―― 顔検出や逆光補正といった新しい機能もしっかり入っていますね。
本間氏 デジタルカメラ売場ではもう広角28ミリと顔検出機能は当たり前なので、EXILIMケータイでも外せない機能だなと。W63CAは2軸ヒンジを採用しているので、ディスプレイを反転させれば、自分撮りでも顔検出ができます。
北村氏 フェイスフォーカス(顔検出機能)は新機能なので、開発当初は検出速度が遅かったのですが、デジタルカメラにできるだけ近い性能を実現しようと、顔を見つける速度と精度の向上に注力しました。顔が動いても追従し、顔を検出すると露出も顔に合うよう調整しています。
本間氏 フェイスフォーカスには環境設定がありまして、「人数優先」と「速度優先」を選べます。人数優先は最大9人、速度優先は最大3人です。
―― 個人的には逆光補正機能が面白いと思いました。これだと逆光で撮っても、暗いところだけを持ち上げてくれるので、非常に便利です。普通の露出補正でこれをやると、逆に背景が真っ白になっちゃいますから。この機能は逆光補正というより「暗部補正」といった方がいいとは思うのですが、最近のデジカメのトレンドでもありますよね。
北村氏 そうですね。逆光補正では単純に明るくするだけではなく、明るいところは残しつつ、逆光でつぶれてしまうところを持ち上げて明るくするという処理をしています。逆光補正をオートにすると、絵を見てどこをどのくらい持ち上げるかを、ちゃんと判断してくれます。
田谷氏 新機能としてはオートリサイズズームもお勧めです。いわゆるトリミングズームで、画像サイズの項目に入っています。光学ズームは難しいので、その代わりに“画像をトリミングしながらズームする”オートリサイズズームを採用しました。ズームを効かせすぎると画像サイズが小さくなるので、1M未満のサイズになるときは「A」アイコンの色が変わるようにしました。
―― おお、これはけっこういいですね。ズームすると自動的に最適なサイズになるので画像も荒れずに済みます。ほかに注目すべき機能はありますか?
田谷氏 連写ですね。今までのケータイは連写するには画像サイズを小さくする必要がありましたが、W63CAはデジタルカメラのように、フルサイズでも連写できます。「8M」サイズでも画質がノーマルであれば4枚まで、サイズを「3M」にすれば9枚まで連写できます。連写速度は「はやい」「ふつう」「おそい」から選べます。
今回は動画にも力を入れ、30フレーム/秒のVGAサイズで撮れますし、YouTubeモードでは、撮った動画をそのままYouTubeにアップするのに適した設定で録画できます。
―― W63CAはどんな人に使ってもらいたいでしょう?
北村氏 今までケータイで撮影されていた方は、ブログにアップしたりPCで鑑賞したりという方が多いかなと思います。W63CAのカメラは高画素なので、気に入った写真はぜひ2LやA4サイズにプリントして飾ってください。そうしていただけると、開発側としてはうれしいですね。
本間氏 ぜひそういう思い出づくりのお供に使ってください。
というわけで、W63CAは画素数が増えたのみならず、ISO1600までの高感度撮影、「8M」サイズでの4枚連写、顔検出、逆光時でも明るく補正してくれる逆光補正など、デジタルカメラに迫る高機能を実現したモデルなのだ。さらに操作性が進化して、より使いやすくなったのも見逃せない。
最後に、本間氏にお勧めのカメラ設定を聞いてみた。
「私は画像サイズは『オートリサイズズーム』、撮影補助メニューのグリッド表示は「オン」、環境設定のフェイスフォーカスは『速度優先』で使ってます」(本間氏)
私もその意見に賛成である。ご参考までに。
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