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» 2009年07月14日 08時00分 公開

犬も歩けばタグに当たる?:「電話、Eメール、次はAR」――「セカイカメラ」の最新デモを見た (2/2)

[山田祐介,ITmedia]
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「電話、Eメール、次はAR」

 電話やEメールがコミュニケーションのあり方を変化させてきたように、ARが新しいコミュニケーション文化を生みだすと考えている井口氏。セカイカメラでは、モバイル端末のカメラを通して、現実世界に「エアタグ」という“電脳看板”を重ね合わせるが、そんなAR体験は私たちの生活にどんな“新しさ”をもたらすのだろうか?

 1つは、“都市の息づかい”のようなものが可視化され、それを人々が共有できるようになることだ。「都市は生き物のように常にざわめいている存在。電車が止まる、雨が降る、人に出会うといった、いろんなできごとが起こっている。その中でARは、“どういうふうに街の中で生きていくか”というアクセスメソッドを提供してくれる」(井口氏)

 また、地域性のあるソーシャルネットワークとして、ARが新しい“ご近所付き合い”のかたちを提供するとも井口氏は考えている。「生きていくうえで必要な、“暖かい空間”をARが提供できると考えている。界隈やご近所といった、生活空間のコミュニティを可視化し、新しい“世間との付き合い方”が生まれる」(井口氏)

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 さらに、初めて訪れた場所が「前から住んでいたかのような、アットホームな空間」になる可能性もあるという。「私の地元の岡山には、前方後円墳や古い仏像があるが、そういった情報をタグとして貼っていけば、(岡山に来た人に)ローカルで細かな情報を簡単に提供することができるのではないか」(井口氏)。そして、こうした“アドバイス”が世界各地に貼られることで、習慣やマナーといった文化的な違いを乗り越えるツールにもなると井口氏は見ている。

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 博物館などの施設では、空間が“集合知によってポータル化”することで、より深い知識や体験を得ることができるようになるとも。「その空間にいることによって、さまざまな情報にアクセスできるようになる。書き込み可能な図書館、集合知を駆使することができる博物館といった世界が、間近に迫っている」(井口氏)。

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 井口氏が最後に語ったのは、ARが空間と思い出を結びつける“電脳アルバム”になる可能性だ。「空間に思い出を記録する」ように、日々の何気ない思い出や気づきを情報としてストックし、家族や友人と共有することができるようになると、同氏は考えている。


 インターネットと現実世界という、“向こう側とこちら側”をつなげるプラットフォームになることを目指すセカイカメラ。リリースされれば、ポケットに入る身近なARとして携帯電話の新しい楽しさを提供してくれるはずだ。また、広告をタグとして貼り付ける「エア看板」など、企業とのビジネス的な取り組みも進んでいるという。「とても広範に、メジャーな企業と話を進めている。製品のリリースと同時にそうした情報も発表することになると思うので、楽しみにしてほしい」(井口氏)

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