さてプレミアムおまかせオート時の設定はなかなかXperiaらしい。
注目は「先読み撮影」と「カメラキー連写」。XZシリーズ伝統の技だ。
カメラを即起動したりシャッターとして使ったりできる、側面のカメラキーを連写ボタンとして使うもので、これを押すといきなり高速連写がはじまる。
いやもう最初、これに設定したのを忘れていて、いきなり連写されてビックリした。
連写は「10コマ/秒」で連写できる。しかもフォーカスを合わせながらだ。
カメラキー連写を使うと、キーを押した瞬間からすぐ連写が始まるので、これはなかなか良い。しかもセンサーの読み出し速度を生かした「アンチディストーションシャッター」によってゆがみも抑えられているので、ペットや子供を撮るときに良い。レンズが広角なので、離れた被写体だと難しいけれど。
センサーの高速さは動画時も生かされる。
4KかつHDR(高ダイナミックレンジ)な動画を撮影できるし、超スロー撮影もできる。
ということで、一番スローになる960fps(フレーム/秒)で噴水を撮ってみた。
続いてセンサーの速さを生かしたのが「先読み」。これは“オン”にしておくべし。
動いている被写体などを狙ったとき、シャッターを押すとその直前の写真も同時に記録して、あとから良いタイミングのものを選べる機能。「あっ」と思って押したタイミングが遅かった場合でも、先読みの中にジャストなものが入ってればそれで大丈夫、というもの。
先読み撮影、実は人を撮るときにも便利。繰り返しだけれど、“オン”にすることをオススメしたい。
プレミアムおまかせオートで顔を見つけると、人物モードになるわけだが、通常は「ソフトスナップ」、光の加減では「逆光+人物」としてシーン認識される。
で、上のスクリーンショット、右上の「直前に撮った写真のサムネイルにアイコンがついている。これは「先読み撮影しました」という印。
人の表情って、一瞬で細かく変わる。だから先読み撮影をオンにしておくと、シャッターを切った瞬間の表情が、例えば半目だったり口が半開きだったりしても、先読みした中から救えたりするのだ。
これは撮る人にも撮られる人にもありがたい。どれをメインにするかは後から決められる。
で、これは特に何の調整もしてない、プレミアムおまかせオートの「ソフトスナップ」で撮影された写真。
確かにディテールもしっかり出ているし、リアルな写真ではあるのだが、人を撮るにはちょっとクッキリとしすぎてるかな。
人物と判断したら、極端な美肌処理はしないにしても、もうちょっとシャープネスを落として肌が滑らかになるよう調整しても罰は当たらないかと思う。あるいは画面上のボタンをタップすれば美肌処理がオンになる、くらいの簡単な操作でオンオフしたい。
続いてインカメラ。
アウトカメラが1900万画素センサーなのに、インカメラが500万画素センサーというのはちょっとアンバランスな感はある。レンズはかなりの広角。
インカメラだと美肌処理がサッとかかるのは良い。
伝統の「ハンドシャッター」は慣れたら便利。画面上に手を出すと、それを検知してセルフタイマーがスタートするので、手でシャッターを押さなくても写真が撮れる。
3秒のセルフタイマーなので手を認識したらもうひっこめても大丈夫だ。
で、自撮り時って右手で持ったり左手で持ったりとケースバイケースで持つ手は変わるわけで(ハンドシャッターなどを使うとシャッターボタンを押す必要もないから)、左手で持つとカメラのデザインが逆さになってしまうのはどうかと思う。
で、Xperia XZ2の先読み撮影やアンチディストーションシャッターはすごく魅力的だし、基本画質は高いから問題はない。
……ないのだけれど、「イマドキのスマホカメラ」としてはちょっと弱いかなというのが正直なところ。
数年前からスマートフォンのカメラのトレンドって、高画素よりも「人をいかにきれいに(被写体が満足するように)撮るか」「デュアルカメラでいかに背景をきれいにボカすか」といった、ある意味で「リアルよりも印象的な写真」「スマホカメラを積極的に使う人がよく撮るシーン」を念頭においた絵作りに向かっている。
トレンドを追うのが正義じゃないし、美肌なんて別にいらない、インカメラもそう使うわけじゃないという人たちには関係ないけれど、追わないなら追わないで、それ以上の魅力的な個性が欲しい。
XZ2も別アプリの「ぼけエフェクト」を使えば、背景をぼかした写真を撮れるけれど、2枚撮影して合成する形だし画素数も落ちるので、ちょっと常用はしづらい。
そういう意味も込めて、Xperia初のデュアルアウトカメラを搭載した「Xperia XZ2 Premium」がどうなるか、楽しみですな。
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