審査員特別賞の「卍(スワスティカ)」は、「どこなのさしすせそ」というアプリを開発。これは、表示される調味料を選ぶと、モーターが仕込まれた調味料入れが「動き出して」存在を主張するアプリだ。動かすための方法として、アプリ上で選択する他、スマートフォンに音声認識やジェスチャーといったインタフェースも用意されている。
デモンストレーションでは、調味料入れが倒れてしまうほど激しく動き、会場を笑いの渦に巻き込んでいた。審査では、「モビリティ」というテーマを“震える”という着想に転換した点や、アプリのデザインや動きのかわいらしさが好評だった他、限られた時間とリソースで動く調味料入れを作成した実装力が評価された。
惜しくも受賞を逃したアプリでは、災害発生時に支援物資の在庫情報を可視化するアプリや、道を知っている人に案内してもらう道案内アプリ、手紙を回して気持ちを伝えるアプリなど、「モビリティ」というテーマをさまざまな形で表現したアプリが発表された。
本選の総評は、業務により欠席となった審査員長の村上臣氏に代わり、フリーランス技術者の及川卓也氏が行った。
「モビリティ」というテーマから、人の移動、モノの移動、仮想的な移動、さらには“思いが移動”するアプリまで、さまざまなアイデアのアプリが登場した今回のSPAJAM本選。及川氏はその発想の抱負さを称賛しながらも、「ズバ抜けたところがなく、惜しいチームが多かった」と語る。
SPAJAMでは、テーマ性、アイデア、実装力、プレゼン力という4つの観点から評価される。及川氏は、「アイデアが良いと思ったチームは実装が追い付いておらず、完成しているけどこぢんまりとした仕上がり」と指摘。反対に、実装は進んでいたがアイデアを練り切れていなかったチームについては「もうひとひねりするだけで大化けするものがあった」と話し、実際の現場の視点から、アイデアと実装の両面を意識して開発に取り組む重要性を語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.