デザインや世界観の“深化”が気になった1年ITmediaスタッフが選ぶ、2008年の“注目ケータイ”(ライター石野編)

» 2008年12月25日 22時05分 公開
[石野純也,ITmedia]

 2008年は、機能面での“進化”よりも、端末の持つ世界観の“深化”が際立った1年だと感じている。その中から、筆者の琴線に触れた3台を、新しいものから順に選んだ。どれも今までのケータイとはひと味違う出来で、今後の端末を占う指標にもなるはずだ。

端末のデザインだけで十分魅力的な「Walkman Phone, Xmini」

 インターネット接続機能に始まり、カメラ、音楽再生機能、ワンセグ、GPS、FeliCaが搭載されてから、ケータイのマルチメディア化が一気に進んだ。とはいえ、誰もがすべての機能を使いこなしているわけではないので、すべての機種が同じ方向に進んでしまっては少々味気ない。そんな中で登場したのが「Walkman Phone, Xmini」だ。

photophoto ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「Walkman Phone, Xmini」

 この機種にはカメラもGPSもなければ、ワンセグにも非対応。ディスプレイはわずか1.8インチのQVGA液晶だ。だが、足りない機能やスペックを羅列しなくても、端末のデザインだけで十分といえるほどの魅力を感じた。手のひらにすっぽり収まるサイズ感も、ほかの機種にはないオリジナリティといえる。

 少数派かもしれないが、かつての「premini」ユーザーのように、「割り切ってでもクールな端末が欲しい」というニーズはまだまだ根強い。そんなユーザーの期待に応えたという意味で、この機種の動向に注目したい。

“iPhone以上”の使いやすさを実感した「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」

 日本の多機能ケータイも、タッチパネル1つでガラッと印象が変わる――これを証明したことに「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」の価値があると思う。

photo シャープ製の「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」

 「モバイルウィジェット」に対応する初号機という意味でも931SHには注目している。931SHは日本でしか販売していないため、ウィジェットストアのアプリはまだ少ないが、今後に期待できるサービスだ。

 使いたい機能をワンタッチで待受画面に置ける「デスクトップショートカット」も便利だ。例えば、筆者が頻繁に利用する「Bluetoothのオン/オフ」も、ショートカットとして配置しておけば、画面を指で1回押すだけでよい。デスクトップショートカットに設置できる機能や設定が多く、カスタマイズの自由度も高い。「便利に使う」という点では、同じタッチ操作で話題をさらったiPhone 3G以上だと感じている。

 さらに、タッチパネルの感度が驚くほどよい。インタフェースもiPhone 3Gをしっかり研究している印象だ。iPhone 3G発売からわずか数カ月で、ここまでキャッチアップしたシャープの技術力と開発力には素直に敬意を表したい。

ブランドコラボの底力を感じた“amadanaケータイ”「N705i」

 NTTドコモの70xiシリーズは、正直あまりパッとしない印象だったが、705iシリーズから風向きが少し変わったように感じた。特に「N705i」はamadanaとのコラボレーションが功を奏し、非常にスタイリッシュな端末に仕上がった。売れ行きも好調だったようで、8月には質感やカラーを変えた「N706iII」が登場した。

photophoto NEC製の“amadanaケータイ”「N705i」(左)と「N706iII」(右)

 この機種の魅力は、ほかにはないレトロフューチャーなデザインと、必要十分な機能にある。さらに、限定版としてamadanaショップでしか買えないbrownish woodを発売するなど、独自の世界観もたくみに演出した。機能による差別化が難しくなり、各社は“ライフスタイル”に合わせた端末を多数リリース。ドコモも2008年冬モデルから「PRIME」「STYLE」「SMART」「PRO」というシリーズに、ブランドを変更した。N705iはこうした潮流を先取りしたモデルだといえる。

 この機種のように、コラボや限定版といった形で差別化を図る端末は、今後増えていくだろう。その意味で、N705iの成功には大きな意義があったと考えている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月29日 更新
  1. ティム・クックCEOが「もはや限界」と値上げに言及――すでにAndroidでは値上げラッシュが始まる (2026年06月28日)
  2. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  3. スマホの「SIM組み合わせ」を3カ月で3回も変えた話 楽天モバイル→日本通信→Y!mobileからの移行先を思案中 (2026年06月29日)
  4. 松屋の券売機が「思いのほか使いやすかった」 それでもネットで不評なのはなぜ? (2026年06月29日)
  5. ダイソーで770円の「備えラジオ」は“備える”以上に”ノスタルジック”だった件 目的に徹したシンプルさが懐かしさを呼ぶ (2026年06月27日)
  6. ソニー「aiboはやめません」──“次の開発”も明かす オーナーに「安心してください」と呼びかけ (2026年06月27日)
  7. NHKはなぜ「スクランブル化」しないのか? 「公共放送」という位置付けが足かせ? (2026年06月27日)
  8. ソフトバンクの5G通信が速くなる「Fast Access」を試す 非対応回線と有意な差も、見えてきた“次の課題” (2026年06月27日)
  9. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  10. ソニーaiboからの「撤退は勘弁して」──オーナーが不安視 同社「今後のお話」YouTubeで発信へ (2026年06月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー