ASUSに聞く「ZenFone 4」シリーズの手応え 今後は“限定モデル”も増やすSIMロックフリースマホメーカーに聞く(1/2 ページ)

» 2017年12月06日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 ASUSはHuaweiとともに、SIMロックフリースマートフォン市場を早くから開拓してきた1社だ。スマートフォンへの参入自体が比較的遅かったASUSだが、日本では“空白地帯”になっていた市場の隙間をしっかり埋めた格好だ。日本ではMVNOの伸びが同社の成長を後押しした。2017年度上半期のシェアは第2位(MM総研調べ)で、1位のHuaweiとは抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げている。数字の上では、SIMロックフリースマートフォン市場の2強といっても過言ではない。

 そのASUSが、2017年度のラインアップとして送り出したのが、「ZenFone 4」とその派生モデルだ。日本では、既に上位版の「ZenFone 4 Pro」や、セルフィー(自撮り)需要に応えた「ZenFone 4 Selfie Pro」が発売されている。12月には、大容量バッテリーを備えた「ZenFone 4 Max」も発表した。さらに、MVNO向けにはZenFone 4のカスタマイズモデルを導入。ベースモデルからプロセッサやメモリ(RAM)の性能を抑え、より買いやすい価格を実現した。

ASUS 「ZenFone 4」

 SIMロックフリースマートフォンの人気ブランドになったZenFoneだが、同社はどのような戦略で日本市場に臨んでいるのか。ZenFoneの今とこれからを、システムビジネス部 プロダクトマネージャーのレイレン・リー氏、同部 阿部直人氏、システムマーケティング部部長 シンシア・テン氏に聞いた。

2017年冬から“限定モデル”を販売する

ASUS シンシア・テン氏

―― まず、ZenFone 4シリーズですが、反響はいかがでしたか。

テン氏 ZenFoneシリーズを振り返ると、2014年の「ZenFone 5」は、「UNLOCK THE F UTURE」をスローガンに掲げ、MVNOと一緒に発表しました。2015年の「ZenFone 2」では、「性能怪獣」という主張でインパクトを意識して、日本市場に導入しています。そして昨年(2016年)の「ZenFone 3」では、外観やカメラ性能、質感を高め、ZenFoneのコンセプトである「ワンランク上のぜいたく」をさらに極めています。

 これに対して、ZenFone 4は、「WE LOVE PHOTO」というスローガンをワールドワイドで展開しています。全てがデュアルレンズを搭載した製品という思い切った戦略ですが、結果は狙った通りについてきています。全てのZenFoneに手応えを感じていますが、弊社の戦略は、順調に軌道に乗っています。

―― ZenFone 4 Selfie Proがある一方で、そのノーマル版ともいえる「ZenFone 4 Selfie」が発売されていません。これはなぜでしょうか。

テン氏 それぞれに戦略があり、パートナーや弊社の置かれている状況など、いろいろな都合を考慮して決めました。価格や性能、お客さまの要望もさまざまです。

 競合他社の参入もある激しい戦いの中で、どのようにポジションを維持していくのか。これについては、今年(2017年)の冬から、新しい戦略を立てています。それが「限定モデル」です。今までも、色違いやスペック違いなど、プロパーモデルと異なるモデルを発売してきましたが、年末商戦では、限定したチャネルで販売するモデルを発表していきます。カスタマイズモデルも、今後増やしていく方針です。

―― IIJなどが販売するカスタマイズモデルも、そういう位置付けなのでしょうか。

リー氏 シンシアが申し上げたように、日本における戦略の1つです。日本市場に関しては、ラインアップを極力シンプルにしていきたい。そういう意味もあり、オープンモデルとして、より市場に合ったSnapdragon 660のモデルを選んでいます。Snapdragon 630のモデルは、お客さまの要望もあり、あえてIIJ限定モデルという位置付けにしています。

阿部氏 厳密にいうとIIJだけでなく、IIJがMVNEをしているMVNOにも導入されています。イオンモバイルなども含めると、合計で4社から発売されています。

ASUS IIJ向けに販売しているZenFone 4のカスタマイズモデル。価格は通常モデルの5万6800円より安い4万4800円(キャンペーンで2018年1月16日まで3万9800円、いずれも税別)

auとソフトバンク(Y!mobile)のVoLTEに対応 ドコモは?

ASUS 阿部直人氏

―― MVNOが販売する比率が増えてきた結果と見ていいのでしょうか。現状の比率を教えてください。

リー氏 単体販売は全体の3分の1ぐらいで、あとはMVNOと量販店に入っているY!mobileやUQ mobileと一緒に買われることが多いですね。

阿部氏 ZenFone 5のころは、単体とMVNOの比率が9対1ぐらいでした。「そもそもSIMカードって何?」という時代でしたからね。これが、ここ3〜4年で徐々に変ってきて、お店で当たり前のようにバンドルするようになってきて、われわれがZenFoneを始めたころとは比率が逆転しています。感覚的には単体とセット販売では、7対3ぐらいですね。

―― なるほど。そういう背景があることを考えると、チャネルを限定するという戦略は合理的なように思えます。MVNOの販路を拡大するという点では、2016年に対応したau VoLTEは大きな意味があったのでしょうか。

阿部氏 確実にプラスになっています。他社ではまだ完全に対応していないところもあるので、ここはZenFoneのアドバンテージです。それをやることで、ユーザーがどのSIMカードを選んでも使うことができます。量販店に行き、適当にSIMカードを選んでもいいわけです。動作保証のあるキャリアモデルと違い、SIMフリーモデルだと(組み合わせによっては)動かないケースもありますが、そういったことがないのは大きいですね。

―― つまり、追い風になっていると。

阿部氏 12月から中古端末のSIMロックが解除できなくなってしまうので、そういったこともあって、ユーザーからもMVNOからも喜ばれています。また、弊社は海外から端末をそのまま持ってきて売るのではなく、日本向けにきちんとローカライズもしています。au VoLTEは前々からやっていましたが、Y!mobileのVoLTEもやっていきます。Y!mobileのVoLTEはZenFone 4 Maxが対応していますが、その他の端末もシステムアップデートで対応させる予定です。

―― au、ソフトバンクときて、ドコモのVoLTE対応も気になるところです。

阿部氏 技術的にできるかできないかでいうと、対応することはできます。

テン氏 ただ、市場がまだ不安定です。VoLTE対応にも投資は必要なので、これについては前向きに検討しています。

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