AT&TがMate 10 Pro採用をドタキャン 日米で明暗分かれたHuaweiのキャリア戦略:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2018年01月15日 06時35分 公開
[石野純也,ITmedia]

SIMフリーでの実績を引っ提げ、nova 2をauから発売

 政治的な背景もあって苦戦する米国市場に対し、日本では今のところ、順風満帆な状況といえるだろう。先に挙げた通り、auは同社初となるHuawei端末のnova 2を1月下旬に発売すると発表。かつてドコモやソフトバンクでHuawei製のスマートフォンが取り扱われていた実績をカウントするとすれば、“3大キャリアを制覇”した格好だ。日本と韓国を統括するHuawei デバイスの呉波氏は、「KDDIがHuaweiのスマートフォンを採用するのは初めてで、弊社も期待をかけている」と語る。

Huawei au初のHuawei製スマートフォンとなるnova 2

 novaは、Huaweiが2016年9月に、ドイツ・ベルリンで開催されたIFAで発表されたシリーズで、ターゲットは“若者”だ。2017年には、SIMロックフリーモデルとして、初代「nova」とその廉価版である「nova lite」を日本に導入。novaは幅広い販路で、nova liteはMVNO限定モデルとして販売され、どちらも高い人気を集めた。特にnova liteはMVNO関係者からの評判が高く、後から導入を決定した会社もあったほどだ。

Huawei MVNO専用モデルのnova liteは、コストパフォーマンスのよさから、高い人気を集めた

 nova 2は、その後継機として開発されたスマートフォン。Huaweiが得意とするデュアルカメラを背面に搭載し、被写体の背景をボカすポート―レートモードなどを利用できる。セルフィ―用のインカメラも2000万画素と画素数が高く、顔を美しく補正するビューティー機能を備える。プロセッサには、Huawei傘下のHiSiliconが開発した「Kirin 659」を採用する。ただし、おサイフケータイや防水には非対応。グローバルモデルをベースに、ソフトウェアをカスタマイズしてauに導入する端末になる。

Huawei 背面には、2つのカメラを備える。Huawei得意のポートレートモードも用意

 auがnova 2を導入した背景には、Huaweiが同市場で急速に認知度を上げていることがある。先の呉氏もそれを「採用理由の1つ」と認め、「弊社の知名度や認知度はどんどん上がっている」と語った。キャリアモデルと比べると、販売数の桁が1つ変わることもあるSIMロックフリースマートフォンだが、メーカーが自身で戦略を立てて販売できるため、ブランドは認知させやすい。もちろん、端末に競争力があることは大前提になるが、この点も、グローバルで成長しているHuaweiであればクリアできる。

Huawei SIMロックフリースマートフォン市場にターゲットを絞り、日本でも着実にシェアを上げている。写真はMate 10 Pro発表時のもの

 モバイルWi-Fiルーターを中心に、スマートフォン以外のデータ通信端末で実績を重ねてきたことも、キャリアからの評価の高さにつながっているという。呉氏は「日本の通信事業者とは、過去10年、継続して協力関係を築いてきた」と歴史の長さを強調する。

 novaは「学生が多い」という春商戦の特徴とも合っており、価格も手ごろだ。auは2017年、分離プランである「auピタットプラン」「auフラットプラン」の2つを導入。これらの料金プランを選ぶと、料金が安く抑えられる代わりに、端末購入補助がつかない。そのため、もともとの本体が手ごろな価格の端末が求められていた。ミドルレンジのnova 2であれば、こうしたニーズにも応えられそうだ。

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