セキュリティ面では、生体認証を強化。虹彩認証にはインカメラを使い、画面上に自分の顔(の上部)が表示されるので、セルフィーをする感覚で認証できる。デモでは、サングラスをかけても認証できる様子が紹介された。また同じ人物の写真や3Dマスクを使った場合は認証できないので、第三者の悪用からも守れる。認証スピードは1〜2秒といったところで、認証画面を写真に収めるのが難しいほどだった。
あらかじめ録音したフレーズを話すという、音声認証によるロック解除にも対応。録音した音声と照合するため、他のユーザーが同じ言葉を発してもエラーになる。実際、デモでは1人の説明員が「My voice is my password」としゃべってロック解除したが、他のスタッフが同じ言葉を話してもロックを解除できなかった。
マルウェアを検知する機能も搭載しており、危険なアプリを検知したら警告が出てアンインストールを促す。従来のSnapdragonではマルウェアのデーターベースを参照して検知していたが、Snapdragon 835では機械学習によって、データーベースに登録されていない新しいマルウェアが現れても、振る舞いを見て検知する。
騒音のある状況でも、「Hey Snapdragon」と話して画面を点灯させるデモも実施。これは機械学習を応用したもので、機械学習を使った端末の方が、そうでない端末よりも多く認識していた。
バッテリーライフについては、Snapdragon 801と比べて50%、Snapdragon 820シリーズと比べて25%の低消費電力を実現。また「Quick Charge 4.0」を新たにサポートし、15分の充電で50%までの急速充電が可能になる。バッテリー関連のデモはなかったが、日々スマートフォンを使う上で、スタミナの向上は、一番メリットの大きな部分ともいえる。
Snapdragon 835の新機能を体験して、スマートフォンを使う“楽しさ”が新しい次元に進むといっても大げさではないと感じた。製品化が決定しているSnapdragon 835搭載スマホが現時点で「Xperia XZ Premium」のみと少ないので、まずは搭載機種の拡大を期待したい。
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