国内スマホ初のWQHDディスプレイ搭載 「isai FL」を使って分かったこと後悔しない高解像度(1/2 ページ)

» 2014年07月25日 11時45分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

時代を先取りした国内スマホ初のWQHDディスプレイ

 KDDI(au)が7月18日に発売した、LGエレクトロニクス製のAndroidスマートフォン「isai FL LGL24」。auの2014年夏モデルで最大の5.5型液晶を搭載するモデルだが、その特徴は大きさだけではない。なんとWQHD(2560×1440ピクセル)という、国内のスマホでは最も高解像度なディスプレイを搭載している。

photophoto 「isai FL LGL24」。カラーはホワイト、ブルー、ピンクの3色

 前モデルの「isai LGL22」は約5.2インチフルHD(1080×1920ピクセル)のディスプレイを搭載していたが、WQHDはフルHDのざっと1.8倍の情報を表示できる。画面のキメの細かさを表わすピクセル密度は538dpiと、グラビア印刷(350〜400bpi)をはるかに上回る精細さだ。

 例えばiPhone 5sのRetinaディスプレイは、サイズが4型で解像度は1136×640ピクセル、そのピクセル密度は326ppi。“Retina”とは網膜のことで、ヒトの網膜では1つ1つの画素を識別できない――それだけ画素が高密度で並んでいる――ことを意味しているという。iPhone 5sは目を凝らしても画素を見分けられないディスプレイだが、スペックで比較すればisaiやisai FLはそれよりもさらに高精細なディスプレイを持っているというわけだ。

photo 2560×1440ピクセルの動画を再生中。モックアップかはめ込み合成かと見まごう鮮やかさ
photophoto isai FLで撮影した古地図を表示してみた。アップしても本物がそこにあるかのように見える

 もちろん、ディスプレイの善しあしは解像度だけでは判断できない。その点isai FLは広視野角・高輝度で、擬似的に解像感をアップさせる副画素(サブピクセル)を廃したAH-IPS方式を採用。また液晶パネルの光漏れを削減したことで、高コントラストかつ、液晶が苦手とされる黒の描写も向上させている。

 そんな高解像度・高精細なディスプレイのメリットといえば、なんといっても解像感の“アラ”が目に付かない点だろう。解像度が低いディスプレイで写真を表示すると、格子状のピクセルが目立ってしまい、ザラついたいかにもデジタルな写真になってしまう。これが印刷物を超える高精細なディスプレイのisai FLであれば、写真や動画(もちろん解像度が高いものに限るが)がまるでそこに実在するかのようなリアルさで表示できる。スマホで撮った写真や動画はもちろん、高画質化が進んでいるネット上のコンテンツも、isai FLならより快適に楽しめる。

photophoto 手っ取り早くisai FLの高解像度を体験してもらうには、縮小していないスクリーンショットを見てもらうのが良いかもしれない……(クリックすると等倍画像が表示されます)

 また普段使いでも、フォントやアイコンなどのユーザーインタフェース(UI)に欠かせない要素が滑らかに表示されるため、高解像度のメリットは大きい。フォントやアイコンの輪郭がジャギー(ギザギザしている状態)だと使い続ける上で抵抗感が生じ、決して気持ちの良いとは言えないが、isai FLなら細かい文字もくっきりと表示され、目も疲れにくい。Webブラウザや電子書籍などのテキスト中心のコンテンツをじっくりと利用する場合や、地図アプリなど拡大縮小を繰り返す場合にもその違いが体験できるだろう。

 2560×1440ピクセルという解像度はPC用ディスプレイとしても高解像度な部類であり、これまでのスマートフォンの解像度がハイスペック機でもフルHDまでだったことを考えれば、手のひらサイズのデバイスでWQHDを実現するのはかなり画期的なことが分かる。このディスプレイはLGのグループ企業であるLGディスプレイが開発・製造したもので、isai FLのほか同社の海外モデル「LG G3」でも使われている。おそらくだが、近い将来のスマホはWQHDという高解像度ディスプレイが当たり前になるのだろう。しかし、現時点でその先進性を体験できるのはisai FLだけ。

 そしてその違いを実感するには、店頭でisai FLを見て、手にしてもらうのが一番だ。ひと目でこれまでのスマホとの違いに気が付くはずだ。

WQHDディスプレイと新UIを支える高いスペック

 isaiシリーズはKDDIとLGの2社がコラボレートしたスマートフォンであり、デザインや独自のUIなど、独自のブランドを確立しつつある。もちろんそれにふさわしいスペックも兼ね備えており、2.4GHz駆動のクアッドコアプロセッサ「MSM8974AC」を備えるなど、高解像度コンテンツを難なく処理するための性能も備えた。

 また有効約1320万画素CMOSのメインカメラと有効約130万画素CMOSのインカメラ、2Gバイトのメインメモリと32Gバイトのストレージを搭載し、ボディはもちろん防水仕様で、おサイフケータイ(FeliCa/NFC)とワンセグ/フルセグ(視聴には外部アンテナが必要)といった国内仕様にも対応。通信面ではauがこの夏から開始したキャリアアグリゲーションにより、下り最大150Mbpsの高速通信が安定して利用できるほか、下り最大110MbpsのWiMAX 2+もサポートする。

 ただこうした仕様以上にisai FLの魅力を高めているのが、新しいスマホの使い方ともいえる「isaiモーション」や「ノックコード」といった新機能の数々だ。

振ったり、タップしたり。スマホの使い方を変える新UI

 isai FLが時代を先取りしているのは、ディスプレイの高解像度化だけではない。スマホの操作方法についても、ちょっと先行く工夫が盛り込まれた。例えば「isaiモーション」は、端末を振って操作するというジェスチャー操作を進化させた新しいUIだ。具体的にどんなことができるのかは以下の通りだが、普通ならアプリを起動して何度もタップして操作することを、端末を振るというアクションだけで済ませている点が興味深い。

photo 振って操作する「isaiモーション」

 まずホーム画面を表示中にisai FLを2〜3回振ると、位置情報を検知して周囲の飲食店情報やお得情報、イベント情報を表示する。お得情報はauスマートパスの情報も表示できるので、会員ならさらに便利な使い方が可能だ。いずれにせよ、場所を指定してから関連情報を入手するのではなく、移動先で手早く近くの情報を得られる。

 またホームの編集画面で端末を振ると、壁紙やアイコンのデザインをランダムに変更できる。これは人気の着せ替えアプリ「CocoPPa」とコラボレーションした機能で、気に入ったデザインを選ぶと言うよりは、使ったことがないデザインを次々と試してみたいときに便利だろう。

photophotophoto ホーム画面で端末を振ると周辺情報(写真=左)、ホームの編集画面で振ると着せ替えの設定(写真=中央)、そしてギャラリーで端末を振るとコラージュを作成する(写真=右)

 またギャラリーアプリで写真をサムネイル表示している時に端末を振ると、アルバム内の複数の写真を1枚のコラージュ作品に編集できる。使う画像は振るたびに入れ替わるので、偶然面白い組み合わせのコラージュができるのも楽しい。

photophoto isaiモーションで使う機能はオン/オフが可能で、ユーザーが特定のアプリを指定することも

 もちろんこうした機能に必要性を感じない人もいるだろうが、isaiモーションはユーザーが指定したアプリを起動させるのも可能だ。よく使うアプリや、乗り換え案内など移動先ですぐに使いたいアプリを設定しておけば、素早くアプリを起動できる。

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