4年たっても色あせない、高級スマホ「VERTU」山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2017年08月14日 11時16分 公開
[山根康宏ITmedia]

 Nokiaから分離して1000万円の高級端末などを手掛けているVERTU(ヴァーチュ)の倒産のニュースが2017年7月に流れました。高級端末の需要がなかったのか、あるいはコストが高すぎたのか。今後の事業の動きは予断を許しません。しかし一度VERTUの端末を使い出すと、もう他には戻れないほど、本物の素材を使った質感は最高のものと感じられます。

VERTU 4年前に発売されたVERTU Constellation 2013

 もともとはフィーチャーフォンだけを手掛けていたVERTUですが、2013年からはAndroidスマートフォンを市場に投入しています。今から4年前に発売されたVERTU Constellationの2013年モデルを見ても、VERTUの魅力を堪能できます。どんな製品なのか、写真で見ていきましょう。

VERTU ラグジュアリーなスマートフォン、VERTU Constellation 2013

 Constellationの本体形状は下部がVの字になった五角形。このデザインはもちろんVERTUの「V」を模したもの。歴代のVERTUモデルのほとんどが本体のどこかにVの字のデザインを取り入れています。その本体下部には背面からつながる革の素材で覆われていますが、これは本革。合皮ではありません。またディスプレイはサファイアグラスでスクラッチ知らず。保護フィルムは不要です。

VERTU Vの字を取り入れたデザイン、本革とサファイアグラスを組み合わせた前面

 背面は全体がその本革で覆われており、持ってみると手のひらにぴったりと本体が収まります。革の風合いはとてもよく、いつまでも握り続けていたくなるほど。VERTUの価値はここにあります。「スマートフォンはスペックが高ければいい」という人は、スペックを追い求めればよし。一方、「スマートフォンであろうとも、モノとして本物を求める」という人に、VERTUは製品を送り続けてきたのです。

VERTU 本革の風味はかなり心地よい

 スペックはプロセッサがSnapdragon S4の2コア1.7GHz、ディスプレイが4.3型HD(720×1280ピクセル)、カメラは1300万画素。通信方式は3G。4年前の機種なので、さすがにスペックは見劣りしますが、この質感の本体の心地よさを考えると、SNS用途程度なら今でも使えないことはありません。何年たっても本革は本革。ビンテージ的な良さも感じられます。そして本体側面を見ると、赤いボタンが見えますね。これはルビーだそうで、VERTUの他のスマートフォンにも採用されています。

VERTU 側面のアクセントになるルビーのボタン

 SIMトレイの素材もセラミック。プラスチックでは破損の恐れもありますから納得です。またアルミなどでは削れや折れの心配もあります。そこまでしなくてもいいのかもしれませんが、そこまでこだわる、それがVERTUというわけ。SIMトレイを抜くピンもロゴ入りのこだわったものになっています。

VERTU SIMトレイとSIMピン

 スピーカーの音質も良く、オーケストラの演奏によるVERTUオリジナルの着信音は、テキストでお届けできないのが残念なほど。VERTUは「金やダイヤを使った高級品」と思われがちですが、スピーカーやマイクも高性能なものを搭載しているのです。見た目だけが高級ではないのですよ。筆者が初めてVERTU端末を手にしたとき、その音の良さには驚いたのですが、メディアプレーヤーとして使うのもいいのかもしれません。

VERTU 音の良さを伝えられないのが残念

 本体とおそろいの素材を使った本革のケースもあります。ケースだけでも普通のスマートフォンが買える値段ですが、素材を考えると当然でしょう。なおこのConstellation本体の価格は発売当時4900ユーロ、約63万2000円。VERTUとしては“格安”な部類に入りますが、ユーザー層拡大を狙っての値付けだったのでしょう。

VERTU 本革のケースだけでも数万円

 本物素材の製品を欲しいと思う富裕層をターゲットにしたものの、数年でスペックが古くなってしまうスマートフォンは、まだまだ発展途上の製品なのでしょう。それでも一度VERTUの実機に触れてみると、いつかは欲しいと思わせるだけの質感を感じられます。いつの日か復活することを期待したいものです。

VERTU 復活の日を期待したい

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月17日 更新
  1. ガラケー型スマホ「ケースマ」が売れているワケ 在庫切れで入手困難な店舗も メーカーに方針を聞いた (2026年03月15日)
  2. 見た目はガラケー、中身はスマホの「MIVE ケースマ」徹底レビュー どこまで実用的で、誰に向くのか (2026年03月08日)
  3. 【ダイソー】770円の「多関節アーム デバイスホルダー」 機器のポジションを自在に変えられる (2026年03月15日)
  4. ドコモのAndroidスマホの標準メッセージアプリが「Google メッセージ」に 「+メッセージ」はどうなるのか? (2026年03月14日)
  5. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  6. ドコモ前田社長に聞く、新AIサービス「SyncMe」の狙い 「dポイントのデータを価値に変えて還元する」 (2026年03月16日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. なぜ今“ガラケー”新機種? FCNTが「らくらくホン」を継続する理由 (2025年06月17日)
  9. GeminiやChatGPTがあるのになぜ? ドコモがAIエージェント「SyncMe」を手掛ける理由 強みはdアカウントにあり (2026年03月08日)
  10. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年