなくて、楽しめる要素として活用していただきたいと思っています」(加藤氏)

 歩くことを楽しむ要素として盛り込んだのが、歩数計に連動する待受フラッシュだ。歩数と消費カロリーに応じた食べ物のイラストが、待受画面上に表示される。同じカロリーでも複数のイラストが用意され、「ちゃんと数えてはいませんが、100種類くらいはある」(濱田氏)という。0カロリーからかなり高カロリーな食べ物まで用意しており、歩数が増えて消費カロリーが変わるごとに、絵が次々と変わっていくのが楽しい。

photophoto 歩数は棒グラフで確認でき、日/週間/月間表示に切り替えることができる

photophoto 消費カロリーに応じて食べ物のイラストを待受画面に表示する待受Flashを搭載している。0カロリーでも表示されるのが、ちょっとうれしい

 「この歩数計は、いわゆる年配者向けの機能ではなくて、楽しんでいただく機能として搭載していますので、健康管理のための機能として搭載している他機種のものとは主旨が違います。ぜひ楽しんで使っていただきたいです。待受Flashは日時によるイベントに合わせたスペシャル画像もありますので、ぜひ探してみてください」(高須氏)

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 ケータイの選び方はまさに人ぞれぞれだ。ボディデザインやサイズ、用意されたボディカラーで選ぶ人もいれば、端末のスペックや使えるサービス、機能で選ぶ人もいる。N706ieはそれらを総合した“使いやすさ”に重点を置いて開発された。

 AV機能や特定のサービス、薄さや軽さを重視した端末と違い、全体のバランスそのもので勝負するN706ieの完成度は非常に高い。ケータイの老舗であるNECが満を持して世に出す、新時代のスタンダードな携帯電話といえるのではないだろうか。

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