楽天は8月23日、同社のMVNOサービス「楽天モバイル」の新サービスとして、「スーパーホーダイ」を発表した。9月1日から提供を開始する。通信利用制限がかかっても最大1Mbpsで通信できることと、5分以内の国内通話が無料になるのが特徴。
スーパーホーダイは、毎月の通信容量2GBで月額2980円(税別、以下同様)の「プランS」、6GBで3980円の「プランM」、14GBで5980円の「プランL」の3種類がある。
高速データ通信をオフ、あるいは通信容量を使い切っても最大1Mbpsで通信できる。大手キャリアでは速度制限がかかると128kbpsまで制限されるのに対し、制限を緩やかにすることで「高速データ通信でなくても快適に通信できる」とする。なお、午前12時〜午後1時、午後6時〜午後7時の時間帯は最大300kbpsとなる。
また、「楽天でんわアプリ」から、あるいは「003768」を電話番号の先頭に付けて発信することで、5分以内の国内通話が回数無制限で無料になる。
割引もある。楽天会員はいずれのプランでも、契約1年目の料金が毎月1000円割引となる。この割引は何度でも適用できる。また、楽天会員の中でもダイヤモンド会員は、契約回線の中で最初に契約した回線のみ、1年目の料金がさらに毎月500円割引となる。
契約時にユーザーが「最低利用期間」を設定することで、端末価格の値引きをする「長期優待ボーナス」も始める。通常の契約では最低利用期間が1年間のところ、2年間とすることで端末価格が1万円割引、3年間とすることで2万円割引になる。端末価格が割引価格より安い場合は残りを楽天スーパーポイントで付与、端末購入を伴わない場合は全額ポイント付与となる。
一方で、長期優待ボーナスによる値引きを始めるため、「端末個別の大幅な値引きは原則行わない」と大尾嘉宏人執行役員が明かした。
大手キャリアのプランに対し、「個人的な印象だが、注釈の多い産業だな」と平井康文副社長。新プランの「スーパーホーダイ」は、シンプルかつベストな料金プランを目指したものだという。
料金を下げるよりも、制限の緩和という方向で新プランを作った理由について、「そもそもわれわれの料金プランは安い。なおかつ、われわれは楽天モバイルを『格安スマホ』とは呼んでおらず、あくまで『MVNO』としている。安さを追うより、付加価値を上げることが(お客さまにとってもわれわれにとっても)メリットになるはず」(平井氏)
最大1Mbpsという通信速度については、制限無しの高速通信で出ている実効速度(「定点観測」連載7月時点で楽天モバイルの実効速度は約6〜40Mbps)の上限を1Mbpsに制限したもので、保証はできないが多くの場合1Mbpsに近い速度が出るはずだという。
発表会では料金プランをケーキ屋に見立て、他社プランとスーパーホーダイを比較し、スーパーホーダイが分かりやすく満足できるプランであることを強調した。
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