NTTドコモとKDDI(au)が夏モデルとしてラインアップし、5月15日に同時発売したサムスン電子の「GALAXY S5」。ドコモ版の「SC-04F」とau版の「SCL23」は基本的なスペックは同じだが、デザインや対応するネットワーク・通信機能が異なっている。今回は改めてその違いを確認してみた。
デザイン上でもっとも大きな違いは、カラーバリエーションの違いだ。2社ともshimmery WHITE(白)とcharcoal BLACK(黒)を用意する点は同じだが、ドコモはsweet PINK、auはchampagne PINKというピンク系のオリジナルカラーをラインアップしている。海外モデルにはelectric Blueとcopper Goldという2色があるが、どちらも国内では販売されていない。
次に気が付くのが、ディスプレイの上部にあるロゴ。ドコモ版には「docomo Xi」というロゴがどーんと入っている。一方のau版は無印だ。auでも過去に販売していた「GALAXY Note 3 SCL22」「GALAXY S III Progre SCL21」には「au」のロゴが入っていたが、GALAXY S5ではロゴなしに変更したようだ。
ロゴの扱いは背面でも違いが見られる。SC-04Fは「SAMSUNG」のロゴが、SCL23は「au」のロゴとなっていた。その下に型番が入っているのはどちらも同じだ。
ただし、日本でも発売記念キャンペーンで海外カラーの背面カバーを配布していたので、カバーと交換すれば海外モデルっぽくすることもできる。のだが、おサイフケータイ(FeliCa)のマークが入っているので海外モデルとまったく同じというワケでもない。
仕様の違いで1番大きいのが、キャリアによる対応ネットワークと通信機能の違いだろう。SC-04は対応する周波数帯域が800MHz/1.5GHz/1.7GHz/2GHzの4つ。通信速度は最大で下り150Mbps/上り50Mbpsだが、これは1.7GHz帯を使う東名阪エリアのみ。3G(FOMA)の場合は下り最大14Mbps/上り最大5.7Mbpsになる。またドコモは6月下旬から国内で初めて「VoLTE」を使った通話サービスを開始。SC-04も対象機種だが、現時点(6月13日)では機能追加のためのアップデートが提供されていない。
SCL23は800MHz/2GHzと2つの帯域に対応し、LTEの最大通信速度は下り150Mbps/上り12Mbps。ただし下り150Mbpsが利用できるのは2GHz帯を使う一部の基地局エリアに限られる。またKDDIがこの夏から開始したLTEのキャリアアグリゲーション(CA)をサポートしているが、下りの通信速度は最大150Mbpsのままで、上りは最大25Mbpsにアップする。さらにUQコミュニケーションズが提供する「WiMAX 2+」にも対応し、下り最大110Mbps/上り最大10Mbpsの通信も可能だ。なお、3G接続時の速度は下り最大9.2Mbps/5.5Mbpsとなっている。
SCL23はLTE、CA、WiMAX 2+で通信速度の上限がそれぞれ変わるのが特徴だ。そしてアンテナピクトは「4G」に統一されているため、LTE/CA/WiMAX 2+のどれで接続しているのかは分からない。また接続先をユーザーが選択することも表向きは不可能だ。
この違いが実用ではどうなるのか。次回は下り最大150Mbpsが利用できるエリアで、2台の速度調査をしてみたい。
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