インタビュー
» 2013年08月09日 23時30分 公開

開発陣に聞く「DIGNO R 202K」:世界一をもう一度 京セラが“世界最軽量スマホ”に挑戦した理由 (2/2)

[房野麻子,ITmedia]
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―― ボディが真っ黒だと沈みがちですが、これは表情に変化がありますね。

川居氏 そもそも黒なのに軽さを出すということが難しい話なのですが、その中で工夫して軽さを表現する色合いを検討しました。

東出氏 ブラック、ホワイト、ピンクという比較的ニュートラルなカラーに対して、コンセプトカラーとしてターコイズグリーンを採用しています。コンパクトなDIGNO Rは女性ユーザー向けなイメージがありますが、幅広く考えたいということで、寒色系のターコイズグリーンとシルバーのコンビをコンセプトカラーとして加えています。

photo

―― ツートーンカラーっぽい色使いですね。「HONEYBEE」スマホからの乗り換えを意識していたりしますか? 色合いがちょっと似ているように思います。

川居氏 買い替えにはちょっとまだ早いかな、と思いますので、あまりそこは意識していません。

―― 軽さを追求するため随所で工夫されてますが、電源キーは金属を使っています。これはなぜでしょうか。

東出氏 電源キーはよく使うところなので、上質感にこだわりました。金属を使用すると重さに響いてきますが、ユーザーがよく使う部分だということと、本物の質感を出したいということであえて採用しました。金属キーと合わせて、赤外線ポートもミラー処理にしています。

川居氏 軽量化の制約もあるのですが、だからといってデザインをおざなりにすると商品力にも影響しますから。

好評のスマートソニックレシーバーを採用

―― 最近の京セラ端末で好評なのが、ディスプレイ全体が振動して音を伝える「スマートソニックレシーバー」です。今回のDIGNO Rでも使われていますが、軽量化に役立つ面はあったのでしょうか。

川居氏 スマートソニックレシーバーは今後のモデルで搭載していく方針ですので、軽量化のために採用した分けではありません。通話音声が聞き取りやすくなるのと、デザイン上の自由度が上がるのがポイントです。

―― ディスプレイを振動させる圧電素子はどこにありますか?

川居氏 照度センサーとカメラの間に細いパーツが入っています。

photo スマートソニックレシーバーを搭載

―― スマートソニックレシーバーに似た技術が他社のスマートフォンにも搭載されていますが、京セラのものとはどういう違いがあるのでしょうか。

川居氏 他社の端末と技術については把握していないのですが、(パネルを)振動させて音を出すこと自体は基本的な技術です。ただ、それをこのサイズの中に組み込み、実用的な品質にするためのノウハウには自信があります。

 音はただ出ればいいというものではありません。どうチューニングすれば通話が聞きやすくなるのか。これまで実用化が難しかったのは、音質の評価手法が難しいからではないでしょうか。京セラでは自社で基準を作りながらやってきました。

―― 最終的には人に聞いて確認してもらうのですか?

川居氏 そうですね。やはり人の感じ方が重要になります。

壁紙がきれいに見えるロック画面

―― DIGNO Rのロック画面はタッチするとはじめてアイコンが出現するという、少し変わったデザインですね。

川居氏 ロック画面の仕様については一新しました。ロック画面上にいろんなものが表示されていると壁紙がきれいに見えないというご意見がありまして、このようなロック画面にしました。ロック解除だけでなくすぐ文字やカメラなどを起動できます。また起動できるアプリについてはカスタマイズも可能です。

photophotophoto 前面に壁紙を表示するロック画面。タッチした場所にロック解除などのアイコンが表示される

―― ソフトやアプリでは、京セラ独自の「エントリーホーム」や「すぐごえ」「すぐ文字」なども採用されていますね。

川居氏 この時期に投入するモデルとして、独自の機能は共通させました。URBANOと同じく気圧センサーも搭載しているので、(健康アプリの)「デイリーステップ」では坂道や階段の昇り降りなども認識して、より正確なカロリー計算ができます。

―― RAMが1.5Gバイトですが、ちょっと珍しい数値ですね。

川居氏 いろいろなアプリを使おうと思うと1Gバイトでは足りない。2Gバイトあるに越したことはないのでしょうが、端末コストの問題もあって1.5Gバイトのメモリーを採用しています。

―― カメラの解像度が控えめなのも、コスト的な理由でしょうか。

川居氏 そうですね。とはいえ、810万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用していますので、どんなシチュエーションでもきちんときれいな画像が撮れます。フィルターやエフェクト機能もたくさんありますから、スマホのカメラの楽しさを味わってもらえます。

―― ワンセグは外部アンテナを付けるという形ですね。またバッテリーは内蔵式です。こうした仕様は軽量化やサイズを優先したためでしょうか。

川居氏 そうですね、バッテリーは軽量化に影響しますので、少しでもパーツを減らせるよう内蔵しました。ワンセグもアンテナを外部にすることで搭載できました。外部アンテナはイヤフォンジャックに差して中継器として使います。保証はできませんが、電波が強いところでしたらこのアンテナを差さなくてもワンセグは見られます。

photophoto ワンセグ用の外部アンテナ(写真=左)。端末の外部接続端子に接続して使う「マイクロSDカードリーダライタ」が付属(写真=右)。バックアップや画像データのやりとりに利用する

―― そしてNano SIMを採用しています。

川居氏 SIMのサイズの違いも軽量化に大きく効いています。今後はほかの端末もこのNano SIMに移行していくと思います。

 またDIGNO Rでは外部メモリーカードスロットを内蔵できませんでしたので、付属品として「マイクロSDカードリーダライタ」が付属しています。これでデータのバックアップや写真データの移行ができます。端末に挿すとUSBストレージとして認識するような感じで、データ移行のためのアプリがありますので、ここからインポート/エクスポートしていただけます。また、「ギャラリー」アプリからUSBストレージを選べるので、そこからコピーして写真を取り込むこともできるようになっています。

photo Nano SIM(左)とMicro SIM

―― 京セラ製の端末といえば卓上ホルダ対応も特徴ですが、今回は対応していませんね。

川居氏 卓上ホルダを使えるようにするためには専用の充電端子を備えなければなりません。端子1つとっても軽量化に影響しますので、今回は非対応にしました。その代わり、ユーザビリティを考えて外部接続端子はキャップレス防水のタイプを使っています。


 軽くてコンパクトなスマートフォンというと、低スペックで対応サービスも少ないエントリーモデルというイメージを受けてしまう。DIGNO Rのスペックは控えめとはいえ、ディスプレイは約4.3インチHD(1280×720ピクセル)で、プロセッサーは1.5GHzデュアルコアのMSM8960を搭載する。16GバイトのROMも備え、通信面では下り最大76Mbpsの「SoftBank 4G」(AXGP)に対応しており、テザリングも可能だ。

 フィーチャーフォンからの乗り換えでスマホに軽さと持ちやすさを求める層だけでなく、ヘビーユーザーの2台目3台目として、また法人用スマホとしての選択肢にもなるだろう。

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