タッチ×ヨコ×タテ──「N-01A」が革新ボディ“3Wayスタイル”を採用した理由開発陣に聞く「N-01A」(4/4 ページ)

» 2008年12月05日 00時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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photo Bluetoothも新たに搭載。ハンズフリー通話や音楽再生、ワンセグ(の音声)をワイヤレスで楽しめる

── 3Wayスタイル以外にも進化ポイントはいくつかありますね。例えばBluetoothがようやく載りました。

田丸氏 3年ほど言われ続けていましたが、ようやく載せられました(笑)。かつて海外向けの2G端末に搭載したことはありますが、国内向け端末に搭載するのは初めてです。

 Bluetoothは世界標準で規格化されているものではありますが、多数の機器と本当に問題なく接続できるか、動作を保証できるかといった検証も含めて、搭載の技術的な難易度がかなり高いのです。

 例えば最近は、ワンセグとBluetoothのどちらが重要かとなるとやはりワンセグに傾きました。搭載の難易度が高いわりに優先度は低くなってしまいがちだったのが、今まで搭載できなかった理由です。

 ただ、ワンセグや音楽、映像コンテンツはイヤフォンとともに利用するシーンが一般的で、Bluetooth機器も普及してきています。N-01Aは「ユーザーがやりたいことはすぐできる」がポイントですので、Bluetoothもきちんとサポートしようということにしました。

 ちなみに音響機能は、N-01A専用にカスタマイズされた「SRS TruMedia」と「バーチャル5.1chサラウンド」を搭載しました。この補正効果はBluetoothイヤフォン使用時ももちろん有効になります。

石塚氏 「音」の楽しみ方が変わってきたのがSRSを採用した理由の1つです。

 「携帯で音楽」の普及とともに“N”端末はヤマハのAudio Engineを搭載していましたが、最近は「動画も」というシーンが増えました。このようなシーンには、5.1chサラウンドや重低音も含めたSRSが非常に有効です。

photophoto “SRS TruMedia”のエフェクトは音楽だけでなく、動画再生にもかなり有効。エフェクト以外にイコライザ設定も豊富にある

 また、カメラもタッチパネルを生かした新たな機能を盛り込みました。5.2Mピクセルで顔認識オートフォーカス(AF)やスマイルフェイスシャッターなど、N906iと基本スペックは同じですが、N906iはサイドキーがいくつもあり、少し操作しにくい面もありました。これは、先ほども述べた「面倒なら使わない」につながってしまいかねません。

 この点で、N-01Aはタッチパネルならでは操作性をうまく盛り込み、より気軽に高機能カメラを使ってもらえるようになったと思います。ズームや操作パレット表示、顔検出した被写体の優先指定操作などをタッチ操作で行えるほか、動画も指定できるようにした“簡単ブログアップ機能”や、撮影モードからワンタッチで写真再生モード「クイックアルバム」に切り替える機能、タッチ操作で行える簡易写真編集機能「フォト文字タッチ」なども新設しました。

 クイックアルバムはタッチパネルを生かし、指のフリック操作やピンチ操作でひゅんひゅんと自由自在に扱えます。

 フォト文字タッチは、撮った写真にスタンプやコメントなどを追加できる簡易写真編集機能です。似た機能は従来の機種にもありましたが、タッチ操作で行えるよう刷新したことでより簡単に使えるようになりました。スタンプで彩るといった“オンナノコ”向け機能だけでなく、指操作で範囲選択しつつ、意図せず写ってしまった余計なものにモザイクを入れるといった編集も行えます。携帯カメラで撮った写真をそのままブログにアップするようなシーンにも柔軟に対応できると思います。

photophoto タッチ操作で快適に写真を表示できる「クイックアルバム」

タッチ操作で快適に写真を再生できるN-01Aの「クイックアルバム」。フリック操作で前後の写真を快適に切り替え、ピンチ操作で拡大縮小表示できる
(ムービーはこちらからでも参照できます)

photo ちょっとした写真編集をタッチ操作で行える「フォト文字タッチ」

photo  

── 最後に、今ドコモの新機種でどれを買おうか迷っている人に向けて、「これがあるよ」とアピールしていただけますか。

石塚氏 “タッチパネル携帯”ってどうかな、本当に使いやすいのかな、と思っている人はいらっしゃるかもしれません。N-01Aは、今までの操作感はまったく損ねず、自然にタッチ操作も使えるよう工夫してありますので、この心配はいりません。

 普段よく使うiモードサイトもタッチ操作できます。スクロールは十字キーやニューロポインター以外に、ふと気が向いたときに指でも操作でき、左にフリックすると前のページに戻れる──など。ユーザーがよく使うところにもタッチを自然に盛り込んだところを実際に使っていただいて体感してもらいたいですね。

田丸氏 N-01Aは、N706ieに採用した「ハイパークリアボイス」も搭載しました。ハイパークリアボイスは、測定した周囲の騒音レベルに応じて受話音量や音声ホルマント(人の声の周波数帯)を自動補正する技術です。これにより駅のホームなど、騒々しい場所でも相手の声がはっきり聞こえるようになります。

 ターゲットユーザーの利用シーンを考えると、若い人ほど繁華街や飲み屋、カラオケ、ゲームセンター、パチンコなど……騒々しい場所でケータイを使う機会が多いと思うのです。そんな場所で使う機会が多い人は、ぜひN-01Aを選んでもらいたいですね。

石塚氏 さらに、“N”端末特有の優れたマルチタスクやタブブラウザ、ブックマークしたサイトを選択しておくとワンタッチですべて表示できる「ワンタッチマルチウィンドウ」、そしてドコモの新サービス「iウィジェット」や「iコンシェル」もタッチ操作で行えるので、インターネット系機能にも抜かりはありません。これを3つのスタイルで“しゃきしゃき”と変化させ、さらに片手だけでスマートに操れるのは“N”だけではないでしょうか。


おまけ:3Way「+1」スタイル

photo 幻の3Way+1スタイル 「卓上スタイル」

 N-01Aには、ワンセグ受信のためのホイップアンテナが備わる。3Wayスタイルという仕様から、内蔵するのは受信感度性能の都合から実現できなかったようだ。

 ただ、このアンテナは「卓上スタンド」にもなる。

 アンテナを1段階だけ伸ばして“支え”にすると、ちょうどよい角度が付いて横向きで机上などに置ける。アンテナの先にある樹脂パーツがやや大きいのは、まるでこのためにあるようだ。


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