エリクソン・ジャパン、MWC 2014の成果を日本でアピール「日本のキャリアからも引き合いがあります」

» 2014年03月18日 20時24分 公開
[長浜和也,ITmedia]

このLED街灯はキャリアも電力会社もいいことがあるはず

 エリクソン・ジャパンは、3月18日、日本の関係者に向けて、Mobile World Congress 2014(以下、MWC 2014)におけるEricssonブースの展示内容と、MWC 2014に合わせて発表した新ソリューションや新しい取り組みの概要を紹介した。

 すでに、MWC 2014リポートのこちらこちらで紹介しているように、Ericssonブースの展示は、ネットワークインフラに関する展示が主体となっていた。今回のMWC 2014概要紹介も、ほかの企業との協業による成果や、Ericssonが独自に開発を進めている新技術や将来登場するだろう規格に関する研究内容、そして、Ericssonの研究開発部門が進めている基幹技術や応用技術の開発内容に関する展示を取り上げている。

 協業展示については、フィリップスと共同開発した「Zero Site」や、シエナと連携した光IPとサービスプロバイダ SDNソリューション、そして、Facebookと協力したInternet.orgのためのイノベーションラボの創設やテレフォニカに協力して導入を進めているネットワーク仮想化、そして、日本ではソフトバンクモバイルが試験運用を検討しているという手のひらサイズの基地局などを紹介した。

 Zero Siteは、LED街灯に基地局設備をモジュール単位で組み込んだもの。現在、街灯がLEDへの移行を進めており、その換装に合わせて基地局も一緒に設置することを想定している。高密度な基地局設置が可能になるだけでなく、LED街灯ベースとして料金を徴収することで基地局を設置するキャリアの収益にも貢献すると説明している。光IPとSDNソリューションの協業では、これまでエリクソンが弱かった光接続の分野においてシエラの技術力を利用し、EricssonからはSDNのノウハウを提供するというというお互いのメリットを訴求し、光IPとSDNの一体化で伝送経路そのものの刷新を目指すとした。

フィリップスとの協業で開発を進めている基地局収納LED街灯「ZeroSite」(写真=左)。電力会社とキャリアのそれぞれに収益的なメリットがある(写真=中央)。シエラとの共同開発では光IP接続とSDNを連携し、伝送経路そのものを刷新する(写真=右)

 展示内容の概要説明では、帯域幅20MHzを3バンドを束ねて450Mbpsの転送速度を実現したLTE-Advancedのキャリアアグリゲーションの実演やVpLTEでの採用を想定した新しいコーデック規格による高音質体験デモ、Volvoと連携して展示した“Connected Vehicle Cloud”による車内計器とモバイルブロードバンドの連携でスマートフォンと同じようにナビゲーションや道路情報、地域情報活用、エンターテイメントなどアプリを提供して利用するデモを紹介した(その詳細は、こちらこちらの記事を参照のこと)。

特定のグループ(特に軍)が特定の時間とエリアで使っている帯域を、空いているときに活用するLSA Control。日本は無縁と思いきやエリクソン・ジャパンでは日本でも導入の可能性を探っている(写真=左)。VoLTEを想定した新しいコーデック体験デモのほかに、VoLTE対応デバイスも多数展示していた(写真=中央)。Ericssonが開発を進めているLTE-Advanced対応モデムモジュール(写真=右)

Ericssonの技術はゲリラ豪雨も予測する

 Ericssonの研究開発部門の展示内容では、第5世代通信規格を目指すものからLANに接続しているデバイスとモバイルデバイスとの連携で、リモートアクセスやLAN接続デバイスの設定、SIM認証といった“正統派”研究から、ネットワーク運用から都市インフラの監視、治安維持、緊急時対策にネットワークにおけるデータ分析を活用する“Coordination Center of Future”や、基地局で用いているマイクロ波リンクの電波減衰量からエリアの降水量を把握して降雨予報や局地的豪雨の予報を行う“Live Micro Weather”といった、一見、ネットワークインフラ企業であるEricssonとは関係ない、しかし、興味深い展示があったことを紹介している。

LAN接続デバイスとモバイルデバイスの連携からSIM認証という正統派研究から(写真=左)、基地局のマイクロ波減衰量による降水量予報というEricssonとは思えない研究までMWC 2014では展示していた(写真=右)

 MWC 2014の展示内容は、世界市場を対象としたもので、特に日本限定ということではないが、それでも、光IPとSDNが連携したソリューションやネットワーク仮想化に関しては、日本のキャリアからの問い合わせが多いという。その目的は、特定時間とエリアにトラフィックが集中しても、そのトラフィックをクラウドに退避させることで通信を確保するため、そして、専用サーバから汎用サーバを導入して設備コストを削減することにあるとエリクソンジャパンは説明している。

 また、このように仮想化がすすむことで、ハードウェアが専用サーバから低価格の汎用サーバに移行し、その結果、ハードウェアビジネスの実績が縮小する可能性については、その代わりに仮想化導入のためのソフトウェアビジネスや、安定して確実に動作運用するためのシステムインテグレードのビジネスが拡大するだろうという考えを示した。

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