“太刀”を背負った手書きケータイ Nokia「6108」(懐かしの海外ケータイ)

» 2018年04月27日 06時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 海外メーカーの携帯電話を1500台以上所有する筆者のコレクションから、過去の懐かしい製品を振り返る「懐かしの海外ケータイ」。今回は非タッチパネルのフィーチャーフォンで手書き入力を実現したNokia「6108」をご紹介します。

Nokia Nokia「6108」
Nokia

 2000年台初頭のころ、携帯電話の文字入力は10キーを使う方法が世界中で一般的でした。ようやく出てきたスマートフォンの一部はスタイラスペンを使ってディスプレイに直接文字を手書き入力することができました。10キー入力も慣れれば早いものの、ペンを使って文字を書くのも簡単です。とはいえ普通のフィーチャーフォンにタッチパネルディスプレイを搭載することは、当時の技術とコストでは不可能だったのです。

 そこでNokiaが開発した方法は、ディスプレイではなく手書きパッドに文字を書くというアイデアでした。問題はその手書きパッドをどこに置くか。Nokiaはなんと10キー部分をフリップ式として、開くと手書きパッドが現れる構造を実現したのです。それがNokia「6108」でした。

Nokia

 スタイラスペンは本体の背面に装着し、あえて見せるデザインとしました。実はこれ、兄弟モデルの「3108」と同じ構造をしています。ビジネス端末色の強い6108に対し、3108は若者をターゲットにしたカジュアル機。3108の背面スタイラスペンは中国の武将漫画に出てくる、太刀を背負った勇者をイメージしています。6108の背面もどことなく強そうに見えるのは、そんな背景があるからでしょう。

 なお、当時のNokia端末は、下1桁の数字が「8」だと中国向け限定モデルでした。中国の消費者の好きな数字をつけることで販売地域を明確にしたのです。3108も中国や台湾、香港などの中華圏で発売されました。ところが6108は大人向けの本体デザインと手書き入力のしやすさから、欧州でも販売されたのでした。

Nokia

 6108と3108が採用した10キー部分のフリップ構造は、残念ながらこの1世代だけで終わってしまいました。Nokiaは2004年ごろから製品全体のSymbianスマートフォンシフトをさらに進め、手書き対応はフィーチャーフォンではなくスマートフォンへ搭載されていったのです。しかし結局は片手でも使える10キー入力の使い勝手を超えることはできず、Nokiaのスタイラスペン端末は数年で消えてしまったのでした。

Nokia

Nokia「6108」の主な仕様

  • メーカー:Nokia
  • 発売年:2003年
  • 通信方式:GSM
  • サイズ:約46.4(幅)×106(高さ)×22.8(奥行き)mm
  • 重量:約98g
  • その他:128×128ピクセル、カラーディスプレイ、スタイラスペン内蔵

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月12日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. 新エントリースマホ「arrows We3」発表 コンパクトな高耐久ボディーに5000mAhバッテリーや新カメラを搭載 (2026年06月11日)
  3. 「それ、家じゃダメなの?」──スタバ長時間滞在に冷ややかな目 “スマホ操作”に“PCで仕事”も (2026年06月07日)
  4. スタバ長時間滞在、なぜ「一律ルール」設けない? “スマホでゲーム、PCで仕事も…広報見解は (2026年06月12日)
  5. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
  6. コレがたったの3630円――初代PlayStationを模したケース、セブン-イレブンなどで7月6日発売 (2026年06月11日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. 動画配信「ABEMA」の障害復旧 約4時間17分にわたり視聴できず SNSに悲鳴【訂正】 (2026年06月10日)
  9. 「日本通信アプリ」の新バージョン提供開始 FPoS対応で本人確認のセキュリティを強化 (2026年06月11日)
  10. 「Pokemon GO Fest 2026:東京」のモバイル通信は快適だった? 初対策の楽天モバイルがピーク時に“最速”も記録 (2026年06月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー