Appleが開発者向けカンファレンス「WWDC 2018」で、2018年秋の配信を予定している最新OS「iOS 12」を発表した。パフォーマンスの向上、自分の顔をイメージした「Memoji」の作成、新たなファイルフォーマットに対応した「ARKit2」、スマホ中毒を防ぐ管理機能などが大きなトピック。メジャーバージョンアップというよりは、個々の機能がブラッシュアップし、より生活に根ざした新機能が多い印象だ。
一方で、少し意外だったのが対応機種。2016年にリリースされた「iOS 10」では「iPhone 4s」(2011年発売)が外れ、2017年にリリースされた「iOS 11」では「iPhone 5」(2012年発売)と「iPhone 5c」(2013年発売)が外れた。この流れで行くと、iPhone 5の後継モデルである「iPhone 5s」(2013年発売)が、iOS 12では対象から外れてついにOSバージョンアップが打ち切られるのでは……と思われたが、iOS 12は5sも対応機種に含まれている。
あらためて、iOS 12の対応機種は以下の通り。
「iPhone 4s」と「iPhone 5/5c」は4回までOSバージョンアップできたが、iPhone 5sは、これを抜く5回のOSバージョンアップが可能になる。この「5回」という数字はiPhone史上最多だ。
少々気が早いが、iOS 12の次のOS「iOS 13(仮)」が2019年秋にリリースされるとすると、少なくともiPhone 5sは発売から約6年にわたり、最新OSを使い続けられることになる。Androidは1年〜2年程度でOSバージョンアップが打ち切られることが多い中で、5sの寿命の長さは異例だ。
iPhone 5sは、日本の中古市場ではいまだに人気があるロングセラー商品。さすがに5年〜6年も使うとOSよりもバッテリーの寿命の方が早く尽きてしまいそうだが、バッテリーは新しいものに交換すれば、再び使える。しかもiOS 12のパフォーマンス改善は5sも対象。古い機種ほど最新OSでは動作が緩慢になりがちだが、iOS 12では5sも快適に使えることが期待される。
今回の対応は「まだiPhone 5sを使い続けたい!」というユーザーには朗報であると同時に、世界中で5sのユーザーがいまだに多いことがうかがえる。
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