ある意味で当たり前ですが、iOS版のユーザーインタフェース(UI)はiOSに最適化されています。
連絡先が+メッセージの送受信に対応している場合は、名前の横にアイコンが出るようになっています。+メッセージ対応の連絡先だけを絞り込むことも可能です。ユーザーの絞り込みに関するUIはiOS版の方が分かりやすいです。
iOS版の連絡先追加アイコン・新規作成アイコンは画面上方にあるため、画面の大きめなiPhoneでは片手操作が若干厳しくなります(簡易アクセスを使えばいいのですが)。その点、Android版はこれらが画面右下に出るため片手操作に優しい感じはします(慣れの問題もありますが)。
メッセージ(チャット)の画面は、iOS版とAndroid版で大きな違いはありません。同じような感覚で使えます。
iOS版とAndroid版では、+メッセージ非対応の連絡先に対する挙動が異なります。
Android版アプリはSMS(ショートメッセージ)アプリを兼ねています。そのため、+メッセージ非対応の連絡先にもSMSを送信できます(送信料金がかかりますが)。
それに対して、iOS版アプリはSMSの送受信に対応していません。そのため、+メッセージ非対応の連絡先には、+メッセージに招待するSMSを「メッセージ」アプリ経由で送ることしかできません(こちらも送信料金がかかります)。
アプリが分かれていることは、視点次第でメリットにもなりデメリットにもなります。個人的には、1つのアプリで全部済ませたいですが、プラットフォームの制約から難しいかもしれません……。
+メッセージアプリ自体は、iOS版もAndroid版も快適に使えます。電話番号さえ分かれば写真や動画も送れるのは大変助かります。
現時点における+メッセージの大きな問題は、とにかくユーザーが少ないこと。自分のプライベートな連絡先は全部で200件ほどあるのですが、その中で+メッセージに対応しているのはわずか5件。率でいうと2.5%ほどしかありません……。
「もうLINE使っているよ」「Facebook Messengerで十分」という人もいるでしょうが、筆者としてはアプリのインストールが分かりづらいことが普及率の良くない原因の1つなのではないかと思っています。
先述の通り、iOS版は検索でヒットしづらい状態ですし、Android版はキャリアによって入手方法が異なるという課題があります。まずはアプリの入手性(入手に至るまでの導線)を改善する必要があります。
さらに+メッセージを「使おう」という動機付けも必要です。そういう観点では、海外では先行して進むビジネスメッセージング(企業や店舗によるリッチメッセージのプッシュ配信)サービスの普及が大きな鍵になりそうです。
「格安SIM」と呼ばれることの多いMVNOサービスに対応できていないことも課題です。+メッセージは、音声通話・SMSやデータ(パケット)通信とは“別”のサービスなので、MVNOサービスで使うには回線貸し出し元のキャリアと別途交渉が必要なのです。各キャリアはMVNOから交渉を持ちかけられた場合は応じる姿勢を示しているので、遅かれ早かれ対応は進むと思われます。
+メッセージはまだ始まったばかり。そのポテンシャルを生かすにはいくつものハードルがあります。それを乗り越えて、より良いサービスになることを期待しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.