「ギガ時代」を迎える通信速度 上りも「100Mbps」超に5分で知るモバイルデータ通信活用術(2/3 ページ)

» 2018年06月22日 17時00分 公開
[島田純ITmedia]

上り通信速度も高速化 auは「最遅」から「最速」に

 ドコモの2018年夏モデルでは、7機種が上り最大75Mbpsの通信に対応しました。

 従来、ドコモのXi(LTEサービス)における上り最大速度は50Mbpsでしたが、上り通信の変調方式を「64QAM」に変更することで約1.5倍の高速化を果たしました。ドコモにおいて上り最大速度がアップするのは久しぶりのことです。

 ドコモでは2018年冬に、上り通信にもCAを適用する「ULCA(アップリンクキャリアアグリゲーション)」も導入する予定です。その通りになれば、2018年冬モデルの一部機種で上り最大速度が100Mbpsを超えます。

 SNSへ画像や動画をアップロードする機会が増え、その容量も大きくなっていく傾向にある現状を踏まえると、上り通信速度の高速化は重要な意味を持ちます。

上りも75Mbpsに対応 ドコモの一部新機種は上り最大速度が向上。2018年冬にはさらに高速化を予定

 「上り通信」という観点で、ドコモ(やソフトバンク)よりも苦しい立場にあったのがau。au 4G LTEでは割り振られた周波数帯の都合から、上り最大速度を向上することが困難だったのです。

 しかし、利用できる周波数帯が追加(拡大)され、他社に先んじてULCAと上り通信における64QAM変調を採用した結果、2017年冬モデル以降の一部機種において上り最大112.5Mbpsの通信を実現しました。下り通信も、2018年夏モデルの一部から最大958Mbpsと高速です。

 下り通信こそ僅差でドコモに国内最速を奪われましたが、上り通信については現時点で国内最速です。

auの上り 他社に先んじてULCAと上り通信の64QAM変調採用によって下り最大速度は112.5Mbpsに

 上りの理論最高速度の向上は、下りのそれと同様に実効速度にも好影響を与えます。

 2015年12月から始まった総務省のガイドラインに基づく実効速度調査ではしばらく、auの上り実効速度の遅さが目立ちました(参考記事その1その2)。しかし、最近の調査ではauがAndroid端末における上り実効速度でトップに立っています。

auの実効速度 記事執筆現在の最新調査では、auの上り実効速度の中央値が28Mbpsとなっている。ドコモの23Mbps、ソフトバンクの24Mbpsよりも良好な結果となっている

 上り最大112.5Mbps対応は東名阪の一部エリアに限られてはいるものの、auが他社と並ぶかそれ以上の結果を残せるほどに上り速度が改善していることは歓迎すべきこと。「気が付いたらSNSへのアップロードが簡単になっていた」「クラウドサービスへの写真や動画のバックアップが早く終わった」といった形で体感できるでしょう。

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