トーンモバイルは7月25日、同社スマートフォン「TONE(m15)」向けのソフトウェアアップデートを開始した。「TONE software 2.0」と呼ばれる大々的なもので、バッテリーの駆動時間1.5〜2倍に伸ばす、IP電話の着信が安定するなど、全28項目で改善を図った。
TONEは月額1000円(税別、以下同)で、無制限のデータ通信(ただし速度は500〜800kbps)と050番号のIP電話が利用できるスマホサービス。専用のAndroid端末を用いるのが特徴で、現在は2015年11月発売のm15(本体価格2万9800円)と2014年8月発売の「m14」(同1万9800円)の2機種をラインアップしている。オプションで、080/090番号を付与するサービス(月額953円)や、高速通信が行えるチケットオプション(1GB/300円)も用意した。
同社の石田宏樹社長は、「ユーザー調査では『TONEに満足している』という回答が87%と高い水準にある。しかし『人にすすめたい』という設問では76%という結果だった。残る24%のユーザーが『おすすめしたくない』と不満に思う点を中心に、今回のアップデートで改善を図った」と説明する。
代表的な不満点の1つがバッテリーの持ちで、「TONEに搭載しているチップやプリセットアプリの挙動など、1つ1つを複合的に見直して150〜200%改善した」という。IP電話は音質への不満が多く、OSが持つ通知方式(ノーティファイメソッド)に加えてTONE独自の通知方式も使うダブルノーティファイシステムで、着信性能を高めた。IP電話専用帯域の品質も改善し、Wi-Fi接続時でもLTE通信を優先させるモードを組み合わせるなどして、IP電話の品質を向上させたという。
石田社長は「こうしたスマホの大幅な進化は、ハードとソフト、ネットワークとクラウドを一貫して開発・提供する垂直統合モデルのトーンだからできること」と話す。特にIP電話の安定性については2つのIPアドレスを使い分ける同社の特許技術が生かされていると明かした。
TONEのIP電話はユーザーの約35%が利用しており、一方の090/080番号を使った音声通話プラン(オプション)は利用率が約3割。そのため、TONEはIP電話をメインの機能と位置付け、特に満足度の向上に努めている。
例えば通常のIP電話では利用できない104番の電話番号案内についても、TONEのIP電話アプリで104とダイヤルすることで周囲の飲食店が検索できる機能を搭載。今回のアップデートでは、災害時に避難所として使われる付近の施設が探せるようになった。これはケータイからの乗り換えなどで、スマホでのネット検索に不慣れな高齢者ユーザーに配慮したものだという。また110番や119番は、近隣の警察署や消防署の番号を案内するようになっている。このほか、IP電話アプリから090/080番号の発着信通知が確認できるなど、ユーザーインタフェースも見直した。
またアクセサリーへのニーズも高いことから、オリジナルのホーム画面「one」からオリジナルケースを発注できる導線も用意。1日8000歩/はや歩き20分を達成するとTポイントが付与されるライフログ機能では、夏季限定ではや歩き時間を15分に短縮するなど、気候に合わせて内容を変えている。
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