「WILLCOM D4+MapFan Navii」は、どこまで“カーナビ”になるか(前編)(4/4 ページ)

» 2008年12月24日 18時23分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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カーナビとしての実用レベルをチェック「ガイド機能と測位精度」

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 では、専用カーナビと比べると何が違うだろうか。今回は以前からクルマに搭載するパイオニア製「楽ナビ AVIC-HRV22」(2006年発売)を比較対象とする。

 MapFan Naviiで今回GPSユニットして使用した「UMGPS」は、測位情報の更新が1秒間隔なので自車位置の更新も1秒おきに行われる。GPS信号をきちんと補足できる場所であれば数秒で現在地を認識し、自車マークの位置が更新される。一方、AVIC-HRV22は1秒間に10回も測位を行い、さらにジャイロや車速センサーなども備えるので、自車位置がほぼリアルタイムに更新され、地図の表示はなめらか。位置のずれもほとんど起きない。

 この点は確かに専用カーナビにかなわない。ただ、常に地図画面だけ見るわけではないドライバーとしては、常識的な速度で走行する限り“ナビゲーション機能”としての不便はほとんど感じないのである。

 地図の表示はノースアップ(北を上向きにして固定)とヘディングアップ(進行方向を上向き)の2種類から選択できる。ヘディングアップは自車位置の移動に合わせるので、走り出し時や交差点を曲がった場合などで表示が少し遅れことがある。もちろんこれも助手席などでじっくり画面を見た時に感じただけで、走行中であれば感覚的に把握できるであろうからほとんど困らなかった。

 ルート案内中は、次に曲がる交差点までの距離などを音声で案内する「音声ガイド機能」があるほか、主要交差点におけるレーンガイドや高速道路の入路イラスト表示、高速道路の料金所やジャンクションまで距離も表示してくれる。

photophoto 主要交差点ではレーン案内もあり、進行方向に応じてどのレーンを走行すればよいかの目安を示してくれる。また、分かりにくい首都高速の入路などは運転中の見た目とほぼ同じイラストで表示される
photophoto レーン案内は、出口が左車線側とは限らない首都高速で特に便利。ルートガイド中に高速道路を走行すると料金所やジャンクションまでの距離などが表示されるモードに変わる

 目的地までのルートは設定した条件に応じた1候補が示される。その場で条件を変更して再検索することも可能だ。ルート検索にかかる時間は都内の移動程度ならほぼ一瞬で、走行中のリルートも同様。オンデマンドVICS利用時は渋滞情報を反映させることもできる。

photo ルート検索の条件は「標準」「距離優先」「主要道路優先」「有料回避」4タイプから選択。走行中のリルートを自動で行うかどうかも設定できる
photophoto 同じ目的地を、左は検索条件を「標準」、右は「有料回避」に設定変更した場合のルート検索結果。到着までの目安時間や有料道路の料金なども表示される

 測位精度は、外付けのGPSユニットだけを使うものとしては必要十分なできだろう。今回はトンネルが多い首都高速環状線や、GPS衛星を捕捉しにくい傾向があるビル街の路地をわざと走行してみた。

 トンネル内では当然測位できなくなり、表示の更新も止まるが、トンネルから出て1〜2秒経てば自車位置がほぼ正しく更新される。ビル街のごく細い路地においては一時的に10〜20メートルほど自車位置がずれることもまれにあるが、たいていは次の測位で正しい位置に戻り、自車位置が大幅に狂うことはなかった。少なくとも“カーナビとしてこれでは困る”と感じることは皆無だった。

photophoto 左はビルに挟まれた細い道を走るテストとして東京・日本橋あたりを走行。ほぼ走行通りに忠実に自車位置を測位した。右は首都高速環状線の堀のように半地下になっているところ。こちらもきれいに走行経路を測位した
photophoto 左は首都高速環状線の汐留トンネル近辺。トンネル内では測位できなくなるが、上空が開けて2、3秒後には正しく自車位置を補正した。右は環状線外回りから4号新宿線に分岐する三宅坂ジャンクション付近。霞ヶ関トンネルを出た後、ほぼ数秒で自車位置が修正された

 これらは専用カーナビであれば、トンネル内でも自車位置を見失わなず、方向転換時の地図の回転はリニア。GPSだけで測位するMapFan Navii(というかPCナビ)の弱点は確かに存在する。ただし、実用性を大きく損ねるほどではない。印象としては、“かなり普通”にナビゲーションしてくれた。

 (後編に続く)


 次回は「WILLCOM D4+MapFan Navii」“ならでは”の機能をいろいろ試す予定です。

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