「AQUOS Xx 304SH」の強力な機能といえば、有効約1310万画素の裏面照射型CMOSセンサーとF1.9の明るいレンズを備えるカメラだ。
暗い場所でも明るく、ノイズが少ない写真を撮れる「NightCatch」は「II」にバージョンアップ。新しい機能として「全天球撮影」「検索ファインダー」「かざして翻訳」などが加わった。またHDRも「リアルタイムHDR」に進化している。これら、カメラ関連の性能と機能を、前モデルである「AQUOS PHONE Xx 206SH」「AQUOS PHONE Xx 302SH」と比べてみた。
さっそく夜景を撮り比べて、違いを見てみよう。左から、206SH、302SH、304SHで撮影した写真だ。いずれもフォトライトはオフにしている。
206SHはNightCatchがないため、真っ暗で、水面の様子は分からない。302SHはNightCatchを使うことで206SHと同じ場所とは思えないほど明るく撮れた。水面だけでなく、夜空の雲の様子まで分かる。ただ明るすぎるかもしれない
304SHはもちろんNightCatch IIを有効にした。302SHほど明るくなく、空や水面が黒く仕上がっている。暗さと明るさのバランスを重視した、キレイな“夜”を表現できているのは304SHと言えそうだ。
続いてフラッシュの輝度を比較してみよう。夜の公園のテーブルに造花を置き、3機種で撮影した。こちらも左から、206SH、302SH、304SHで撮影した写真だ。
206SHを基準とすると、302SHのフォトライトはちょっと明るいくらい。写りの違いはセンサーや画像エンジンの違いもあるだろう。304SHは圧倒的な明るさ。ほかの2機種とはフラッシュの輝度が違うことが分かる。明るすぎて、造花が白飛びしてしまった(本来は淡いピンク)。
リアルタイムHDRは、逆光でも白トビや黒ツブレが少なく撮影できるHDR撮影を、まさにリアルタイムで処理するもの。これまでのHDRは1度の撮影で露出を変えた2枚の画像を記録して、後から合成していた。そのため、2枚の画像を撮る間にスマホや被写体が動いて画像にズレが生じたり、連写ができなかった。
リアルタイムHDRはその処理を撮影前にしてしまうもので、オンにすると、カメラのファインダーにはすでにHDR合成された画面を表示する。撮影前に仕上がりを確認できるし、連写も可能というわけだ。
また誰でもキレイな写真が撮れるよう「フレーミングアドバイザー」という機能も加わった。撮影シーンに合わせて、レイアウトの参考になるラインが表示。被写体をそのフレームに合わせて撮影すれば、自然にキレイな構図になる。
「多焦点撮影」やF1.9の明るいレンズ「BrightEye」、「近接撮影」は変わらず、押しっぱなし連写と便利な機能が充実し、従来機種からの機種変更でも慣れ親しんだ使い勝手と、機能の進化を感じてカメラを楽しめるだろう。
304SHに追加されたカメラ機能でもっとも注目なのが「全天球撮影」だろう。全天球撮影専用カメラも発売されているが、304SHの場合、自分の周りすべてをパノラマ撮影するイメージに近い。
ファインダーに表示されたポイントにカメラを動かしていくと自動的にシャッターが切られ、それを繰り返しながら合わせながら頭上、足元まで撮影すれば最後に合成される。筆者の場合、撮影〜合成が終わるまで約2分ほど。シャッターを1回切るだけとはいかないが、スマホで撮る全天球撮影としては非常に面白いだろう。
また、カメラを利用した機能としては302SHでも搭載されていた「翻訳ファインダー」のほか、画面内の文字をなぞるだけで検索ができる「検索ファインダー」、中国語、韓国語を翻訳できる「かざして翻訳」が加わり、NAVITIMEアプリの追加機能として「周辺ファインダー」を使うことができる。
AQUOS Xx 304SHのカメラを使ってみると、キレイに撮るのはもちろん、使って楽しいUI、便利な機能としてもカメラを強化していることがよく分かる。カメラに詳しい人でなくとも、さまざまなシーンでカメラを使ってみたくなるはずだ。
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