ドコモの2018年夏モデルでは、7機種が上り最大75Mbpsの通信に対応しました。
従来、ドコモのXi(LTEサービス)における上り最大速度は50Mbpsでしたが、上り通信の変調方式を「64QAM」に変更することで約1.5倍の高速化を果たしました。ドコモにおいて上り最大速度がアップするのは久しぶりのことです。
ドコモでは2018年冬に、上り通信にもCAを適用する「ULCA(アップリンクキャリアアグリゲーション)」も導入する予定です。その通りになれば、2018年冬モデルの一部機種で上り最大速度が100Mbpsを超えます。
SNSへ画像や動画をアップロードする機会が増え、その容量も大きくなっていく傾向にある現状を踏まえると、上り通信速度の高速化は重要な意味を持ちます。
「上り通信」という観点で、ドコモ(やソフトバンク)よりも苦しい立場にあったのがau。au 4G LTEでは割り振られた周波数帯の都合から、上り最大速度を向上することが困難だったのです。
しかし、利用できる周波数帯が追加(拡大)され、他社に先んじてULCAと上り通信における64QAM変調を採用した結果、2017年冬モデル以降の一部機種において上り最大112.5Mbpsの通信を実現しました。下り通信も、2018年夏モデルの一部から最大958Mbpsと高速です。
下り通信こそ僅差でドコモに国内最速を奪われましたが、上り通信については現時点で国内最速です。
上りの理論最高速度の向上は、下りのそれと同様に実効速度にも好影響を与えます。
2015年12月から始まった総務省のガイドラインに基づく実効速度調査ではしばらく、auの上り実効速度の遅さが目立ちました(参考記事その1/その2)。しかし、最近の調査ではauがAndroid端末における上り実効速度でトップに立っています。
上り最大112.5Mbps対応は東名阪の一部エリアに限られてはいるものの、auが他社と並ぶかそれ以上の結果を残せるほどに上り速度が改善していることは歓迎すべきこと。「気が付いたらSNSへのアップロードが簡単になっていた」「クラウドサービスへの写真や動画のバックアップが早く終わった」といった形で体感できるでしょう。
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