Snapdragon 845における機能ハイライトは、通信技術に強みを持つQualcommならではの特徴といえるモデム機能だ。こちらも基本的にはギガビットLTEをサポートした835の順当進化にあたるが、第2世代にあたるX20 LTE Modemを採用し、下り方向で最大1.2Gbps(Category 18)と20%ほど高速化が期待できる。1.2Gbps通信は20MHz×5のキャリアアグリゲーション(CA)と4x4 MIMO、そしてLicensed Assisted Access(LAA)の仕組みで実現される。
また、1〜1.2Gbpsの通信を実現するため最低でも3つのCAを行う必要性から、周波数帯域のコンビネーションが複雑になっている。だがQualcommによれば、現状のコンビネーションで世界の携帯キャリアの9割の需要をカバーできるとのことで、このあたりは世界展開が前提となっている同社ならではの強みといえる。
そして通信の待ち受けとしては「Dual SIM - Dual VoLTE(DSDV)」に対応する。SIMロックフリー端末を中心に最近増えてきたDSDS(Dual SIM - Dual Standby)端末だが、従来の4G+3Gのような組み合わせではなく、LTE同時待ち受けが今後の主流になるとみられる。背景には、CDMAキャリアを中心に(音声通話の受け軸となる)3GからVoLTEへの移行が急速に進んでいる他、インドなどではLTE専業キャリアなどが出現しており、音声通話でのVoLTE対応が必須となっているためだ。そのため、DSDVのような仕組みは非常に重要になると考えられる。今後5G移行を見据え、よりその傾向は顕著になるだろう。
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