総務省・小林政務官が語る「楽天の携帯電話事業参入」――新技術の導入で「大手キャリアの4割引き料金」を実現できるか石川温のスマホ業界新聞

» 2018年09月14日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 今週、総務省・小林史明政務官にインタビューする機会を得た。

 菅官房長官の「4割値下げ発言」についての疑問を、小林政務官にぶつけたので、その詳細は日経電子版「モバイルの達人」を読んでほしい。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年9月8日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 小林政務官には、実は楽天の携帯電話参入についても質問している。

 「楽天、本当に大丈夫なのか。総務省として支援策などは用意しないのか」という質問に対して、小林政務官は、「まずは民間で頑張ってもらう。楽天は覚悟を持って携帯電話市場に参入してきた。新しい技術を使ってチャレンジしてくるのを見守るしかない。邪魔が入らないのが重要であり、何かあれば、阻害要因は取り除く」というコメントであった。

 総務省としては第4のキャリアとして期待しているようで「国内でローミングでサービスを提供するとなると、他キャリアの戦略もある。しかし、海外を見ても、上手にやっている地域もある。民間の間でどういう戦略を取るか。選択肢はいろいろあるのではないか。楽天としては様々な事業を持っており、それらの事業とのシナジーを出せると判断し、覚悟して参入してきたのではないか。頑張って欲しい」と語った。

 今後、楽天が既存キャリアに対して、ローミング接続を申し入れるも、既存キャリアからは「ビジネスベースでの交渉」で、相当な額をふっかけられ、総務省に泣き寝入りするという可能性も考えられるが、そうしたときも、総務省としては「まずは民間で頑張ってもらう」として突き放すことになるのかもしれない。

 今週、楽天に関しては日経電子版が「基地局メーカーにノキアとアルティオスター・ネットワークスを採用したのではないか」と報じた。

 専用設備ではなく、汎用サーバーを用いてネットワークを構築することで安価に抑え、設備投資を6000億円でまかなうつもりではないかという。

 このタイミングでゼロからネットワークを構築するのだから、当然、NFVで作り上げてくるのは当然だろう。問題はネットワーク側ではなく、街中に基地局の敷地を確保し、工事する費用の方ではないか。ネットワーク側が仮想化されたとしても、基地局の土地や人件費は仮想化できない。特に土地や人件費が10年前よりも安くなったという話は聞かない。そうしたコストは、今まで変わらないかむしろ、値上げしているわけで、NFVを採用したからといって、コストが劇的に下がるわけではないだろう。

 菅官房長官の発言により、楽天の料金プランは、3キャリアが提供する4割以下の料金設定でなければならない雰囲気ができつつある。

 果たして、ゼロから全国にネットワークを構築しながらも、4割以下の料金設定を実現できるのか。楽天のハードルは上がりつつあると言えそうだ。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年02月10日 更新
  1. 「iPhoneの調子が悪いです」の文言、なぜアイホンのFAQに? 実はAppleと深く関係 (2026年02月08日)
  2. 総務省有識者会議が「手のひら返し」な我が国への示唆――日本を国際標準から遅れさせたのは自らの愚策のせい (2026年02月08日)
  3. ソフトバンク、短期解約を繰り返す「ホッピングユーザー」を抑制 その理由は? (2026年02月09日)
  4. 「東京アプリ」で1.1万円分をゲット、お得な交換先はどこ? dポイント10%増量+楽天ペイ抽選が狙い目か (2026年02月05日)
  5. KDDI、楽天モバイルとの「ローミング重複エリア」を順次終了 松田社長が言及 (2026年02月06日)
  6. 楽天モバイル、1000万回線突破も残る「通信品質」の課題 5G SAの早期導入とKDDIローミング再延長が焦点に (2026年02月07日)
  7. Googleが台湾のPixel開発拠点を公開 「10 Pro Fold」ヒンジ開発の裏側、“7年サポート”を支える耐久テスト (2026年02月09日)
  8. 東京アプリ、PayPayがポイント交換先に追加される可能性は? 広報に確認した (2026年02月05日)
  9. 東京アプリ、PayPayとWAON POINTをポイント交換先に追加 交換時期は「決まり次第案内」 (2026年02月09日)
  10. 「小型iPhone SEを復活させて」──手放せない理由SNSで話題 どこが“ちょうどいい”と評価されるのか (2025年11月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年