バッテリーは本当に3日以上持つ?――「AQUOS Xx 304SH」「AQUOS Xx 304SH」の“ここ”が知りたい 第2回

» 2014年06月04日 20時32分 公開
[小林誠,ITmedia]

 シャープのスマートフォンといえば「IGZO」液晶だが、意外にもソフトバンクモバイル向けの5型クラスでは「AQUOS Xx 304SH」が初採用。新開発のバックライト「PureLED」で何が変わったのか、「3日間超え」をうたうバッテリー持ちは本当か、その実力を検証した。

photo 「AQUOS Xx 304SH」

PureLEDでIGZO液晶の見え方は違う?

 304SHの前モデルである「AQUOS PHONE Xx 206SH」「AQUOS PHONE Xx 302SH」はIGZO液晶ではなく、フルHD(1080×1920ピクセル)表示のS-CG Silicon液晶システムを採用。これに映像リアリティエンジンの「FEEL artist」を搭載し、高画質をウリにしていた。ちなみにソフトバンクモバイル向けでIGZOを初搭載したのは4.9型HDの「AQUOS PHONE Xx 203SH」だった。

 今回は304SHと302SH、206SHに同じ映像、同じ画像を表示させ、その違いを確認してみた。まず304SHのIGZO液晶+新開発のバックライト「PureLED」では、「美しい発色」「明るい表示」を実現しているという。これは映像、画像どちらでも感じることができた。とくにシャープが言う「赤」の鮮やかさは強く感じる。

photo 同じ画像や映像を表示して比較した。上段が304SH、下段左から302SHと206SH。画面の明るさは最大に固定している。これは外国の街並み

 特に映像では建物や服、野菜や花が映ると、パッと見ただけで鮮やかさに気付く。また人物を見ていると白っぽい肌に赤みが差してより自然に見えることもある。もっとも逆に赤みが強すぎると感じることもあるので、これはちょっと判断が難しい。ただ映像全体がクッキリとしているので、新旧で比べると304SHのほうがキレイな映像のように感じる。

photo 左から302SH、304SH、206SH。一番明るいのが304SHだとよく分かるのではないだろうか。206SHは暗いが、しかし青空は濃く見える

 画像を見た場合でも赤が鮮やか。また紫も強く出ていると感じた。一方で青空は明るすぎる。青というより水色に近い空に見えて、個人的にはもっと深い青色が好きだ。ただ水色のほうが自然という考え方もできる。他にも白い壁ではごく薄く淡い黄色がかっており「日光が当たっている」ように見える。これも自然な色と感じるか、真っ白がいいかも好みが分かれそうだ。

 206SHは青空や緑が濃く見えるが、全体的に302、304SHと比べると暗い印象。302SHがちょうどいいかと言えば、赤色がオレンジっぽく見えたりと、3機種を並べて見比べると細かい違いが非常に多い。これは何を狙ってチューニングしたかにもよるだろう。

photo 上段が304SH、下段左から302SHと206SH。車両の赤が304SHはもっとも鮮明。ほかには映画の「RED」やYouTubeの動画などを見比べている

 ただ画面を見たときの明るさでは304SHが上。画像以外でもホーム画面やWebサイト、アプリの画面を見ることが多くなり、映像もスマホで見ることが多いのなら、やはり304SHが良さそうだ。

3日間超えは可能か?

 バッテリー持ちについて206SHと302SHは「余裕の2日間」をうたっていたが、304SHでは「3日間超え」となった。連続待受時間(いずれも4G LTEの場合)は206SHが約430時間、302SHは約450時間、304SHが約650時間と着実に伸びている。連続通話時間も、206SHが1000分、302SHは1100分、304SHで1350分と省エネ性能が上がっていることが分かる。

 ただご存知のように「3日間超え」とは、シャープの基準によるもので、実際の使い方ではもっと短い場合がある。というわけでテストをしてみた。

 まず動画の連続再生。同じ場所で同じ設定(4Gエリア、Wi-Fi、位置情報、Gmailの同期は有効。Bluetoothはオフ、明るさは自動調整、音量は中くらい)にしたうえで、YouTubeを2時間連続再生させた。バッテリーは満充電にしたうえで、消費経過をアプリの「Battery Mix」で記録した。その結果、バッテリー残量は以下の通りとなった。

photo YouTubeの2時間の動画を再生し続けた。上段が304SHで、下段左から302SHと206SH。画面の明るさは自動調整にしたが、やはり206SHは若干暗く、302SHと304SHの明るさが目立つ。これでバッテリー残量の差がほぼ同じ
  • 206SH……79%
  • 302SH……80%
  • 304SH……78%

 もう少し差がでることを予想していたため、あれ? という意外な結果になった。画面の明るさを自動調整にしていることや、本体の温度やプリインストールアプリの数、ウィジェットの差などもあり、1〜2%の差は「ほとんど同じ」と考えていいだろう。もともとバッテリーが持つ3機種なので、2時間程度の動画再生では差が出にくいのだろう。

 そこで、304SHをいつものように普段使いして、どの程度バッテリーが減るかをチェックしてみた。筆者の場合、ブラウザとGmail、地図をよく使う。そしてニュースアプリのグノシーとスマートニュースを併用。とくに電車移動が多いので、その時間はほぼブラウザかニュースアプリを使用している。地図は航空写真を眺めるのが好きなので、一般的な目的地探しやルート検索以外でもよく使っている。これだと大抵のスマホは1日持たない。

 同じようにニュースアプリをインストールするなどして、筆者のスマホに近い形にして304SHを持ち歩いた。今回はこの記事の作成もあるのでカメラを使うなど、普段よりも消費が激しいかもしれない(代わりに普段のスマホと違って通話はないが)。

 一番激しく消費したのは開始から18時間経過後の昼間。ちょうど外出してカメラテストを行った。6月だが完全に夏日で本体の温度も上がったが、それでも24時間経過後の残量は54%。テストを行わなければもっとバッテリーは残り、3日超えも夢ではなかった。

photophoto アプリ「Battery Mix」のバッテリー消費経過(写真=左)。「Battery Mix」でアプリの使用状況を確認。大半はマップとブラウザ、意外なことにYahoo!のウィジェットもかなり使っている。たしかウィジェットのニュースを見ていた覚えがある。電話も消費しているが、これはテスト前のもの(写真=右)

 こうして満充電から48時間経過したところ、バッテリー残量は63%減の37%となった。省エネ設定の「エコ技」を使わずとも、充電をしなければ3日目には突入できる。「3日目まで」は持ちそうだ。もっとも3日目は使い方を抑えることになるだろうし、筆者の使い方だと「3日間超え」をするには「エコ技」の助けを借りることになる。バッテリー持ちが良いのは間違いないので、設定次第で3日間超えを狙うことは可能だろう。

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