SIMフリースマホで格安SIMを利用する際に、必ず確認しておきたいのが、対応する周波数帯です。スマホやガラケーなどのモバイル端末には、機種ごとに対応する周波数帯があります。周波数が合わない端末にSIMを装着して使おうとすると、正しく通信できない場合があるのです。
NTTドコモ、au、ソフトバンクなどの携帯電話会社(キャリア)は、国から周波数帯を割り当てられており、その周波数帯を使って通話や通信サービスを提供しています。格安SIMを提供するほとんどのMVNOが回線を利用しているドコモの場合を見てみましょう。
ドコモには、「LTE(FDD-LTE)」と「3G(W-CDMA)」という2つの通信規格があります。LTEは第4世代の高速通信「4G」の一種。第3世代の「3G」よりも通信速度が速く、スマホの普及と合わせてエリアの拡大も進んだ現在は、多くの人が日常的に利用しています。格安SIMの料金プランには、「通信容量」が必ず明記されていますが、これはLTEと3Gを月間(または日間)でどのぐらい利用できるかを示しています。このLTEと3Gには、それぞれ周波数帯が決められており、ドコモは以下の周波数帯を使用しています。
SIMフリースマホは機種によって対応する周波数帯が異なります。どのような基準で見極めればよいのでしょうか。まず押さえておきたいのが、LTEの「2.1GHz(バンド1)」に対応しているかどうかです。この周波数帯は、日本全国に基地局があり、速度も高速。海外でも使われているので、海外端末でも対応している機種が多く存在します。国内で販売されているSIMフリースマホのほとんどは、ドコモ系SIMを利用することを想定しているので、基本的には対応していると考えていいでしょう。
次に確認しておきたいのが、LTEの「800MHz(バンド19)」です。この周波数帯は、電波が遠くまで届きやすく、広いエリアをカバーできるという性質があることから、“プラチナバンド”と呼ばれています。地方や山間部などで展開されているので、こうしたエリアで利用したい場合は、対応する機種を選びましょう。また、建物内などの電波が届きにくいエリアではこの周波数帯が使われているので、都市部での利用が中心でも、対応機種を選ぶことをおすすめします。
格安SIMでは、通話には3Gを使用します。電話をする機会が多い人は、忘れずに3Gの周波数帯も確認しておきましょう。3Gの周波数帯でチェックするべきは、「800MHz(バンド6、19)」です。ドコモでは、この周波数帯を「FOMAプラスエリア」と呼び、2つのバンドで展開しています。地方や山間部などでも電波をつかみやすくなるので、通話利用が多い場合は、対応モデルを選びましょう。なお、SIMフリースマホには、バンド6のみに対応するモデルと、バンド6とバンド19に両対応するモデルがありますが、基本的にバンド6に対応していれば、問題なく利用できます。
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