第5回 WM3500R+有線LANクレードル、「ADSLをやめ、WiMAX 1本にして大丈夫か」を検証“WiMAX Speed Wi-Fi”「AtermWM3500R」ロードテスト(2/2 ページ)

» 2011年03月30日 11時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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「家庭用無線LANルーター」としてのできはどうか

 次に無線LANルーターとしての能力をチェックしよう。

photo 有線LAN接続のPC→IEEE802.11nのPCで無線LAN接続したPCでのデータ受信速度の変化。リンク速度が72Mbpsで、ほぼ50%前後で推移しているのが分かる。受信速度も安定している

 WM3500Rの無線LAN部分はIEEE802.11n対応だが、厳密には802.11nテクノロジーと呼ぶ802.11nのサブセットとする仕様。無線LANの通信速度は最大150Mbpsだ。実際に筆者のWindows 7搭載PCの無線LANアダプタ「Intel WiFi Link 5100AGN」と接続すると、リンク速度が(最大)72Mbps程度と示されることが多く、別途バッファローのUSB接続の無線LAN子機「WLI-UC-G300HP」を用いると65Mbpsでリンクされた。この点は最大150Mbpsの値を下回るものだが、おそらく8時間という長時間のバッテリー動作時間との兼ね合いがあるのだろうと思われる。

 値としてはIEEE802.11gとの最大リンク速度(最大54Mbps)とそれほど差がないわけだが、IEEE802.11nはMIMO技術により反射波も積極的に利用することで、障害物の多い屋内ではIEEE802.11gより広い範囲で無線LANが使えるメリットがある。利用できるならIEEE802.11nの方が良好な結果が得られると思う。

 さて、有線LANで接続したPCからIEEE802.11nで無線LAN接続したPCへのファイルコピー速度は、約33Mbpsだった。無線LANの場合、実際の通信速度はリンク速度の半分ほどなので、実リンク速度が72Mbpsならばおおむね妥当な速度といえる。IEEE802.11g接続では54Mbpsでリンクするが、同条件下で約19Mbpsだったので、やはり実速度的にもやや大きな差が出た印象だ。

 続いて、2台のPCをIEEE802.11nで接続した時の通信速度は約13Mbpsになった。2台のPCで無線LANを頻繁に切り替えながら利用するオーバーヘッドがあるので、有線LAN→802.11nが33Mbpsだったことを考慮すると妥当な値だろう。

「自宅もモバイルも、ADSLの代わりにWiMAXに」=WM3500Rなら、大丈夫

photo WM3500Rはマーズレッド、プラチナブラック、シルキーホワイト、計3色のカラーバリエーションを用意するのもポイント

 WM3500Rはバッテリー動作を考慮したポータブルルーターなので、据え置き型の一般的な無線LANルーターと比較してしまうと無線LANの通信速度は若干見劣りはする。とはいえ、Gバイト単位の動画ファイルなどを日常的にガシガシコピーするような……相当ヘビーな使い方でなければ、現実的には無線LAN部分の通信速度に不満を感じることはないだろう。

 というわけで、自宅で(最悪、窓際で)WiMAX電波が十分に入るかどうかはとりあえず第一条件にはなるのだが、それが大丈夫なら、独身の人を含む一般的な家庭においては「ADSLから乗り換え」してもほとんど困らず、十分に使えると言える(電波が入るかは、まずはWiMAXサービスエリアマップで、さらに心配なら15日無料でWiMAX機器を貸してくれる「Try WiMAXレンタル」を試してみてほしい)。

 例えば、ADSLからWiMAXに切り替える場合や新生活で引っ越しをする層においては、自宅(やオフィス)での工事費用や工事待ち期間なしに手軽に導入できること、そしてWM3500Rごと持ち出してモバイル環境でも利用できる点、モバイル環境を含めた月額料金がそこそこリーズナブル(固定+モバイルの2回線を契約するならば。ちなみにWiMAXはプロバイダ料金も込みである)であることが大きなメリットだ。

 なお、無線LAN間の通信速度にこだわりたい人がいたとしてもたいした問題ではない。据え置き型の無線LANアクセスポイントをWM3500Rの下にぶら下げれば済む(例えば、今使っている無線LANルータをアクセスポイントモードに切り替えて使うなど)。欲を言うと、今回のような利用シーンを想定し、クレードル接続時に自動でWM3500Rの無線LANを無効にする機能がほしいと思っている(無線LANが自動的に無効になるのは、PCとUSB接続してUSBモデムとして使用する時のみ。ファームウェアVer 1.1.0時点)。

 このほか、クレードルに置くと自動的に電源オン/もしくは電源オフというような制御も可能にしてくれると、クレードルを有線LAN接続に使うのか、それとも充電専用に使うのか、それぞれの利用シーン別にいろいろ手間が省けるので助かる。ファームウェアアップデートで可能ならば、ぜひ検討してほしい。

 それにしてもWM3500Rは、ポータブルルーターでありながら普通に有線LAN接続もできてしまう。8時間の長時間バッテリー以外に、こういうところも改めて見直した次第だ。




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