南半球の大陸、オーストラリア。その南東に位置するシドニーは、人口約450万人を擁する国内最大の都市である。経済の中心地でもあり、そのためかオーストラリアの首都と勘違いされることもある。国際色豊かなシドニーは、例えば中心部分のシティエリアを歩くと、現地人、イギリス人だけではなく中国人など東洋人の姿もよく見かけ、海外からの留学生も多く現地に住んでいる日本人学生も多い。中華街の周辺には、中国語、日本語、そして韓国語の看板を掲げたお店も目立つ。
さて、オーストラリアは旅客機到着後の税関検査がとても厳しいことでも知られている。国内の動植物の生態系保護を目的に、海外からの食物の持ち込みに大きな制限があるためだ。税関検査は、荷物を全部開けて細かくチェックされることも珍しいことではなく、空港から出るまでにかなり時間がかかることもある。ちなみに、持ち込み不可な食料品は没収となるのはもちろん、税関申告書に虚偽の申請をして検査時に見つかると罰金刑になることもあるので十分注意したい。もっとも、シドニーの街中でたいていのものは買えるので、必要なものは現地で購入すればよいと思う。
通貨はオーストラリアドル。2011年11月時点の為替レートは1オーストラリアドルが約78円である。物価はやや高めの印象で、ホテルも繁華街のシティエリアでは1泊1万円以上が基準、食費も日本より1.5〜2倍ほど高額な感じだ。食料品はコンビニエンスストアや売店よりも、スーパーの食料品売り場へ行ったほうが安いものを入手できるようだ。
オーストラリアには大手通信事業者が4社ある。このうちVodafoneとHutchison(ブランドは「3 Three」)は事業統合でVodafoneに統一されたので、2011年11月現在はTelstra、Optus、そしてVodafoneの3ブランドがサービスを展開している。
MVNOも数社あり、各キャリアの回線を利用して営業を行っている。プリペイドサービスは海外渡航者向けに全社が提供しており、プリペイドSIMカード単体意外に、携帯電話本体やスマートフォン、データ通信機器とのセット品も販売されている。購入は、身分証明書とオーストラリアの住所が必要。住所は滞在するホテルのもので問題ないので、ホテルの予約書コピーなど住所が分かるものを持ち歩いておくとよいだろう。
シドニー国際空港にはOptusとVodafoneのショップがある。海外通信環境が必要ならシドニー到着後すぐに立ち寄ると楽だ。また、市内に出てもTelstraの店舗などがそこそこ多く存在する。MVNOのVirgin Mobileなどのデータ通信機器(USBモデムセット)は家電店やショッピングセンターでも売っており、単体のプリペイドSIMカードも、コンビニエンスストアや街の独立系携帯電話ショップで購入できる。基本的に販路は広く、購入手段そのものに困ることは少ないと思う。
ただ、1つ注意したいことが。各事業者のデータ通信プランは定額のプランがなく、パッケージプランだけとなる。そのため、何も考えずに常時つなぎっぱなし──は難しい。加えて、ホテルのインターネットサービスも有料となる例が意外に多く、通信量制限を加えているところもある(筆者は、なるべく無料インターネット接続サービスを提供するホテルを利用するようにしている)。とはいえ、3〜4日ほどの旅行や出張なら、現地のプリペイド手段でも問題ないとは思う。
オーストラリアの通信事業者一覧 | LTE | W-CDMA | GSM | 備考 |
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Telstra | 1800MHz | 900M/2100MHz | 900M/1800MHz | ローミング受け入れにCDMA2000 |
Optus | - | 850M/2100MHz | 900M/1800MHz | - |
Vodafone、3 Three | - | 850M/2100MHz | 900M/1800MHz | - |
Virgin Mobile(MVNO) | - | 850M/2100MHz | 900M/1800MHz | Optus回線 |
boost mobile(MVNO) | - | 850M/2100MHz | 900M/1800MHz | Optus回線 |
dodo(MVNO) | - | 850M/2100MHz | 900M/1800MHz | Vodafone回線 |
※MVNOはほかに数社あり | ||||
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