HuaweiのMateシリーズやPシリーズは、エントリー機種(lite)を除いてドイツのLeica(ライカ)と協業したアウトカメラを搭載している。この点については今回のMate 20シリーズも同様だが、その構成が従来から若干変わっている。
従来のアウトカメラは「カラー」「モノクロ」のデュアル構成が基本で、機種によっては「望遠(ズーム)」を加えたトリプル構成だった。それに対し、Mate 20シリーズ3機種は「広角」「超広角」「望遠」という全てカラーセンサーのトリプル構成となった。モノクロセンサーは搭載していない(撮影モードとしての「モノクロ」は引き続き搭載している)。
ライバル機種とのカメラ比較は、まずアウトカメラのセンサーサイズから始まった。
一般に、同じ有効画素数のカメラセンサーでは、そのサイズ(面積)が大きいほど暗所での撮影性能が向上する。Mate 20(とMate 20 X)は1/2.3インチ、Mate 20 Proは1/1.7インチと、ライバルのiPhone XS MaxやGalaxy Note9よりもセンサーサイズが大きい。
Mate 20シリーズが搭載するKirin 980には、独自開発のISP(イメージングプロセッサ)が搭載されている。これと大型センサーを組み合わせることで、Mate 20 Proでは静止画撮影時のISO感度が最大で“102400”と超高感度撮影を実現。iPhone XS MaxやGalaxy Note9のISO感度が最大6400であることを踏まえると圧倒的な数値だ。
発表会では、フラッシュ(LED)ライトを使わずにキレイに暗所撮影できることをアピールしていた。
この高感度撮影機能は、ポートレート(人物撮影)でも役に立つ。発表会での作例を見る限り、夕暮れ時や木漏れ日の下など、暗めの場所での撮影時にハッキリと人物の表情が判別できるレベルで撮影できることが分かる。
ただし、ここまで“明るく”撮れると、かえって違和感を覚えてしまう人もいるだろう。ある意味で、カメラの「写り」でスマホを選ぶ時代が来たのかもしれない。
アウトカメラの構成変更による一番の恩恵は、超広角撮影(0.6倍撮影)だ。発表会ではiPhone XS MaxやGalaxy Note9よりも被写体を広く撮影できることをアピールしていた。
Mate 20シリーズのカメラは接写性能も向上し、マクロモードを有効にすると最短で2.5cmまで近づけるようになった。この点もライバルに対する強いアピールポイントだ。
Mate 20 Proでは、インカメラも強化。2400万画素センサーの他、赤外線カメラやドットプロジェクター、投光イルミネーターが搭載された。簡単にいえば、イメージセンサー以外はiPhone XS/XS Max(やその先代の「iPhone X」)と同じものを備えたことになる。
できることもiPhone X/XS/XS Maxと似ている。本体正面にある各種カメラ・センサーを駆使して認証精度が大幅に向上した「3D顔認証」や、顔の表情を読み取ってリアルタイムに生成される「3Dライブ絵文字」を利用できるようになった。
インカメラでより精度の高いポートレート撮影ができるようになったのもiPhone X/XS/XS Maxと同様だ。
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