遅れてきたフラグシップスマホ「LG G7 ThinQ」は何が新しい?山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2018年05月19日 06時00分 公開
[山根康宏ITmedia]
G7

 LGのスマートフォンは春にGシリーズ、秋にVシリーズという2つの柱を中心に製品展開を行っています。ところが2018年は2月に「V30S ThinQ」が発表されたものの、Gシリーズはスキップされました。V30S ThinQは2017年8月発表の「V30」にAI機能を追加したモデルで、新製品というよりもマイナーチェンジモデルでした。LGの顔ともいえるGシリーズが登場しなかったことは、ちょっとした驚きを市場に与えました。

 2月の「Mobile World Congress 2018」、そして3月に中国メーカー各社が次々と新製品を発表し、2018年の春夏戦線モデルが一通り出そろったところですが、LGも遅ればせながらようやく新モデルを発表しました。それが「G7 ThinQ」です。V30S ThinQ同様、モデル名に「ThinQ」を付けているのはLGのAI戦略を大きくアピールしたいからでしょう。ThinQはLGが開発したAIシステムで、既に家電製品の一部に搭載。それらの家電も同じThinQブランドとして展開されています。

G7 LGからようやくフラグシップモデル「G7 ThinQ」が登場

 G7 ThinQの強化点はカメラで、最大の特徴がAI機能。V30S ThinQでも被写体に応じて撮影モードをAIが自動調整してくれましたが、G7 ThinQはシーン判別が8から19へと大幅に増えています。食事や動物、夕焼けなどの写真をさらに美しく撮影できるようになりました。AI判別は今や各社のカメラが搭載する、カメラ機能の大きなトレンドになっていますね。

G7 AIカメラの撮影テストコーナー

 音楽再生機能も強化。机や空き箱などの上に端末を置くと、下部の空洞をスピーカーのように利用する「Boombox Speaker」機能を搭載。DTS:X surround soundのサポートやQuad Hi-Fi DACを搭載するなど、高音質でクリアな音楽再生を提供してくれます。Boombox Speakerは、身の回りのものがスピーカーのようになる面白い機能です。

G7 Boombox Speakerのデモ

 そしてディスプレイはLGとして初のノッチ(切り欠き)付きになりました。ただし設定でノッチはなくすこともできます。ノッチの有無には賛否両論がありますが、ディスプレイの一部にくぼみがあるのは横向きにして使う時に違和感を覚えるもの。使い方に応じて「あり」「なし」を選べる機能がこれから流行するかもしれません。なおアスペクト比は19.5:9とさらに縦に伸びています。

G7 ディスプレイのノッチは「なし」にもできる。サイズはさらに縦長になった

 韓国ではソウルで5月3日に発表会が行われました。グローバル向けには前日の5月2日にニューヨークで発表会を開催。しかし価格や販売国はまだアナウンスされていないようです。ひとまず地元韓国では発売になるでしょうし、ニューヨークで発表したことから米国向けにも投入されるでしょう。Snapdragon 845に1600万画素カメラを2つ搭載しているだけに、価格は他社のフラグシップモデル相当になりそうです。今後の発売状況が気になる新製品ですね。

G7 各国での展開が気になるところ。日本投入は今回あるだろうか?

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