今日から始めるモバイル決済

多彩な決済方法を持つ「LINE Pay」 実際に使って分かったメリットと不満点モバイル決済サービスの使い方(2/2 ページ)

» 2018年07月31日 12時02分 公開
[房野麻子ITmedia]
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メリット:LINEを使っていれば、すぐに始められる

 LINE Payのメリットは、始めやすいことだ。LINEを利用していれば、面倒な手続きなくLINE Pay(LINE Cash)アカウントを取得でき、バーコード/QRコード決済はクレジットカードが不要なので未成年でも使える。チャージ方法が複数用意されているのもありがたい。銀行口座を登録しなければオートチャージができないので、子どもが使いすぎる危険も少ない。機種変更時も、LINEアカウントの引き継ぎを行えば、新しい機種でも引き続き利用できる。

 バーコード/QRコードを読み取る設備を用意すればいいので、加盟店側も始めやすいだろう。iPadやiPhoneで使える「モバイル決済 for Airレジ」がLINE Payに対応しているので、小さな個人商店でもLINE Payの対応は容易だ。

 LINEの友だちと送金や割り勘ができるのも便利だ。友だちのリストから送金したい人を選んで金額を入力するだけで、非常に簡単に送金できる。

不満点:クレジットカードからチャージができない

 LINE Payの決済はチャージが必要なのに、クレジットカードからチャージできないのは少々面倒に感じた。銀行口座からのオンラインチャージは可能だが、銀行口座の登録に抵抗を感じる人もいるだろう。

 銀行口座の登録は、本人確認の手続きが煩雑だ。銀行口座からのチャージができないと、現金でチャージできるセブン銀行ATMやお店を探し、そこに出向かなくてはならない。チャージの手続きも、QRコードを読み取ったり、申込券を出力したりと、時間がかかる。もう少し簡単にチャージできるようにするか、Suicaや楽天Edyのように、クレジットカードでのチャージに対応してほしいと感じた。

 また、全てのバーコード/QRコード決済にいえることだが、実際の支払い時は、やはりおサイフケータイより面倒だ。通信環境も必要。LINE Payはコードショートカットを作成して、そこからすぐにバーコード画面を表示できるが、かざすだけのおサイフケータイには敵わない。

どんな人が使うべきか

 LINEは国民的SNSとしてスマホユーザーの多くが利用しているサービス。LINEの関連サービスとしてLINE Payを使ってみるのは悪くない。クレジットカードを持てない/持ちたくない人もキャッシュレス決済を体感できる。チャージが必要だったり、決済の度にアプリを起動したりという手間はかかるが、これは、中国で広まっているQRコード決済そのもの。LINE Payにはローソンが対応して使える場所も増えてきたので、QRコード決済に興味を持っていて、ローソンが自分の生活圏にある人にお勧めしたい。

 実際の支払いはおサイフケータイの方がスマートだが、おサイフケータイより導入が簡単なので、個人商店など小さなお店でもLINE Payが広がると、もっと便利になるはずだ。

 LINE Payは、2018年8月からコード決済の手数料を3年間無料にする施策を実施し、加盟店の増加に拍車を掛けそう。ただ、バーコード/QRコード決済も複数のサービスが立ち上がってきた。早めに参入したLINE Payだが、デファクトスタンダードになるまでには、まだ時間がかかりそうだ。

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