入れてもサクサク動く?――Android向け「McAfee Mobile Security」を試す

» 2011年07月05日 00時00分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 マカフィーが7月4日に発表したスマートフォン向けセキュリティスイート「McAfee Mobile Security」は、ウイルス対策に加え、クラウドを使ったデータのバックアップやリモート操作、端末位置の追跡などができる包括的なセキュリティソリューションだ。Android版ではWebサイトの検証機能も備え、端末を強固に守ってくれる(参考記事)。利用料は1年契約で1アカウント2980円。

 端末のセキュリティは確保したいが、セキュリティアプリを入れることで端末の動作にどんな影響がでるのかは気になるところ。マカフィーは“7日間の無料トライアル”を提供してくれているので、興味を持ったらトライアル版を使ってみるとよい。筆者も、さっそくAndroid端末(ソフトバンクモバイルの「GALAPAGOS 003SH」)にトライアル版をインストールし、使い勝手を検証してみた。

トライアル版の利用登録は簡単

photo 電話番号の「0」を省くことが明記されていないのは少し不親切とも感じる

 Androidマーケットで「McAfee Mobile Security」を検索し、アプリをダウンロードする。起動するとまず、自分の電話番号を入力するよう促された。「+81」があらかじめ付加されていて、電話番号の最初の「0」を省いて入力する必要がある。

 さらに、誰かしら知人の電話番号を登録する必要もある。これは端末が盗まれてSIMが入れ替えられたときに、知人にそのことをSMSで伝え、早期の対策を行えるようにするためだ。

 このほか、6桁のPINコードを任意に設定し、これだけで登録は完了。PINコードはアプリの利用やWeb管理画面へのアクセスなどで必要になるので、忘れないようにしたい。

スキャンはサクサク、Web管理画面は少しもたつく印象

 登録を完了し、端末内のスキャン機能を利用しようとしたところアプリが予期せず停止した。再びアプリを立ち上げるとその後は特に問題なく動く。スキャンはスムーズで、筆者の環境では1〜2分で終了した。


photophoto ホーム画面(写真=左)と端末のスキャンの様子(写真=右)

 アプリにより端末の動作が極端に遅くなることはなく、これまでとそれほど変わらない印象だ。新たにアプリをインストールした際には、スキャン結果がステータスバーに通知されるが、その際に端末が固まるといったこともなかった。

 バックアップ機能はSMS、通話履歴、連絡先、メディア(写真や動画)と4項目に分かれ、それぞれワンタップでバックアップが可能だ。アプリのバックアップ機能は含まれていない。自動バックアップを有効にすれば、1日1回、端末を充電している時を見計らってバックアップしてくれる。


photo 項目をタップするだけでバックアップが実行できる

 クラウドに保存されたバックアップデータをPCで見るときは、Webサイトの管理画面にログインする。その際には「81」から始まる電話番号とPINコードが必要だ。Web管理画面は見る項目によっては表示に時間がかかる。

 Web管理画面にログインすると、通話履歴、連絡先、メディアがそれぞれバックアップされていた。SMSの履歴については、バックアップ時に「バックアップする新しいSMSが見つかりません」と表示され、Web管理画面においても履歴データは見つからなかった。一方で、確認のため「HTC Desire HD」でもバックアップを試してみると、こちらでは正常にSMSの履歴がバックアップされた。


photo Web管理画面で連絡先のバックアップを表示してみた

 メディアに関してはバックアップの際にファイルを任意に選ぶこともできる。端末内の過去すべての写真を一度にアップロードするのは大変なので、この機能で必要なものだけバックアップするのもよさそうだ。バックアップ容量は無制限なので、大切な写真を気兼ねなく保存できる。また、メディアデータはPCからもダウンロードできるので、ちょっとしたオンラインストレージとしても使えそうだ。

 Web管理画面では、端末のリモートロックや消去、端末の位置の確認なども可能だ。「ロック」「追跡」「位置」といった具合に機能ごとに項目が分かれていて、使い方に迷うことはほとんどないだろう。試しに端末をロックすると、端末の画面いっぱいにメッセージが現れ、端末の操作ができなくなった。また、PCでロックを解除すると、端末もすばやく反応し、通常の画面に戻った。


photo 端末の位置情報がPCから確認できる

Webサイトの検証機能はどう?

photo 安全なサイトには緑色のチェックマークが

 標準Webブラウザの利用時に、サイトの安全性を検証できるのもAndroid版McAfee Mobile Securityの特徴だ。ブラウザ画面の端に、閲覧しているWebページの安全性を示すマークが表示されるようなり、検索サービスの検索結果一覧でも、リンク先の安全性がアイコンで分かるようになり、怪しいサイトを開いてしまうのを未然に防げる。また、危険なサイトへのアクセスを試みた際は、本当に開いていいのかをポップアップで確認してくる。

 同機能をオンにすると、Webサイトの表示が完了するまでの時間は少し伸びる。モバイル環境ではただでさえWebの表示は遅くなりがちなので、表示速度の変化を許容できるかどうかはユーザーによって評価の分かれるところだろう。セキュリティに万全を期すならばぜひとも使いたい機能だが、速度を重視したいのなら設定から同機能をオフにするのも手といえる。


 多機能ながら使い方は分かりやすく、動作も基本的にはスムーズ。容量無制限のバックアップも魅力的だ。一方で、SMSのバックアップ機能のように機種によっては動作が不安定になる機能も見受けられた。購入を検討しているユーザーは、トライアル版の利用期間を生かして、自分の端末での動作をしっかりと検証しておこう。

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