変わったようで変わっていない? 懐かしの料金プランを振り返る(2/2 ページ)

» 2017年12月20日 06時00分 公開
[迎悟,ITmedia]
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高い本体代金に戸惑うユーザーを「救済するプラン」登場

 しかし、それまでの購入方法と全く違う分離プランに、多くのユーザーは戸惑いました。

 電話番号やメールアドレスは買い替えたら連絡をすればいい、いわゆる「アド変」のメールを一斉に送る文化が当たり前になっている背景もありました。そのため、解約新規で買い換えることに抵抗のないユーザーが多く、最新機種への買い替えは解約新規なら1円から1万円ほど、機種変更でも3万円に慣れていたユーザーからの反発はかなりのものでした。

 そこで、分離プランとは別に用意されたのが「端末代金を割り引く代わりに、一定の利用期間を設けるプラン」でした。

 これをNTTドコモでは「ベーシックコース」、auでは「フルサポートコース」と呼んでいました。ソフトバンクはボーダフォンを買収し参入した直後であり、サービスイン当初から今でこそ当たり前となった「実質0円」を掲げた分離プランのローンチに成功していましたので、ここでは特に触れません。

端末代金を割り引く代わりに、一定の利用期間を設けるプラン(スライドは当時のもの)

 NTTドコモのベーシックプラン、auのフルサポートコースは

  • 月額料金は従来の金額
  • 本体代金から一定の金額を割り引く
  • 2年間の継続利用が条件だが、途中で機種変更や解約を行うと解除料が発生する

 という仕組みでした。

 例えば、ハイエンドな5万円前後の機種を購入した場合は、分離プラン以前の3万円程度で機種変更が可能でした。新規契約の場合にローエンド〜ミドルレンジの機種や型落ちの機種であれば、1万円前後、中にはお店独自のキャンペーンで今まで通り1円や0円といった金額で購入できたため、分離プランに反発するユーザーの受け皿として機能していたのです。

乗り換えや新規の優遇に「解除料」設けたプラン 今でも

 冒頭でも触れたように、飽和した国内の携帯電話市場でユーザーを他社から奪うために「高額なキャッシュバック」や「本体代金の大幅値引き」が行われ、それを是正する動きが2016年に活発化したことは記憶に新しいでしょう。

総務大臣の高市早苗氏

 是正される前は「最新機種が一括0円。月々も2年間2000円。パケットも使い放題」のようなうたい文句で、同じ会社・同じ機種を使い続けるユーザーの半額以下の月額で利用できるため、乗り換えをしないユーザーからは不公平だという声が上がりました。

 その結果として是正が活発になったわけですが、是正後も「乗り換えのユーザーを優遇する」仕組みとして、本体代金を大幅に値引くキャンペーンが台頭しています。

 NTTドコモであれば「端末購入サポート」、auであれば「au購入サポート」、ソフトバンクであれば「一括購入割引」と呼ばれるそれらキャンペーンは、本体代金こそ一括で安価に購入できますが、月額料金への割引は適用されず、月額料金は既存ユーザーと比べて大幅に安くなることはありません。

 同時に、これらのキャンペーンを適用して本体を安価に購入した場合、一定期間、機種変更や解約、指定料金プラン以外へ変更を行うと解除料が発生するようになっています。


 10年前に登場した「ベーシックコース」「フルサポートコース」といった“救済プラン”は、ユーザーが徐々に分離プランに慣れたことで廃れ、受付もだいぶ前に終了したはずでした。それなのに、現在も似た仕組みで「端末購入サポート」などが行われていることは、携帯電話業界を見ていく上で1つの“視点”になるのではないでしょうか。

 最近は大手携帯電話会社だけでなくMVNOという選択肢もあり、今まで使っていた機種をそのままに月額料金を安くできるようにもなりました。SIMフリースマートフォンの存在も認知され選択肢に加わったことで、今後は「携帯電話会社を変えるのに、本体を買わなければならない」という従来の仕組みの重要性が薄れていくかもしれません。

 せっかくキャリアを変えるのだから、新しい機種に併せて買い替えたいという需要も存在する中で、時代を繰り返すようなプランやキャンペーンが、また5年後、10年後にも出てくるのか。筆者としては興味の尽きない、読者の皆さまにも是非チェックして欲しいポイントです。

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