「携帯電話界のポルシェ」と言われたNokiaの「8860」(懐かしの海外ケータイ)

» 2018年02月25日 06時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 海外メーカーの携帯電話を1500台以上所有する筆者のコレクションから、過去の懐かしい製品を振り返る「懐かしの海外ケータイ」。記念すべき第1回に紹介するのは、Nokiaが1999年に米国で発売した「8860」です。

Nokia8860 Nokiaの「8860」
Nokia8860 フリップをスライドさせるとテンキーが現れる

 海外の携帯電話がまだ「黒くてゴツイ」製品ばかりだった1998年、Nokiaからすい星のごとく登場したプレミアムデザインの携帯電話が「8810」でした。GSM900方式に対応、テンキー部分はスライド式のフリップに覆われ、アンテナを本体に内蔵したことですっきりとしたデザインになりました。

 最大の特徴はシルバーメッキのボディー。高級感あふれる外観で、発売時の価格で20万円相当したといいます。「携帯電話界のポルシェ」とも呼ばれ、セレブなどがこぞって購入したそうです。

 その8810を米国向けとしたのが本モデル「8860」です。8810との外観上の大きな違いは発信ボタンが緑色から緑字のTALK表記、切断ボタンが赤色から赤字のEND表記になったことです。当時の米国の携帯電話はこの表記が一般的でした。

 通信方式はTDMAのためSIMを利用せず、バッテリーを外すと8810に見られるSIMスロットがありません。バッテリーを外した本体の内部にはROM書き換えなどを行うためのサービス端子がありますが、2列に並んだ8つの端子穴は自動車パーツを思わせるデザイン。通り名だけではなく、内部の造りもスポーツカーを多少意識していたようです。

Nokia8860 シンプルな背面
Nokia8860 バッテリーを外しても、SIMスロットは見当たらない

 本体素材は樹脂で、その上にメッキを施しているために、使い続けていくうちに傷が付いてしまうという欠点もありました。しかし、だからこそ購入者はこの8810や8860をケースに入れて大切に使っていたに違いありません。今見ても十分美しいフォルムは、古臭さを全く感じさせません。海外携帯電話マニアは誰もがコレクションとして欲しがる製品ですが、今となってはこのように美しいミント状態のものを探すのは困難です。

 ちなみにNokiaの携帯電話はこれ以降、8000番台は高級モデル、ラグジュアリーモデルとして独自の進化を遂げていきます。貴金属を使った1000万円もする超高級携帯電話「VERTU」の元祖も、実はこの8810/8860なのです。携帯電話がまだ通話とSMSしかできなかった時代から、Nokiaは性能だけではなく外観にもこだわった製品を開発していたのです。

Nokia8860

「8860」の主な仕様

  • メーカー:Nokia
  • 発売年:1999年
  • 通信方式:TDMA
  • サイズ:約46(幅)×107(高さ)×18(奥行き)mm
  • 重量:約118g
  • その他:モノクロ5行表示ディスプレイ、600mAh NiMHバッテリー

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月28日 更新
  1. 「楽天モバイルWiFiスポット」を試してみた 屋内通信の不満解消へ期待も「接続性」に課題 (2026年07月26日)
  2. 夏の暑さ対策グッズでよく見掛ける「ペルチェ素子」ってなんだ? 賢く使うための注意点も (2026年07月27日)
  3. 折りたたみスマホ「OPPO Find N6」を3カ月使って実感した“真価” 仕事とプライベートで大活躍 (2026年07月26日)
  4. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  5. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
  6. 気温35度以上のハンディファンは「逆効果」 猛暑を安全に乗り切る使い方と2026年おすすめ5選 (2026年07月27日)
  7. ドコモが「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」を値上げ 一部機種は残価も引き上げ、実質負担額の影響は? (2026年07月24日)
  8. 界面活性剤とマイクロファイバーでタッチパネルをきれいに! ダイソーで220円の「スクリーンクリーナー」を試す (2026年07月25日)
  9. 【3COINS】100段階で風量調整、透明デザインの「大風量ペルチェ付きハンディファン」 3300円 (2026年07月27日)
  10. サムスンが「Galaxy Z Fold8」で横長折りたたみを投入する理由 AIの進化にもマッチ、“iPhone包囲網”も万全か (2026年07月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー