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なぜ日本で個人間決済ははやらない? 割り勘アプリ「paymo」の代表に聞いてみた(2/2 ページ)

» 2017年01月26日 06時00分 公開
[石原亜香利ITmedia]
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集金をコミュニケーションに

 こうした背景から生まれた割り勘アプリが「paymo」です。姓名、メールアドレスだけで無料登録でき、クレジットカードを登録すれば、友人・知人同士での割り勘ツールとして使えるというものです。

 飲み会幹事は、飲み会の後、「こないだの飲み会、●●円かかったから、一人××円だよ。払ってね」と飲み会参加者へとメールやLINEなどでかわいいスタンプ付きで送ります。メンバーは、paymoをダウンロード、登録すれば簡単に飲み代金をスマホで簡単に支払うことができます。

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「paymo」コンセプトムービー

 paymoが既存の個人間決済ツールと大きく異なるのは、「送金」ではなく、個人に発生した「債務への支払い」という点にあります。よって、証明書となるレシートや領収書のアップロードを必要とします。

 「paymoでこだわったのは“送金”ではないことと、コミュニケーションです。個人間のお金のやりとりには、必ず何らかのコミュニケーションが行われるため、顔写真やスタンプなどで楽しくやりとりできるようにしました。

 また、paymoは飲み会幹事に特にメリットがあるツールです。友人や会社での飲み会、ランチ、女子会、カラオケなど、楽しい時間の後には必ずついてくるのが、面倒な集金。後で『あのお金、払ってね』と催促するのも気まずいものです。支払う側も、小銭を出す面倒さや手持ちがないこともよくあることです。

 そんな割り勘が、いつものLINEやメッセンジャー、メールなどでの気軽なやりとりの中で、楽しくスピーディーに行えることは、飲み会幹事にとって画期的なことだと思います。また、招待一人につき300円相当のポイントを付与するサービスもあるため、集金側になると得します」(木村氏)

 「本人確認」というハードルがなく、普段のモバイルコミュニケーションのままに飲み会代の請求が気軽に行えるという点で、これまで国内では普及が難しかった決済アプリの決定版となることができるでしょうか。

 テクノロジーの力で飲み会幹事の手間が軽減されると同時に、飲み会などのお金を要する集まりの機会の創出や、ポイント制度のメリットから、自ら飲み会幹事になって集金側に回りたくなる人も増えていくような、新しい流れも起きてくるかもしれません。

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