ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、同社がイー・モバイルのMVNOとして定額データ通信サービスを提供することに、MVNO協議会が異議を唱えていることについて「不当という意味が理解できない」と反論した。
MVNO協議会は、MVNOに参入するソフトバンクモバイルが自前の無線局を持って移動通信サービスを提供する電気通信事業者(MNO)であることを問題視するとともに、すでにインフラを持つMNOがほかのMNO回線を使ってMVNOに参入することは、モバイル通信網の拡大や通信事業者の多様化にもにつながらず、競争促進というMVNO本来の目的にも反すると批判している。
孫氏は、電波は国民の共有資産であり、それを可能な限り有効利用するのが国民に対する義務だと思っていると説明。総務省が定めたMVNOガイドラインに、「MNOがMVNOになれない」という記述はないが、孫氏は「仮にキャリアがキャリアにMVNOをしてはならないというルールになったら、限られた国民の共有資産である電波の有効利用が阻害されることになる。それは決して国民の得にはならない」と語気を強めた。
また、キャリアがMVNOに参入すると、自らの設備投資を積極的に行わなくなるのではないかという指摘については、ボーダフォンジャパンの買収時に2万局レベルだった基地局を5万数千レベルにまで増やした実績を挙げ、「積極的に電波を有効利用する構えであり、実績もある。MVNOを一部やるからといって設備投資を積極的に行わないわけではない」と強調した。
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