LTE対応で翻訳スピードも向上――「POCKETALK W」9月7日発売 eSIM版は2万9880円

» 2018年07月26日 17時45分 公開
[井上翔ITmedia]

 ソースネクストは9月8日、翻訳デバイス「POCKETALK(ポケトーク) W」を発売する。新たにLTE通信に対応し、翻訳対応言語を拡充するなどハードウェア、ソフトウェア両面で大幅な改善を実施。「SIMカードの設定が分かりにくい」というユーザーからの声に応えて、eSIMを内蔵した「グローバル通信(2年)付きモデル」も用意する。想定販売価格は先代から据え置きで、通常モデル(eSIMなし)が2万4880円(税別)で、グローバル通信(2年)付きモデルが2万9880円(同)となる。

POCEKTALK W(正面) POCEKTALK W
POCEKTALK W(背面) カラーはゴールド(新色)、ホワイト、ブラックの3つを用意
発表会登壇者 7月26日に行われた発表会に登壇した松田憲幸社長(中央)、原口あきまささん(左)と安藤美姫さん(右)

自社開発に移行 ユーザーの声を生かして改良

 POCKETALK Wのハードウェアとソフトウェアは、ソースネクストが自社開発している(ハードウェア設計自体は中国企業に委託)。本体サイズは59.8(幅)×110(高さ)×15.8(奥行き)mm、重さは約100gで、サイズと重量ともに初代POCKETALKからほぼ据え置いているが、初代のユーザーからのフィードバックを踏まえて、さまざまな改良を施している

新旧比較 左が初代、右が新型。サイズや重量は据え置きとなっている

画面のタッチ操作に対応 物理ボタンも搭載 スピーカーも改善

 画面は2.4型(従来比約3.2倍)に大型化し、タッチ操作にも対応。物理的な「音声入力ボタン」を2つ用意し、翻訳機能をすぐ呼び出せるようにした。音声認識による翻訳言語の切り替えにも対応した。

 スピーカーは1.5W出力のものを2つ搭載し、騒がしい場所での聞き取りやすさを向上。Bluetoothオーディオデバイスに音声を出力する機能も備えた。

 本体の充電端子はUSB Type-Cとなった。

正面 画面は大型化し、すぐに翻訳操作に入れる音声入力ボタンを備えた
スピーカー スピーカーは出力をアップしただけでなく数も増やした
USB Type-C端子 充電端子は「USB Type-C」に

LTEと5GHz帯Wi-Fiに対応

 モバイル通信では、W-CDMA(3G)に加えてLTEにも対応する。対応周波数帯(Band)は以下の通り。SIMカードは「Nano SIM」をサポートする。グローバル通信(2年)付きモデルでは、eSIMと切り替えながら使うこともできる。

  • LTE:Band 1/2/8/19/28(Bバンドのみ)
  • W-CDMA:Band 1/2/5/6/19

 Wi-Fi(無線LAN)通信では、2.4GHz帯に加えて5GHz帯(IEEE 802.11a/n)もサポートする。

左側面 Nano SIMスロットは本体左側面にある(要・APN設定)

 グローバル通信(2年)付きモデルのeSIMは、初代の「専用グローバルSIM(2年)」と同様にソラコムが提供する。接続設定をすることなく、日本を含む105の国・地域で通信できる。eSIMを内蔵する翻訳機は世界で初めてだという。

ソラコムの玉川社長 発表会にはソラコムの玉川憲社長(右)も駆けつけた
チップSIMなど 赤い矢印で指しているのが、製品に内蔵されるeSIM。日本を含む105の国・地域で使える

翻訳機能も改善 学習者向けの機能強化も

 最大通信速度の向上と音声翻訳処理の改善によって、POCKETALK Wの平均翻訳速度は初代と比較してモバイル通信時で2.5倍、Wi-Fi通信時で約7.4倍アップ(ともに自社調べ)した。

 また一部言語において「地域ごとに異なるアクセントや発音に対応する」(関係者)ために方言対応を行った。新規対応のものと合わせて、対応言語は「74」となる。

 利用する翻訳エンジンを調整することで、アジア系言語の翻訳精度も向上したという。

方言対応 「英語」「スペイン語」「フランス語」「ポルトガル語」において方言対応を強化。特にインド英語への対応は要望が多かったようだ
アジア系言語強化 翻訳エンジンの調整により、アジア系言語の翻訳精度が向上した

 初代が「思った以上に語学学習で使われた」(同)ことを踏まえ、翻訳履歴をクラウド経由で無制限に保存する機能も追加した。いったん保存した履歴はPCやスマホのWebブラウザからも閲覧可能で、コピーアンドペーストも簡単に行える。本体にも最大で1万件の翻訳履歴を保存できる。

 後日、同社が販売する語学学習アプリ「Rosetta Stone(ロゼッタストーン)」との連携にも対応する予定だ。

クラウド保存 「ポケトークセンター」というWebサービスとPOCKETALK Wを連携することで翻訳履歴を無制限に保存可能
Rosetta Stone連携 後日、Rosetta Stoneとの連携機能も提供される予定

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